同性愛を嫌悪していたストレートの男性が、同性愛者の権利のために戦うようになった理由を告白
インド人のヴィシェシュ・ジェインは昔、同性愛を嫌っていたと話す。しかし、彼は現在、自分自身を受け入れるためにも、同性愛者の権利を求めて戦っているという。
ゲイコミュニティへのオープンレター
自分を同性愛嫌いだったと話すジェインは、ある記事の中で同性愛者の権利向上を求めて戦うようになるまでを語っている。ジェインはインドのゲイコミュニティに対してオープンレターを書いた。
「僕が今日、これを書いているのはあなたたち(同性愛者)の苦しみを責めるためでも支えるためでもない。僕は今日、あなたたちとぼくが等しく関わっているみんなのためのゴールについて話すために書いている。」
同性愛嫌いだった過去
「自分が覚えている限りでは、僕は同性愛を嫌っていた。僕はゲイの男性を笑ったり、馬鹿にしたりして育った。…父親は、もし僕が『同性愛者の一人』であるなどと言おうものなら、それがどれだけ恥ずかしいことか、と話していたことを覚えている。」
「(同性愛嫌いだったのは)あなたたちが間違っているからでも道徳に反しているからでもなく、心のどこかであなたたちを恐れていたからだと思う。僕は、あなたたちのような人と仲良くすることで、あなたたちのようになってしまうかもしれないと恐れていた。…僕は、一緒にいることで自分の『男らしさ』を、面目を失うのが怖くて、そして社会から拒絶され、見捨てられるのが怖かった。だから距離を置いた。」
姉の親友がゲイだった
しかし、ジェインは姉の親友がゲイであることがわかると、自分の態度を考え直さざるを得なくなったという。
「最初は、ショックを受けた。僕は彼と遊ぶのが大好きで、彼がゲイであるなんて少しも疑ったことがなかったからだ。」
「姉は、二度と彼を家に連れてくるなと言った僕を考えが狭すぎると責めた。僕は心底気持ち悪いと思っていたが、姉のことは好きだったので彼に会うことにした。一時間ほどは居心地が悪かったけれど、徐々に安心して、終いには彼のセクシャリティのことなんて全く忘れていた。」
ジェインは姉のゲイの親友との出会いがきっかけとなり、その後同性愛の問題について勉強するようになった。
「僕は、生物学、文学、歴史、神話、そしてそれ以外の文化の同性愛についての文献を読んだ。姉を通して活動家である彼の友人たちに会い、僕がいかにあなたたちのことを見誤っていたかに気づいた。結局、僕はあなたたちの目標を力説し、平等な権利をめざすサポーターになった。」
違いの中に共感を発見する
しかし、ジェインが同性愛者と自分がそれほど変わらないと気づいたのは、結局仕事でゲイの同僚と友達になった時だったという。
「彼は『女っぽい』といじめられていて、僕は『太っている』といじめられた。僕らは両親にありのままの自分らを受け入れて欲しいと願っていた―彼は性的指向について、僕はキャリアの選択やリベラルな宗教信仰について。」
「避けられてしまう怖さから、毎回僕らは自分の居場所を見つけるのに苦労していた。僕らは違うけれど同じで、親友になれたのは、この苦しみについての違いと共感があったからだった。」
全ての人の平等のための戦い
ジェインは、誰もが自分らしく生きることよりも、周りからの期待に応えようとしてしまうと言っている。
「あなたたちは、根強い慣習があり、不寛容で、非難されるような社会で生きている、自分を出すことを恐れている全ての人の権利のために戦っている。…今日もどこかで、私たちみんなが誰かの理想の現実を生きている。…何が受け入れられて何がだめか、僕たちは誰で、どうあるべきか、僕たちは誰かの考えに自分を合わせている。そしてそのプロセスの中で、僕たちはひとつのものを失っているんだ。それは僕たちにとって最も大切なもの、個性だ。」
彼は、同性愛者の平等のための戦いは全ての人の平等のための戦いなのだということを力説していた。
「だから、僕たちは戦い続けるべきなんだ、僕たちみんなのために。」
画像出典:GAY STAR NEWS