ゲイであるかどうかが遺伝子から予測できる可能性
新しい研究では、遺伝子コードが性的指向を決めるのに影響している可能性が示唆された。この関連性は47組の双子の男性のDNAを比較して、科学者が発見したものである。その中には性的指向の異なる双子も含まれていた。
双子の遺伝子から発見
9つのゲノム(DNAのすべての遺伝情報)から検出された分子データを見ると、70%の確率でその双子がストレートであるかゲイであるかを予測することができるという。
この実験を率いたカリフォルニア大学ロサンゼルス校のTuck Ngun博士は「私たちの知っている範囲では、この研究が分子マーカーに基づいた性的指向を判断する最初の例だ」と述べている。
しかし、アメリカ人類遺伝学会で発表されたこの研究に対し、疑いを持っている研究者もいる。彼らは今回の発見を裏付けるためには、さらなる研究がなされる必要があると述べた。
一方でこの研究の科学者たちは、この研究が遺伝子の活動の変化をすることによって、環境的な要因が性的指向に影響することがあるという証拠を示していると話した。この効果は「エピジェネティック」という言葉でも知られており、DNAの分子の部分的な変化が関係している。
この研究の意義
Ngun博士らのチームは、個人のDNAと関連のある性的指向の隠れたマーカーのパターンを探すコンピュータソフトウェアを開発した。DNAの活動を変化させるレベルと被験者の性的指向について、ゲノムの9つの小さな部位で相関性が見られた。
「性的な魅力というのは人生の重要な部分を占めているものの、遺伝子や分子のレベルではよくわかっていない。」
「この研究が、私たちが自分自身を、そして私たちが私たちである理由を理解するのに役立つといいと思っているよ。」とNgun博士は話した。
本当に遺伝子から性的指向が分かるの?
実験に参加した47組の双子のうち、37組は片方がストレート、他方がゲイと自認しており、残りの10組は2人ともゲイの双子だった。
キングス・カレッジ・ロンドンのTim Spector教授は、双子の遺伝子の専門家として、以下のようにコメントした。
「全ての遺伝子を共有している一卵性双生児で性的指向が異なる理由は、永遠に謎のままだった。」
「エピジェネティックな違いは間違いなく一つの理由に数えられるし、この研究はその証拠を示している。でも、現実的にはこの予測について話す前に、この小さな研究を何度も検証してみる必要があるね。」
この研究についてはまだまだ実験の余地がありそうだが、同性愛の遺伝子については長く議論されてきた話題でもある。この研究がさらなる研究に影響を与えていくかもしれない。
画像出典:Pink News