アセクシャルをカミングアウトした政治家
米国の24歳のジョー・パリッシュ（Joe Parrish）氏は、アセクシャルをカミングアウトしている政治家だ。彼はアセクシャルの可視化へ向け、活動を行っている。現在はノースカロライナ州の下院選に民主党候補として出馬しているという。GAY STAR NEWSに彼へのインタビューが掲載されている。彼は、現在の教育制度や今年行われる米大統領選などについての意見を一通り述べたあと、自分の立候補とセクシャリティについて語った。以下では、彼へのインタビューを抜粋している。
アセクシャルの政治家としてこの選挙でカミングアウトしようと思ったのはなぜですか？
― 僕は全ての人にカミングアウトをするつもりは一切なかったから、この質問は興味深いね。有名人の中にはカミングアウトをしている人もいて、彼らは全ての人にそのことを伝えている。でも、僕はアセクシャルのコミュニティに対して、僕はアセクシャルで、選挙に出るのだと、つまり「あなたのような人間で選挙に出ようとしている人が居るよ、もし興味があればと思って知らせたんだ」と伝えたかった。ここには、可視化を進める働きも少しはあるかな。
カミングアウトに関しては、既にアセクシャルであることはカミングアウトしているつもりだった。自分がアセクシャルであると自覚してからそのことを隠そうとしたことはない。だから“これがカミングアウトをした瞬間”っていうようなものは特にないんだ。
アセクシャルについて、人々に知っておいて欲しいと思うことはありますか？
― アセクシャルはそれ自体が多様なもので、セックスについての態度や考え方、つまりそれを嫌悪しているのかどうか、子どもを持ちたいのかどうかなど、アセクシャルの中にも異なったタイプがあることは知っておいてもらいたいかな。僕たちの共通点は、ほかの人に対して性的に惹かれることがないということだけなんだ。
可視化は始まったばかりの段階です。性教育や子どもにアセクシャルについての教育を行うことに賛成ですか？
― そのような教育は行われるべきだと思う。個人的には、アセクシャルについての知識がもっと早い時期からあたえられていたら、もっと行きやすかっただろうと思っている。それがなかったために、長いあいだ誤った考え方をしていた。…アセクシャルといったものについての情報も伝えられなければ、性教育は完璧なものとは言えないと思うよ。
他にアセクシャルをカミングアウトしている政治家はいません。その中でこのカミングアウトはどのような意味があると思いますか？
― 僕が立候補しているのは米国議会の下院で、比較的小さな選挙だから、その質問に答えるのは難しいね。それほど注目されてはいないよ。CNNでもそのことについて触れられなかった。インターネット上でどの程度注目されているのかを知るのは難しい。
…僕のカミングアウトがどのような影響をもたらすか、そしてオンラインでの選挙活動やアセクシャルであることが注目されるかもしれないと様子を見守るのは面白いと思うよ。僕はメディア関係の専門家ではないからね。
自分がカミングアウトすることで、何か人々の助けになると思いますか？
― 害を与えるということはないと思う。僕の選挙のマネージャーにはいつも、「あなたに投票しなくなるようなことを絶対に言うんじゃないよ」と言われている。彼は、アセクシャルについては問題だと思っていない。ただ、年配の方々が混乱するのではないかとは心配しているよ。…僕は住民たちが討論する場に行きたいわけじゃないし、自分のセクシャリティについてはその話題を話したいと思った時に話すつもりだよ。
僕はノースカロライナで、ゲイの男性として立候補しているわけじゃない。カミングアウトで票を失うわけではない。アセクシャルは同性愛よりも知名度は低いけれど、キリスト教的にも罪ではない。何もしていないからね。ただ人に惹きつけられないだけなんだ。
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