【連続アンケート企画】LGBTと家族 その8〜私と家族の関係〜

切っても切れない関係。それが家族の絆です。

自分のセクシャリティに気づいた時、驚きや不安と共に
「家族にどう話せばいいのだろうか?」
「家族には絶対秘密にしなきゃ」
そんな相反する思いを抱いた方も少なくないでしょう。

この「LGBTと家族」は、
セクシャル・マイノリティの家族への考え方、関わり方を
より多くの方へのアンケートから探っていこうという企画です。

様々な方の体験したこと、考えたことの中には
あなたが共感できる事例も見つかるかもしれません。

※「LGBTと家族」では、様々なセクシャリティの様々な世代の皆様の家族との関わりをご紹介したいと考えています。セクシャル・マイノリティの皆様、是非アンケートにご協力ください。
アンケートフォームはこちら
エピソードの募集を終了しました。

LGBTと家族 No.034
認知症の祖母には旧名じゃないと通じない

はっきりしない、診断はGID・FtM(25歳)家族構成:母、父、妹、弟

Q, 自分のセクシャリティを自覚したのは何歳の頃でしたか?
最初の記憶は4歳か5歳のとき。幼稚園で「オカマ」ということばを聞いて、自分のことだ…と思った。
迷いはじめたのは中学生のころ。
それからときどき揺れがあって、高校は私服校に行ったり、大学で男性の通称名を使いはじめたり。
診断を受けたりしたものの、いまだに揺れはあります。

Q, 自分のセクシャリティを自覚した当時、どう感じましたか?
4歳のときはすっきりしたというか、腑に落ちた。
揺れはじめてからは、揺れるときは特にしんどいです。

Q, 自分のセクシャリティを家族の誰かに伝えたことはありますか?
はい
妹(中学生)→母(中学生)→父・弟(大学入学時、通称名を使うことにしたとき)
あと母方の親戚は母経由で知っています。「喋っちゃうの!?」とびっくりしましたが、否定的な反応をする人はいなかったので、結果的には助かったかなと…。
「話していいか」は確認してほしかったですが、自分では説明しなかったと思うので。
父方の親戚は知らないので、遠いこともありますが疎遠です。
※GIDの話までで、「迷う」、という話はしていないです。 両親とはしばらくぎくしゃくしましたが、父・弟とはむしろ険悪だった仲が多少改善されたかもしれません。打ち明けてほっとしたのかも。 家族と母方の親戚は通称名で呼んでくれるようになりました。

Q. あなたが伝えた後に家族から言われた言葉で印象にのこっているものは?
通称名を使って暮らす、と伝えたときに、母に「どうしても駄目だったら帰っておいで」と言われたこと。
そのときは性自認はかなり男性寄りでしたが、揺れはあったので、ちょっとありがたかったです。
家族仲はあまりよくなかったので、帰りたくはなかったですが…。

Q,セクシャル・マイノリティに関して、あなたの家族の中で印象的なエピソードがあったら教えてください。
印象的というか「この壁があるのか」と思ったこと。
認知症の祖母と、記憶があやふやしてきた大伯母には、旧名じゃないと通じないので、旧名を使いつづけないとならないこと。
とくに祖母は、家族親族の中でも一番好きな人なので、ホルモン注射(まだしたい気持ちはある)をするともしかしたら完全に認識されなくなるのでは? と思ったりします。

Q, ご自分の家族に対して感じること、考えていることなどを教えてください。
今はそれなりに穏やかに付き合っていて、愛情ももてていますが、全員コミュニケーションが得意ではないので、しんどいことは多いです。うまい付き合い方が見つけられたらなあと思っています。

IMG_1292

LGBTと家族 No.035
「お前みたいな子を産んだ覚えはない」と母に罵倒された

レズビアン? FTX?(52歳)家族構成:同性パートナーとの同居(私自身は、父も母も他界しており、親戚とも疎遠がち)

Q, 自分のセクシャリティを自覚したのは何歳の頃でしたか?
小学校に上がるまえから!

Q, 自分のセクシャリティを自覚した当時、どう感じましたか?
私って、人と違う? 何か変? と、バレたらまずい、隠さなければと、子供ながらに必死でした。

Q, 自分のセクシャリティを家族の誰かに伝えたことはありますか?
はい
22~23歳の頃、母にカミングアウトをした時、お前みたいな子を産んだ覚えはないと、罵倒されました。時間が解決した様にも感じますが。

Q. あなたが伝えた後に家族から言われた言葉で印象にのこっているものは?
気持ち悪い。
変わってる。
産んだ覚えは無い。

Q,セクシャル・マイノリティに関して、あなたの家族の中で印象的なエピソードがあったら教えてください。
セクシャルマイノリティの存在が、テレビに登場すると、気まずくなる時期が有りました。

Q, ご自分の家族に対して感じること、考えていることなどを教えてください。
今は、亡き母ですが、時間を掛けて、セクシャルマイノリティの事を理解してもらいたかった。
人と違う自分をもっと、もっと、受け入れて貰いたかった。

