カムアウトして生きることの難しさ
LGBT にとって、家族や周りの人へのカムアウトをどうするかということは、とても重要な問題だ。特に10代という若い時期には、自分のセクシュアリティを知っている人が自分1人しかいない上、知っている情報も少ないため、1人で家族や友だちに言えない秘密を抱え込み、苦しい時期を過ごした経験のあるLGBTは少なくないはずだ。
イギリスのガーディアン紙にて、トルコの保守的なムスリム家庭で生まれ育ったが、ゲイとして生きていくためにカムアウトした男性のケースが掲載されている。
‘The closet is a terrible place…’ How coming out transformed five lives
僕はトルコのムスリム家庭出身で、両親はいつも「男は女と結婚するものだ」と信じているような家庭だった。だから、16歳のときに自分がゲイだということに気づいたとき、自分だけの秘密にしていた。きっとみんなに嫌われると思っていた。僕の周りの人たちは「(ゲイは)気持ち悪いよね」とか言っていたから。とにかく秘密にしているのが怖かったし、どれだけ僕が怯えているかを誰にも表現することができないし、どうしたらいいのかわからなかった。もしバレたら、パパは僕を追い出すのかな、とか思っていた。
18歳になって、芸術大学に通い始めた時から少しずつ、自分のことを受け入れようと思い始めた。最初は、2人の親友に言った。どうなるのか、拒絶されても僕は耐えられるか、知りたかったんだ。最初は彼らは、そうなんだと言っていたけど、3日後に、やっぱり間違っている、君は早く(同性愛を)やめるべきだと言われた。
彼らとは、あれからもう連絡をとってない。この前通りで見かけたけど、まるで僕がそこに存在していないかのように、無視された。僕はお母さんにも、口ではなく、文字で「ずっと隠していたことがあって、、言いたいと思っていたけど、ずっと言えなかったことがあるんだ。」と送ってみた。でも、お母さんからは「あなたは変わることができる」とだけ返ってきた。お父さんにバレたとき、お父さんは僕を(ストレートに)治せると思っていた。
僕は、家を離れなければいけなかった。だから、パートナーと一緒に家から離れたんだ。その時は本当に辛かった…僕はひどく落ち込んで、不安でいっぱいだった。でも、後悔はしていないし、この辛い経験のおかげで、僕は、強い人間になることができたんだ。
カムアウトをしてから
カムアウトを通じて、僕は本当の親友を見つけることができた。素晴らしいパートナーもね。僕らはお互いに助けあって生きている。エドモントン(カナダのある地域)はあまりゲイフレンドリーなところではないけど、パートナーと一緒に街を歩いたり、買い物をしたり、時々手をつないで歩いたりもするよ。オープンに、誠実に生きていると、自由を感じる。僕の人生の中で、愛があって、最高のパートナーと暮らしている今が最高に幸せだ。僕はもうどこにいってもいいし、何を感じているを口に出せるし、パートナーに対してどう思っているかも口にすることができる。僕は閉じたドアの中で生きたくなかった。
僕たちは、僕たちの人生を歩むことができるんだ。