アイルランドの同性婚合法化を問う国民投票から5ヶ月、ついに同性婚を認める婚姻法が成立
国民投票によって同性婚が合法化されることとなったあの歴史的瞬間から約5ヶ月、アイルランドで同性カップルの婚姻も認めた婚姻法が成立した。アイルランドはカトリック教徒の多い国であるだけでなく、国民投票で同性婚が合法化されたのは世界で初めてのことであり、この国民投票の結果は世界的な注目を集めていた。
合法化にあたっての声明
大統領からの承認は、この法案を成立させるにあたっての最後のハードルであったが、30日、大統領執務室は声明の中で「婚姻法2015」に成立させたと述べた。
また、レズビアンであることを公表しているキャサリン・ザッポーネ上院議員は、今回の法案成立をアイルランドの歴史における「決定的瞬間」とし、以下のように話した。
「長いあいだ活動してきた私たちにとってはとても感動的な瞬間でした。」
「この勝利は実に、国家にあります。私たちすべてにとっての瞬間でもあります。」
ザッポーネ議員と妻のアン・ルイーズ・ギリガンさんは2005年にカナダで結婚していた。しかし、国民投票の結果が公表されてから、国営放送で中継されていた歴史的瞬間の中で、ザッポーネ議員はアイルランドの法の下で再び結婚しようとプロポーズしたという。
最初の結婚式は、11月中旬頃に行われる見込みだ。
世界からの賞賛
国際的な同性愛者の権利活動家は、国民投票で一般市民の支持を得たアイルランドの活動家を賞賛していた。the International Lesbian, Gay, Bisexual, Trans and Intersex Associationのエブリン・パラディ氏は、以下のように話した。
「すべての主要政党が、より平等な目標の実現のために、各党間の違いをひとまず保留にしてくれたのだから、アイルランドの国会議員の方たちにも感謝しなければならない」
婚姻法成立による変化
今回の法律成立によって、アイルランドの国外で認められた同性カップルの間の婚姻がアイルランドの法律の下でも認められることになる。また、2011年から導入されていたパートナーシップ制度を利用しているカップルは、数週間以内に結婚が可能になるという。
5月の国民投票の意義
アイルランドで5月に行われた国民投票では、性別に関係なく2人が婚姻関係を結ぶことを認めるのに賛成と答えた割合が62.1%にのぼった。
この国民投票にあたって、アイルランドでは活発で、時に分断的な議論がもたらされていた。同国で同性愛が違法でなくなったのはつい1993年のことであった。法案が上院を通過した先週、フランシス・フィッツジェラルド法務大臣は以下のように語っていた。
「この国民投票は、家族や結婚の価値を考えるときにも、アイルランドの人々が多様性に富んだ社会を求めていることを表していました。」
「2015年5月22日、アイルランドの人々は私たちの社会に対しての望みの大きさを示していたのです。」
画像出典:Pink News