KDDIが同性カップルの家族割利用を可能に
KDDI は10月から、同性カップルであっても結婚に相当する関係を認める書類さえあれば、家族割の適用対象として認めるという決定をした。NHK にて以下のように述べられている。
「KDDI」は、家族を対象とした携帯電話などの割引料金を適用する場合、家族であることを証明するため住民票などの提出を求めていて、これまで同性のカップルは割り引きの対象にしていませんでした。こうしたなか、渋谷区が10月にも同性のカップルに対して「結婚に相当する関係」と認める証明書を発行することになったため、KDDIはこの証明書があれば家族向けの割引料金を適用する方針を固めました。今後、ほかの自治体でも渋谷区と同じような証明書を発行した場合も割り引きの対象とする方針です。
ビジネス界のLGBTへの態度は変わりつつある
「LGBT」と呼ばれる性的マイノリティーへの配慮を深める企業が少しずつ増えている。LGBTは国内人口の7.6%に上るとみられ、当事者の消費活動だけでも推計5.9兆円に達するという市場。先進企業の取り組みに共通するのは、LGBTを特別扱いするのではなく、一般の人ができることを当たり前にできるようにするというバリアフリーの発想だ。
「LGBTへの接客、異性カップルと同様に」 – 日本経済新聞
現在の日本には、男女二元論に基づいているためにLGBTが利用できない状態にある商品やサービスが多く存在する。たとえば、結婚式では「新郎新婦」がスタンダードであるため男性同士や女性同士では受け入れられないとする式場があったり、生命保険の受取人を同性パートナーに指定できないなどといったことがある。また、FTMの方なら、男性用でサイズの小さい靴を見つけることや、MTFの方ならサイズの大きい女性用の靴、洋服などを見つけるのに手間取った経験のある方もいるだろう。ユニセックスな洋服に助かったXジェンダーの方もいるはずだ。
加速するビジネス界の動き
少しずつであってもビジネス界もLGBTの動きは加速している。私が経営するLetibee社では企業向けのLGBT研修やコンサルティングを行っているが、研修実績は既に50社を超え、企業からの問い合わせはこの1年間で間違いなく増加している。これらは自然に起きたことではなく、様々な人々の長い長い不断の努力と活動による賜物である。渋谷区のパートナーシップや米国全州で同性婚が認められたことによるインパクトは大きいが、しかしそのずっと前からLGBTの先人の人々も戦い続けてきたことを忘れてはいけない。今後も、この波を大きくしていくために自分のできる範囲のことから、できることをしていきたい。
ちなみにだが、Softbank もKDDIも家族割を認めたが、NTT Docomoはどうするのだろう。私にはNTTで働くLGBTの人も、Docomoを利用しているLGBTも、知っている。彼らは、”LGBTはいない”という姿勢をいつまで保てるのか、注目したい。
img via: “同性カップル” 証明書で携帯の家族割適用へ