日本ゲイカルチャーの意外なこだわりとは?イケメンスペイン人に聞いてみた

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そこにこだわるの?!日本にきて感じたゲイカルチャーの違い

最近スペイン人ゲイ(短髪ヒゲ、長身、料理がプロ並)と知り合った筆者(Y)。ゲイカルチャーって国でどんだけ違うの??など気になることだらけ。

そこで日本にきて9年目のイケメンスペイン人フアンさんにびっくりした話や文化の違いを感じたことを聞いてみました。(あくまで個人の経験上のお話ですので、すべての日本人、スペイン人にあてはまるわけではありません)

Y : みんなによく言われることだと思うけど、どうして日本に来ようと思ったの?

フアン:たしかによく聞かれることなんだけど、僕の場合はたまたまなんだよね。よくある感じのアニメとか漫画が好きでっていうのではなくて。僕はフランスの大学に行ってたんだけど、そこで変わった言語を勉強したかったんだよね、いろんな言語にもともとすごい興味があってね。それで、そこにある唯一ヨーロッパ系の言語と違うものが日本語だったの。

Y : そんな偶然はじめた日本語が縁になって日本に住むなんてね!

フアン:そうだよねwほんと不思議。でも最初は日本の文化に興味なかったけど、やっぱり習っていくうちにすごく興味深いなと思うようになったよ。文字とか文法もそうだけど、社会の慣習が違いすぎておもしろかったね。

Y : うーん、上下関係とか?

フアン:まぁそうだね、それまで先進国=西洋文化っていう無意識の感覚があったんだよね。発展すると、文化はどんどん西洋的になっていくっていう説もあるくらいだから。でも勉強していくうちに、それにあてはまらない日本や、経済的には発展途上なタイがLGBTに対して寛容な文化を持つこととかわかってきてどんどん面白くなっていったよ。

Y:日本人の中でも「進んでる=西洋」っていう考えを持っている人は結構多いよね。それから日本に移住したの?

フアン:いや、その前に数ヶ月ホームステイに来たよ、2003年かな。そのときに日本人のゲイやLGBTの人たちと友達になった。

Y:ヨーロッパは結構LGBTに寛容だと思うんだけど、日本に来ることに不安はなかった?

フアン:それも結構言われるんだけどね、ヨーロッパもすごく寛容になったのは最近なんだよ。例えば僕は12歳くらいのときに自分がゲイだって気づいたけどそのときは、同性婚も認められていなかったし、街中にゲイカップルが当たり前のように歩いているっていうこともなかった気がする。

Y:そうなんだ!

フアン:まぁそれでも日本よりはカミングアウトもしやすいんだけど。
今でも覚えてるのは、僕がフランスの大学に進学していた2002年にスペインで同性婚が認められたんだよね、世界で三番目だったかな。それでストレートの女友達が電話をかけてきて「フアン!スペインで同性婚が認められたよ!私は今日ほど自分がスペイン人であることを誇りに思ったことはないよ!」ってすごい興奮してた(笑)

Y:すごいハイテンションだっただろうね。
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フアン:まぁお祭り騒ぎと言う意味では近いよ(笑)僕が大学生のときに、スペインもまだはじまったばかりだったから日本がクローズドで生きにくいんじゃないかとかはあまり考えなかったね。

宗教からくる自己嫌悪と伝統からくる自己嫌悪

Y:やっぱり国が認めるっていうのは大きいよね。去年、アメリカだけど全州で同性間の結婚が認められたのは大きなニュースにもなったしね。日本にきて驚いたことや、気づいたことはある?

フアン:やっぱり宗教かなぁ。西洋文化で育つLGBTは結構自己嫌悪が強いんだよね。もちろん今はどんどん良くなってるとは思うんだけど、宗教で禁じられていることもあって「罪の意識」がすごくあると思う。
物心ついたときから教えられてきた神様に対して自分は赦されないことをしてしまっているという感覚は、宗教独特なんだと思う。

Y:日本はたしかに「宗教」「神の教え」っていう感覚はないよね。

フアン:だから最初はこの独特の「自己嫌悪」がないというところに驚いたね、まぁ僕が友達になったのが群馬の大学でLGBTサークルをやっているような人だったからある程度オープンだったというのもあるんだろうけど。
その次に感じたのは、日本は「後を継ぐ」「子供を産む」「伝統的な家族の形」にプレッシャーを感じたり、罪悪感をもっている人が多いんだなと思った。僕からすると宗教に比べたら!って思うけど、それはまた日本で育っていたなら違う感覚になっていたかもしれないね。

Y:日本だと反対意見として同性愛は家族のあるべき形を壊すって言われることが多いもんね。本格的に日本に住み始めたのはいつ?

