非シャイニーなサムソン高橋がシャイニーの聖地「LETIBEE LIFE」で好き勝手にLGBT業界を語り尽くすと言う怖いもの知らずな月例放談企画。2月の前編はSMAPの話題からNHK「あさイチ」のLGBT特集へと広がっていきます。(聞き手:itaru1964)
なぜにSMAP問題に固執するの?
itaru1964(以下、I):年末年始放談が、ごく一部で好評だったみたいで、新年から月一でLGBT界隈の話題に切り込んでいこうかという企画が始まりまして。
サムソン高橋(以下、S):最近とみに「正しさ」を増していくLGBT業界にゲスさと底辺っぷりで参入ね。
I:とりあえず本題に入る前に世間一般の話題なんですが。
S:新年あけてまだ一ヶ月経ってないのに、一年分以上の濃い話題が続いたわね。
I:松居一代と船越英一郎の離婚劇とかですね。
S:松居一代の応対がまるっきりサイコパスで恐怖を感じたわ……って、前回の対談で沢たまきを持ち出して「これでゲイのハートはガッチリつかんだ!」と確信したらガクッとヴューア数が下がったのに懲りてないのか! つーか、あんたツイートでさんざんSMAP取り上げてたじゃないの!
I:今回の事件で、思った以上にSMAPの曲って自分たちの生活に根付いてたんだなあと気づいて。SMAPの曲のタイトルは? とたずねられたら何曲もあげられるけど、嵐の曲のタイトルは? と言われたら一曲も思い出せないもん。
S:あのね、それはあんたが初老だから、90年代までの記憶しか鮮やかじゃないだけなの。安室奈美恵もいまだに活躍してるけど2000年以降の曲とか思い出せないでしょ?
I:いや、MAXの『tacata’』とか鮮やかに思い出せますよ。
S:それは特殊だから! ゲイのマカレナみたいなもんだから!
I:でもね、火曜日に二丁目で私がやってるバー(文末参照)で特にジャニーズのファンじゃない20代〜50代数名に同じ質問したら、SMAPの曲のタイトルはどんどん上がるけど嵐は無理だったのよ。圧倒的に嵐のファン数は多いんだけど、それがファン以外には広がらないけど、SMAPの場合は世代を超えて認知される存在なんだって改めて思ったのよ。
S:今から思うとSMAPがNHKのど自慢に出たりなんかして、「なんで?」とか思ってたけど、水面下で事務所の派閥争いが進行してたんだなと。NHK紅白の司会をSMAPにやらせたい飯島とイノッチにやらせたいメリーの思惑が入り組んで、そりゃタモリも逃げ出すわと思ったわ。
I:一年前の週刊文春でのメリー喜多川インタビューがSMAP騒動のきっかけだったんだけど、あのインタビュー自体オフレコだったはずが文春の裏切りで記事になったとか、円満独立が決まってたのにメリー喜多川の気が変わって土壇場でひっくり返されたとか、草履顔のキムタク嫁が暗躍したとか、eコマースを導入しようとしたSMAPマネージャーは郵便振替というアナログなやり方で産み出されていたジャニーズの裏の米びつに手を突っ込む事になってメリーの逆鱗に触れたとか、メリーは耄碌していて支離滅裂なこと口走って周囲のスタッフが困惑とか、香ばしいネタが満載で目が離せないわよ。
S:……話が濃すぎて読者ドン引きよ。あんたって裏の裏みたいなネタばかりに飛びつくのね。世間一般的には今回の騒動って、木村拓哉はユダ、他の四人は死んだ魚の眼、メリーが老害でジャニーはお飾りで飯島失職で事務所は北朝鮮並みの恐ろしさということがバレて、CDの印税が入る槇原敬之しか得をしてないって感じよ?
I:メリー=老害とマッキーに棚からボタ餅だけは真実だと思うわ。でも、スポーツ新聞やTV、ほとんどの雑誌などの大手マスコミはジャニーズ側がリークした物語に沿った記事しか出て来ないのに対し、独立系のウェブ・メディアは木村拓哉=裏切り者という流れ一色なのは気持ち悪いのよね……(この後、二時間弱SMAP騒動の話が続く)……で、世間がどう騒ごうともメリー本人は現役最後に厄介払いができてご満悦だと思うのよ。老人なんて会社のためを思うようなふりして結局自分のエゴだけなんだから。ヒステリックな老害が組織を牛耳ろうとする、これって日本企業の悪しき縮図じゃない?
S:結局アンタって、SMAPの飯島元マネージャーにゲイ雑誌時代の自分を被らせてるのね?
I:(ニッコリ微笑みながら腹に拳をめりこませる)
S:グエッ……、ぼ、暴力反対……
NHK「あさイチ」のLGBT特集が浮き彫りにした現実
S:NHKの話題が出たとこで。新年早々NHKの「あさイチ」でLGBTが取り上げられたんだけど、見た?
