ケニアで性分化疾患の少年が殺される
ケニア人の若者が誘拐され、身体を切断されたうえで殺害されるという悲惨な事件が起こった。彼は性分化疾患を持っており、性自認は男性だったが、彼の家族がその性自認を認めてくれたことはなかった。この少年は、自分の家族から計画的な暴行を受けたのち、病院で数日間を過ごし、命を落とした。
亡くなった少年
ムハド・イシュマエル(Muhadh Ishumael)という名の17歳の少年は、12月21日、失血で亡くなった。76crimesによると、彼は病院の治療費25,780ケニアシリング(約3万円)を支払うことができなかったために、治療を受けることができなかったのだという。
彼の家族は、遺体を引き取りや埋葬を拒否したため、彼の友人が現在適当な葬儀を行うために費用を集めているという。
家族との不和
ケニアの首都モンバサから北へ110キロほど向かったところに位置するマリンティと呼ばれる農村地帯でイシュマエルは生まれた。彼は男性と女性の両方の特徴を持つ外性器を持って生まれ、思春期になると胸も膨らんできたという。このような性分化疾患の症状が彼の家族内のトラブルを引き起こしたと考えられている。
家族は彼に女性の名前を付けたが、彼は自分の性自認にあった男性名のあだ名を好んで使っていた。
しかし、イシュマエルが亡くなる前に入院していた病院でのインタビューによると、彼の家族は一度も彼の性自認にあった名前を受け入れてくれたことはなかったという。彼は家族から災いをもたらすものだとみなされ、室内に閉じ込められていた。
家族からの計画的な犯行
イシュマエルの両親が2014年に亡くなると、彼はおじのもとへとうつった。
今回のイシュマエルが殺害される事件が起こる直前、彼がリビングに入ると、そこにはおじのほかに見知らぬ4人の男がいた。おじは彼に、この男たちと一緒に買い物に行くと伝えていた。
しかし、買い物へ向かうはずだった車内で、イシュマエルは男たちからこれから自分を殺そうとしているという事実を告げられた。彼は薬で意識を失い、目が覚めた時には国立公園の森の中にいたという。周りには自分の血が広がり、ペニスは切り取られていたという。
彼はその後、何とか近くのカトリック教会にたどり着き、見知らぬ人に助けられ病院に預けられた。しかし、その数日後、彼は命を落とした。
彼の友人らは、自分たちも襲われるのではないかという懸念から、今回の事件の警察への届け出をできずにいるという。