IMG_1370

LGBTと家族 No.036
「もっと早く言ってくれればよかったのに」と母に言われた

ゲイ(24歳)家族構成:父、母、兄

Q, 自分のセクシャリティを自覚したのは何歳の頃でしたか?
小学生の頃から、男性が好きだと漠然と自覚はしていました。

Q, 自分のセクシャリティを自覚した当時、どう感じましたか?
幼いときからゲイという自覚が自分の中にあったのですが、普段は意識していなくてもふとしたときに絶望というか、どうしようもないものを抱えているような気持ちになっていました。

Q, 自分のセクシャリティを家族の誰かに伝えたことはありますか?
はい
社会人一年目のとき、まず母に伝えました。その後母が父に伝えました。
母も父も自然と受け入れてくれました。
変化という変化はないのですが、親との関係がより親密になったような気がします。

Q. あなたが伝えた後に家族から言われた言葉で印象にのこっているものは?
母から言われた「もっと早く言ってくれればよかったのに」という言葉です。
1人で悩んでいないで、もっと早く伝えればよかったと思いました。

Q,セクシャル・マイノリティに関して、あなたの家族の中で印象的なエピソードがあったら教えてください。
母は、セクシャル・マイノリティに関するトピックを新聞やテレビで見かけると、私に話してくれるようになりました。
両親は彼との交際も応援してくれており、心強い気持ちになっています。

Q, ご自分の家族に対して感じること、考えていることなどを教えてください。
ゲイである自分を受け入れてくれた両親には、本当に感謝しています。
兄だけが生まれていたら親はもっと幸せだったと考えてしまうことがありました。
でも最近は、たとえ孫の顔を見せることができなくても、幸せに生きる自分を見せることが一番の親孝行だと考えるようになりました。

IMG_1265

LGBTと家族 No.037
「娘は産まなかった事にする」と母に言われた

レズビアン(31歳)家族構成:父、母、弟

Q, 自分のセクシャリティを自覚したのは何歳の頃でしたか?
中学2年~3年生

Q, 自分のセクシャリティを自覚した当時、どう感じましたか?
誰にも言えない、知られたらイジメられるし友達もいなくなる。
普通になりたい。

Q, 自分のセクシャリティを家族の誰かに伝えたことはありますか?
はい
高校生の時に弟に伝えました。
最初はビックリしてましたが、徐々に理解してくれて、今ではパートナーとも仲良しです。

Q. あなたが伝えた後に家族から言われた言葉で印象にのこっているものは?
母親から、娘は産まなかった事にする。

Q, ご自分の家族に対して感じること、考えていることなどを教えてください。
やっぱり、いくら家族でも理解をするのは難しいんだなと思ってます。
パートナーとは10年。
両親と暮らして5年近くだけど一向に溝は埋まらない。

IMG_1235

LGBTと家族 No.038
母に女装チェックされ「遊びすぎ」と言われる

MtF(52歳)家族構成:母、弟家族(嫁+女一人+男二人)

Q, 自分のセクシャリティを自覚したのは何歳の頃でしたか?
保育園児の頃 テレビアニメ「リボンの騎士」を観て。

Q, 自分のセクシャリティを自覚した当時、どう感じましたか?
セクシャリティは他の全ての自分が他人と異なる属性の一部だと思っていたと。

Q, 自分のセクシャリティを家族の誰かに伝えたことはありますか?
はい
漠然とは 母も弟も小学生の時には気が付いていたと思う。
正式なカミングアウトは昨年。
弟は特に何も変わらない。
母はセクシャリティそのものには何も言わない。
女装のチェックと遊びすぎとかは言います。

Q. あなたが伝えた後に家族から言われた言葉で印象にのこっているものは?
特にない。
個性についてあれこれ言う家族ではないので。

Q,セクシャル・マイノリティに関して、あなたの家族の中で印象的なエピソードがあったら教えてください。
子供の頃から料理作ったりガーデニングしたり女性として生きてきたと思う。
今年の正月は女装で弟の家族を迎えました。以前から写真は見せてましたが。

Q, ご自分の家族に対して感じること、考えていることなどを教えてください。
個性尊重の母でよかったと思う。
母も個性が強い人だったので理解できたのだと思う。

 

※「LGBTと家族」では、様々なセクシャリティの様々な世代の皆様の家族との関わりをご紹介したいと考えています。セクシャル・マイノリティの皆様、是非アンケートにご協力ください。
アンケートフォームはこちら
エピソードの募集を終了しました。

READ  「たかが世界の終わり」ゲイ息子の帰還で綻びる家族の均衡

ABOUTこの記事をかいた人

いたる

LGBTに関する様々な情報、トピック、人を、深く掘り下げたり、体験したり、直接会って話を聞いたりしてきちんと理解し、それを誰もが分かる平易な言葉で広く伝えることが自分の使命と自認している51歳、大分県別府市出身。LGBT関連のバー/飲食店情報を網羅する「jgcm/agcm」プロデューサー。ゲイ雑誌「月刊G-men」元編集長。現在、毎週火曜日に新宿2丁目の「A Day In The Life」(新宿区新宿2-13-16 藤井ビル 203 )にてセクシャリティ・フリーのゲイバー「いたるの部屋」を営業中。 Twitterアカウント @itaru1964