I:それって放送されたの水曜日でしょ? 私、火曜日の夜から二丁目のバーで朝まで働いてるから、水曜日の朝はカプセルホテルに泊まるのよ。おふくろと二人暮らしだから迷惑かけたくなくてさ。だから、逆にホッとしたわよ。おふくろ、朝ドラから「あさイチ」の流れが定番だから絶対その番組見てるから。一緒にいるとき「LGBT」「ゲイ」「ホモ」「オネエ」的なものがテレビから流れると、ご飯食べながら神妙な雰囲気になるのよ……。
S:まだカミングアウトしてないんだ?
I:兄弟にだってしたのは去年よ。さすがに80歳越えた母親に言うべきかどうなのか迷ってるわけよ。でも考えたらすごい話よね。20年間ゲイ雑誌の編集やってた人間すらカミングアウトできてないんだから。
S:その番組も「我が子がLGBTだったら」というのがメインテーマだったんだけどね。
I:おふくろと一緒に見てたらと想像しただけで背筋が凍るわ! で、番組はどうだったのよ?
S:まあ、普通に良かったわよ。想定内というか。NHKらしく可も不可もなく。一部では重箱をつつくような反応もあったけど、人口比でざっくり言えば、しょせん私たちセクシャル・マイノリティが約一割でストレートが九割じゃない? そりゃ九割のほうの目線で番組は作られるわと思ったわよ。あと、「LGBT」という枠組みで全部いっしょくたにするのは限界があるな、と。
I:ゲイもホモもレズビアンも両刀もオネエもオカマもショタもフケ専もごっちゃだったの?
S:後半セクシャリティじゃねえのが混じってるよ! いや、番組の最初のほうでセクシャリティの説明はちゃんとあったんだけど、ホモの私ですら分かりづらかったし、人間の性ってグラデーションじゃない? カテゴライズされるのは嫌だけどカテゴライズしないと話は進まないし、こういうのを区別つけてなおかつ均等に取り上げるのも難しいなあって。ステレオタイプなゲイを出したくないせいか、今回はっきりとしたオカマやオネエがひとりも出てなかったのも逆に違和感あったわね。
I:サンプルとして誰が出てたの?
S:ホモ二人とレズ一人とオナベ一人。
I:MtFのことを「オナべ」呼ばわりするんじゃないわよ! あと、「レズ」という呼称は差別的と感じる人もいるんだから「レズビアン」か「ビアン」よ。「ホモ」も「オカマ」もあんたの自称なら構わないけど、そう呼ばれると嫌な人もいるんだから「ゲイ」と言うのがいいと思うわ。
S:……、えらくマトモな事言うのね。
I:あんたの発言で炎上したら火の粉被らないようにリスク回避よ。あと、○○○さんが泣きながら怒鳴り込んでくるし。
S:それ言うな! また添削されるだろ! それはともかく「あさイチ」に出てた人の大半は、例の面々よ。
I:あんたの宿敵の。笑
S:私の宿敵の。いや、でも今回ネットでいちばん反響があったのが「出演者のゲイの人かわいい」っていう意見で、それが悔しくてさあ……。
I:「クレイジージャーニー」が放送された時だって、あんたのこと「かわいい」とか「イケル」とか、トチ狂ったとしか思えない意見が結構あったじゃない!
S:自分以外がチヤホヤされてるのを見ると悔しいのよ!
I:本当に面倒くさい性格ね。
S:でさあ、番組のエンディングで押してる中、最後に「あなたらしくあればいいと思います」ってドジッ子にキメちゃって、「無職のブスに対しての皮肉かよ!」と叫んじゃったわよ。
I:キャッチーな一言で締めるなんて、さすが! それにドジッ子フェイスって、あんたも実は可愛いって思ってるんじゃないの。
S:あと20歳年取るか15㎏太るかしたら悔しいけどイケるわね。私、昔、某ホモ雑誌の編集部で働いてたんだけど。
I:そんなこと知ってるわよ。
S:で、その頃、作家と編集でトラブルがあったのね。後日話し合いの席が設けられたんだけど、実際会った後でその編集が「あの子かわいいから、まあいいか」て言ったのよ。ルックスは人間性を超越するんだなと思って、ブスとしてせつなくなったわ……。
I:表に出て行く人のルックスって、やっぱり大切な要素だと思うわよ。『まずは、ゲイの友だちをつくりなさい』という本をあんたはディスってたけど、ああいう本は必要だと思うの。今の若い子はすぐにアプリで同じ仲間見つけられて、いきなりセックスでも交際でもできる環境にいるけど、中にはそういうのに順応できなくてゲイであることに一人悩む子もいるわけでしょ。そういう子が読むと救いになる本だと思うわけよ。
S:そしてLGBTビジネスに手を染めていくのね。
I:(ニッコリ微笑みながら腹に拳をめりこませ)てめえみたいな初老無職のハッテン狂いになるよりはマシだろ! で、その悩んだ子が本を読んだ後に、どういう人がこれ書いたんだろう? と著者近影を見ると、感じのいいお兄さんが笑っていると。これは勇気づけられるでしょうが。ゲイであることに自信を持っていいんだって。石川大我の『ボクの彼氏はどこにいる?』もそういう意味で画期的だったんだけどね。それ以前だったら、本読んで勇気づけられても最後に貧相なブスや膨れたデブが写ってて、「ああ、やはりゲイは劣等人種だ……」とトドメを刺されるという。
S:○○○や●●●●ね。
I:また削除されるような具体名出すんじゃねえよ! せめて「自分がモテないのをゲイ差別のせいにして運動してたルサンチマン世代」とかって言え!