フアン:2005年かな、この時にはじめて”彼氏”ができたんだよね。

Y:はじめて?!ということは

フアン:そう、今のところ日本人としか付き合ったことない(笑)
特別日本のゲイだけが好きっていうわけではなかったんだけど、なんでかな(笑)

ゲイカルチャーショック!日本でびっくりしたこと

Y:スペインとフランスと日本、それぞれのゲイカルチャーに触れて思ったことはある?

フアン:そうだねぇ、フランスはなんか複雑な恋愛して悩んでる人が多いかなwスペインは恋愛に悩むよりは楽しくハッピーでいようよっていうノリが多いね、日本はうーん、そうだなぁ、あ、日本のゲイの人たちってトップかボトム(タチかネコ)かにすごくこだわるよね!

Y:スペインではこだわらないの?!
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フアン:スペインをバカにしてるでしょ(笑)アプリでそういうの書くのはわかるんだけど、バーでも必ずといっていいほど話題に出てくることにびっくりしたね。スペインでは経験したことなかったから・・・そういう話になるとちょっと(あ、この人はただ遊びたいだけなのかな?)って思っちゃうよ。

Y:そういうのも国によって違うんだね!意外!フアンは日本人と長く付き合ったことはあるの?

フアン:あるよ、4年間かな。

Y:国際恋愛はどうだった?もしスペイン人の友人にアドバイスするとしたら?

フアン:覚悟しておいてかな(笑)

Y:覚悟?!

フアン:周りの話を聞いててもだし、僕自身の経験からなんだけど日本のゲイの人と付き合うと、最初のラブラブ具合はスペインとそんなに変わらないんだけど数ヶ月経つとなんか突然「家族」感が増してくるんだよね。
「フアンはもう家族みたいだから」って心を許してるって意味ですごく良い風に言ってるけど、これは僕からすると大問題だよ!危険信号でちゃってるね。スキンシップ、デート、メール、電話、セックス・・・全部減っていっちゃう。
おじいちゃん同士みたいって思っちゃう・・・

Y:「家族みたい」の罠だね!!逆に日本人の友人にアドバイスするとしたら?

フアン:察してくれは通じないよ!かな(笑)
日本の文化の良いところなのかもしれないけれど、ヨーロッパ人と付き合いたいならあまり良くないね。
僕も4年間付き合ったけど、結局相手の本当の本当の気持ちを知れたのは別れた後にぶっちゃけ話をしたときだよ(笑)
こんなにお互い分かり合えていなかったんだって反省もしたけど悲しくなったねぇ。
もちろん自分の気持ちをはっきり伝えるっていうのはぶっきらぼうに吐き捨てることではないよ、
スペイン人も傷つくからね(笑)
自分なりに思いやりを持って、いやだと思ってることがあるなら伝えて話し合うことが本当に大切だと思う。
あと、もし真剣なら相手の国に最低2ヶ月くらいは住んだほうが良いと思う、文化を尊重することも大事だよ。

Y:そりゃスペイン人も傷つくよね(笑)9年間過ごしてみて他にどんな発見があった?

フアン:うーん、広い質問だね(笑)そうだなぁ、ここだけの話。
日本のコンドームのサイズが合わなくて、スペインから日本に帰るときはコンドームと生ハムが必需品だったよ(笑)

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Y:生ハムとコンドーム、生ハムとセットになるだけで急におしゃれ感増すね(笑)

フアン:今はなんか「スーパーマグナム」みたいなの売ってるから昔ほど困らなくなったけどね!

Y:マグナムアピールだね!(笑)最後に日本がもっとこうなっていったらおもしろいなぁと思うことはある?

フアン:そうだねぇ、みんなにもっとカミングアウトしてほしいね。特に日本は、有名人のカミングアウトがもっと増えたらLGBTがもっと世の中に当たり前に存在していくようになっていくと思うよ。そしたら僕もパートナーを見つけやすくなるしね(笑)

もちろんフアンさんの意見や経験がすべてではありませんが、文化の違いの話は聞いていておもしろいですね。
スペインで同性婚が認められたときの友人からの電話の話は、フアンさんならではエピソードでした。
ご協力いただいたフアンさんありがとうございました!

インタビューに答えてくださる日本在住の外国人LGBTの方、ぜひinfo@letibee.comまで!

画像出典:CANARYLUC / Shutterstock.com

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