ドイツにやってきたシリア難民たち
ドイツは80万人を超えるシリア難民を受け入れをしました。僕が住んでいるベルリンでも使っていなかった古い公共の建物をシリア難民用キャンプとして再利用し、そこではたくさんのシリア難民が暮らし始めました。以前は人の気配を感じることのなかったその建物の窓にはたくさんの洗濯物が干され、現在では生活感漂う活気のある建物と変貌をとげています。そして、その建物の前には必要な物資のリストが張り出され、毎日多くのドイツ人が支援物資を持ってきます。
さて、日本ではあまり難民の受け入れをしていないのですが、欧米諸国では人道支援として難民受け入れが一般的です。難民とは人種、宗教、国籍、政治的意見、または特定の社会集団に属するなどの理由で、自国にて迫害を受けるか、受ける恐れがあるため他国へ逃れた人々を呼びます。
現在、たくさんの先進国では同性愛者の権利がみとめられ、暮らしやすくなってきていますが、先進国以外の国ではまだ同性愛者の迫害や差別、ひどい場合には法律で裁き、死刑を宣告する国さえ存在するのです。そのような国に住んでいる同性愛者たちはLGBT難民を受け入れをしてくれる国へ難民申告をし、移住をすることができるのを皆さんはご存知でしょうか。
同性愛者に対して罰則のある国々
中東やアフリカ、南アジアなどでは同性愛者に対し法律で罰している国が多く、世界では約79もの国(※Letibee LIFE調べ)が同性愛行為を法律で禁止しています。多くの場合10年から15年の懲役刑が宣告されるようです。また、同性愛行為に対して死刑を宣告する国ももあります。
以下が同性愛者を罰する際に死刑を宣告する可能性のある国です。
- スーダン
- モーリタリア
- ナイジェリア
- イラン
- カタール
- サムジアラビア
- イエメン
- アフガニスタン
- ブルネイ
- イスラム国
(※Letibee LIFE調べ)
最近ではイスラム国の同性愛者の公開処刑の動画がインターネットで公開されて話題にもなりました。また高い建物から突き落としての公開処刑という残酷なもので、とても許せるものではありません。また、死刑がなかったとしても同性愛行為を法律で罰するような国では人々の偏見が強く、そこに暮らす同性愛者は常に人々からの暴力に怯えながら暮らさなくてはならないのです。
LGBT難民を受け入れている国
上記に挙げたような同性愛行為を法律で罰するような国に住んでいる当事者をLGBT難民として受けるている国々があります。
代表的な国が以下です。
- カナダ
- イギリス
- オーストラリア
- アメリカ合衆国
(※Letibee LIFE調べ)
申請に必要なものとしてはそれぞれの国で違いますが、通常は自分が経験した差別や迫害、暴力行為の供述、そして、もし可能であれば過去に暴力被害にあった際の診断書や友人、家族、恋人などの目撃証言。そして、その国での状況がわかる人権に関する報告書や記事などを提出することによって難民申請をすることができるようです。
日本と難民
日本は平和な国であり普段の生活の中で命の危険を感じることはありませんが、中東やアフリカ、南アジアなどの国の中には未だ同性愛行為が法律で禁止されている国がたくさんあります。それらの国に住むLGBTはいつ自分が暴力の被害者になるのか怯えながら暮らし、好きな人と一緒にいることさえ難しいのです。
それぞれの国の文化や宗教の違いによって起こるこれらのことですが、先進国に住む我々が人権侵害で苦しんでいる人々を難民と受け入れることで助けることができるのはとても良いことだと思います。
現在、日本は難民受け入れに積極的ではありませんが、歴史の中では1920年と1922年の二度にわたって、戦争の混乱の中で領土分離で国家を失い、極寒のシベリアで孤立していたポーランド人を助け出したという歴史があります。日本に連れ帰り新しい洋服を与え、ご飯を与え、たくさんの日本人が彼らの世話をしました。これは正に今でいう難民受け入れではないでしょうか。当時は彼らの国が崩壊してしまっていたため、どこの国の人間ともわからない彼らを他の国々は助けませんでしたが、日本が唯一彼らを救出した国でした。日本は元々他の先進国以上に人を助けることができる国だったのです。
画像出典:CAPE TOWN GAY PRIDE 2014 – UGANDA TAKES CENTER STAGE.