S:それもヒドいだろ! 考えたら私が『クレイジージャーニー』に出てバッシングされたのも、ブスだったから「あんなのと一緒にされたくない!」と思われたからに違いないわ。私がGOGOや真崎航みたいなルックスだったら彼らも「これがボクらのハッピーゲイライフ!」とかってはしゃいでたはずよ。
I:それ、古いし。それにGOGOって括り方もざっくりしすぎよ。GOGOって言ってもピンからキリまでいるじゃない。ピンなら○○○○、キリは●●●●とか。
S:お前も削除されるような具体名出すんじゃねえよ! まあでもインターネットが一般的になる以前はゲイにとっては出会いの機会って限られてたじゃない。だからブスでモテないことをゲイ差別に脳内変換して戦えたけど、昨今はゲイ環境がイージーに手に入るぶん、ブスは羽ばたけるはずのゲイ環境の中でリアルでモテないという戦いで消耗しちゃうのよね。結果、見た目も人生も恵まれた人がLGBT運動には多くなって、運動はカップルが同性婚したいとかいう方向に進んでひとりぼっちのブスは遠く取り残されていく……という影も改めて感じたわ。
I:ねえ、「あさイチ」でそこまでブスについて熱く意見が交わされたの?
S:もう「あさイチ」関係なくなって途中から私の被害妄想なんだけどね。そういや「あさイチ」の中で「ノンケの人から『女役? 男役?』とたずねられるのが嫌」ってセンシティヴなことを出演者が言ってたんだけど、私、クレイジージャーニーで松本人志に「サムソンさんはタチですか? ウケですか?」とたずねられて満面の笑みで「シックスナインが一番好きです!」と答えたわよ。全部カットされたけど。
I:私だったら「機能的には女だけど、性格的には男です」って答えて困惑させてやるわ。そういや、あんたは親にカミングアウトしてるの?
S:大学除籍になって就職しないでフラフラしてるときに「お願いだから仕事してくれ」と親に文句言われ続けて、「もうショック療法で黙らせてやろう」と思って「ホモだからほっといて!」と言ったら、「そんなことどうでもいいから就職しろ!」と怒鳴り返されたわ。
I:ゲイのカミングアウトの破壊力なんて、無職に比べりゃ微々たるもんなのね……。
年明けから話題豊富で話はまだまだ尽きないようです。後編では、危険ドラッグで逮捕されたNHKアナウンサーから、話題沸騰のゲイの代理母問題、そしてベッキーまで語り散らします。(後編につづく)
画像引用元
SMAPに関する新聞:http://www.huffingtonpost.jp/2016/01/12/smap_n_8964476.html
松居一代&船越栄一郎:http://www.officiallyjd.com/archives/467158/20150820_okinamegumi_33/
松居一代:http://blog.matsui-kazuyo.jp/archives/221
あさイチ:https://twitter.com/aiudiversity
■ ゲスの極み放談LIVE 開催決定!
Itaru1964が毎週火曜日に新宿2丁目のバー A Day In The Life にて「食堂酒場いたるの部屋」を営業しています。その1周年イベントで、サムソン高橋氏とのトークショー「ゲスの極み放談LIVE」を開催します。当日は A Day In The Life のオーナーである伏見憲明氏をゲストMCに迎え、2人がかりでサムソン高橋氏の人となりを丸裸にする予定です。A Day In The Life はセクシャリティ・フリーなので、どなたでもご来店いただけます。
いたるの部屋1周年SPECIAL
サムソン高橋「ゲスの極み放談LIVE」
ゲストMC:伏見憲明
日時:2月10日(水・祝前)19:00 OPEN
料金:\3800(飲み放題)
会場:A Day In The Life(新宿区新宿2-13-16 藤井ビル 203)