フィリピンでカミングアウトすると?
フィリピンはアジアで最もゲイに優しい国の一つと言われており、カミングアウトはそんなに難しいことではないと多くの人が思っているかと思います。しかし実際には、とても難しいことです。フィリピンはローマカトリック教の国が主流の国です。カミングアウトすることはそんなに難しくないと思われているかもしれませんが、実際にはLGBTの人の大半は未だにカミングアウトに関して問題を抱えています。フィリピンでカミングアウトするとはどういうことなのか?今回はフィリピンに在住する私からこの質問に回答したいと思います。ちなみに海外ではセクシャルマイノリティの総称としてGay(ゲイ)を使うことが多いので、この記事のゲイはゲイ男性だけでなくセクシャルマイノリティの人たちを指します。
家族へのカミングアウト:多くのゲイは家族に隠している
ゲイの人々にとって、最も難しいことは家族に打ち明けることです。オープンマインドな両親を持ちラッキーな人もいれば、逆の人もいます。すべての親が、子どもの性的指向を簡単に受け入れられるわけではありません。家族にカミングアウトすることで絶縁になるかもしれません。また、ゲイの子どもを持つということは、自分がしっかり育てられなかったという意味で大きな恥であると考える親もいます。ゲイであることを完全否定する親もいます。こういったことから、未だ多くのゲイの人々は本当の性的指向を家族に隠しています。
もちろん寛大な理解をもつ親もいます。子どもだけでなく同様に家族全体に対して起こりえるかもしれない変化を受け入れます。一方、親のリアクションがどういうふうでもカミングアウトできるほど勇敢な人もいます。
職場へのカミングアウト:昇進が認められないことも
職場のいい所はあなたがゲイかもしれないと察しているかもしれないということです。ただ激しい差別のある職場もあります、実際に、ゲイということが発覚し昇進が認められなかったケースがありました。もちろん、ゲイであるということは仕事の妨げにはなりませんから、これは本当は不平等なことです。しかし、「ゲイだからこの人はプロとは言えない」と考える人もいます。ただ職場に関してゲイの人にとって救いになることは、ゲイの人も他の人と同じように国の労働法により保護されていて、権利が侵害されたと思えば会社に簡単に告訴できるということです。
フィリピンにもまだまだ議論が必要
もちろん他のことのように、カミングアウトにもいい面があります。一つは家族や友達に本当の自分を隠す必要がなくなるということです。彼らの周りで自由に意見を言うことができ、自分の気持ちを装う必要がなくなります。また、ゲイじゃないかと問われないように異性とデートするなどする必要がなくなります。
今もまだ、フィリピンでカミングアウトすることは多くの人にとって問題ですが、性的指向は平等にあるべきであるともっと議論され、カミングアウトが難しくなくなるときがきっとフィリピンにも訪れると私は思います。
Written by: K.J. Sunga
画像出典:lgbt equality philippines