「厳格なクリスチャンだと認めるのは、ゲイだとカムアウトするのよりも難しい」
有名なクリスチャンの研究者が、現代社会においては、ゲイであるとカミングアウトすることよりも、自分が保守的な福音主義のクリスチャンであると認める方が難しいと主張した。また、市場競争に任せておけば何もしなくても、企業は自主的に性的指向による差別禁止規定を設けると述べ、差別禁止法の制定は不要だとの考えを示している。
現代ではクリスチャンをカミングアウトする方が難しい?
保守的な研究者であるライアン・T・アンダーソン(Ryan T Anderson)氏は、LGBTビジネスサミットで発言した際に、周りを驚かせるような主張をしたとThe Christian Postが報じている。
「私がここで伝えたいのは、もしあなたが大手の法律事務所やアイビーリーグ(米国の名門私立大学8校)の大学にいたとしたら、ゲイやレズビアン、バイセクシャルやトランスジェンダーだとカミングアウトするよりも、保守的な福音主義者だとカミングアウトする方がずっと大変だろうということだ。
私が米国のプリンストン大学で10年前に行なった実験では、同性婚に賛成だと言うよりも、反対する方が論争を引き起こしやすいという結果が得られている。」
クリスチャンが経営するビジネスにおいて、同性カップルへの差別が多く報告されたことを受け、国内の差別禁止法の必要性について議論されていた時に、アンダーソン氏はこのような発言をしたという。
以前からアンダーソン氏は、同性婚や同性愛に否定的な立場を取ってきた。同性愛は「嘘に基づいている」などの発言や、同性愛を「治す」べきだとの主張、そして同性愛をアルコール依存に例えたこともあったという。
差別禁止法はいらない?
アンダーソン氏は、「市場」は自然に同性カップルにもほかの選択肢を提供するようになると信じているため、差別禁止法などの対応には反対しているという。彼はこの点について、そのような法律によって、クリスチャンが同性愛についての意見を述べることを潜在的に犯罪化させ、さらに同性カップルに関連する商品やサービスの提供の拒絶につながりかねないと説明した。
彼は、自分が同性愛差別禁止法には反対していることを強調したが、その一方で、市場競争を通じて差別から保護していくことができるということを提案した。
「すでに、米国のビジネス誌フォーチュンの選ぶグローバルトップ企業500社のうち、89%の企業は自主的に、性的指向に基づいた差別禁止規則を設けている。自主性を重視することで、これがうまく機能しているのだ。」