【映画祭】セクシャルマイノリティ映画の祭典が、今年も東京で開催!〜第25回レインボー・リール東京の魅力

セクシャルマイノリティを題材とした世界の秀作映画を一度に見られる映画祭が東京で毎年7月に開催されているって、ご存知でしたか?
それが、今年から名称も変更された
「第25回レインボー・リール東京〜東京国際レズビアン&ゲイ映画祭」
です。
シネマート新宿スパイラルホールの2会場で、10日間にわたり全13プログラムが上映されるレインボー・リール東京の魅力をご紹介します。

第25回レインボー・リール東京
会場:シネマート新宿スパイラルホール
会期:シネマート新宿 ※連日19時より1プログラム上映
   2016年7月9日(土)〜7月15日(金)
   スパイラルホール
   2016年7月15日(金)〜7月18日(月・祝)
主催:NPO法人 レインボー・リール東京

レインボー・リール東京にしかない楽しみって?

1)二度と見られない映画たちと一期一会の出会い
レインボー・リール東京で上映される作品はメジャーの配給会社が扱わないものがほとんどです。つまり、劇場公開も、DVDなどで発売される可能性も非常に少ないのです。レインボー・リール東京の会場で見なければ、(特に海外作品の場合は日本語字幕がついた状態では)一生見る機会がない作品がほとんど。一期一会の状況で見た映画が感性にフィットしたなら、その感動は必ずやあなたの心に深く刻まれることでしょう。

2)幅広いラインナップが創る映画を満喫する興奮
メジャーな配給会社が扱わない小さな作品=アート系の難しそうな映画、と思い込んでいる方も多いかもしれません。でもレインボー・リール東京で上映される作品の幅はとても広いのです。LGBT当事者だからこそ実感できる心の痛みを共有するものから、サスペンス、家族との関わりを描いたドラマ、みずみずしい青春時代を描くロマンス、興味深いドキュメント、秀作短編映画まで実に多種多彩。とりあげるセクシャリティも様々ですので、予想もしなかった作品と巡り会える可能性はとても高いのです。

3)同じ感覚・感性をもつ仲間たちと感動をシェアする喜び
例えば海外の映画の字幕版を劇場で見た時に、(字幕を読んでいるだけでは)ちっとも笑えない場面で場内の外国人が爆笑していた経験はありませんか? 生活環境や経験が異なると理解できないスラングやパロディなどがあるのは当然のこととはいえ、そんな時はなんだか悔しい思いを抱いてしまいますよね。でもレインボー・リール東京では、LGBT当事者やAllyだからこそ理解できたり、爆笑できる場面が必ずあります。その感覚を多くの人とシェアしながら映画を見ることこそ、レインボー・リール東京の最高の楽しみなのかもしれません。

今年も2会場での上映が決定

毎年メイン会場となる東京青山のスパイラルホールに加え、昨年と同じくシネマート新宿でも7作品が上映されます。
映画祭らしいお祭りムードが楽しめるスパイラルホールはもちろん素敵な会場ですが、映画館と違って続けて何本も映画を見るのはしんどいと感じる方もいらっしゃるようです。
シネマート新宿では、スパイラルホールに先行して、毎晩一作品ずつ上映されます。
両会場のプログラムを組み合わせて、無理なく予定を組むのがレインボー・リール東京をもっとも効率的に楽しむ方法です。

■ シネマート新宿の上映予定 7月9日(土)〜7月15日(金)

シネマート新宿での上映スケジュール

シネマート新宿での上映スケジュール

■ スパイラルホールでの上映予定 7月15日(金)〜7月18日(月・祝)

スパイラルホールでの上映スケジュール

スパイラルホールでの上映スケジュール

注目の全16作品ラインナップ

今年も世界の映画祭で話題となったセクシャル・マイノリティを題材とする珠玉のドラマやドキュメンタリー全13プログラムが揃いました。上映される作品の多くが日本初上映であり、レインボー・リール東京が最後の上映になる可能性が高い貴重な作品もあります。
長編作品で特に注目は、ヴェネチア映画祭で最高賞である金獅子賞に輝いた『彼方から』(日本初上映)。
また第25回を記念し、レトロスペクティブ企画として鬼才グレッグ・アラキの代表作2作品を上映。
さらに『QUEER×ASIA 〜APQFFA傑作選〜』では、アジアの映画祭が推薦する短編作品を上映し、各国の新しい才能を紹介します。
その全13プログラム16作品のすべてをご紹介します。

summer
「サマータイム」※スパイラルホール・オープニング作品
原題:La Belle Saison
監督:カトリーヌ・コルシニ
2015|フランス、ベルギー|105分|フランス語 ★⽇本初上映
時は1971年。農家の1人娘デルフィーヌは保守的な両親から自立するため、パリへやってくる。そこでデルフィーヌは女性解放運動を率いるキャロルに出会い、彼女の⾃由な精神に惹かれていくが…。ウーマン・リブの時代を背景に女性たちの恋を描き、2015年ロカルノ国際映画祭でヴァラエティ・ピアッツァ・グランデ賞を受賞。『スパニッシュ・アパートメント』のセシル・ドゥ・フランスがカリスマ的なアクティビストを好演している

pari
『パリ 05:59』(スパイラルホール・クロージング作品)
原題:Théo et Hugo dans le même bateau
監督:オリヴィエ・デュカステル、ジャック・マルティノー
2016|フランス|97分|フランス語 ★⽇本初上映
眠らない街パリのある夜、セックスクラブでテオとユーゴーは目と目が合った瞬間に惹かれ合い、その場で情熱的に愛を交わす。その後、夜のパリをさまようテオとユーゴーであったが、衝撃的な事実が判明し、2人のロマンスは思わぬ方向へ向かっていく。2016年ベルリン国際映画祭でテディ賞観客賞を受賞した話題作が早くも日本上陸。リアルタイムで展開される愛のドラマは『ウィークエンド』(第21回上映)を彷彿させる。

checker
『チェッカーで(毎回)勝つ方法』
英題:How to Win At Checkers (Every Time)
監督:ジョシュ・キム
2015|タイ、香港、アメリカ、インドネシア|80分|タイ語 ★⽇本初上映
両親を亡くした少年オートとゲイの兄エックはおばと同居し、エックが一家の大黒柱となり生活を支えていた。兄弟は貧しいながらも幸せな日々を過ごしていたが、21歳になったエックと恋人ジェイが徴兵のくじ引きに参加することに。オートは兄と離れたくない一心で行動を起こすが…。韓国系アメリカ人ジョシュ・キム監督が描く瑞々しい兄弟の物語。2016年アカデミー賞外国語映画部門タイ代表作品、タイ・アカデミー賞助演男優賞受賞。

kanata
『彼⽅から』
原題:Desde Allá
監督:ロレンソ・ビガス
2015|ベネズエラ、メキシコ|93分|スペイン語 ★⽇本初上映
裕福な初老の男性アルマンドは、カラカスの道端で見知らぬ青年に声をかけ、自分のアパートに誘い込むことを常としていた。彼の望みは身体的な交わりではなく、ただ遠くから眺めることだけ。ある日、アルマンドは不良の若者エルダーを自宅に連れ帰るが、その時から彼らの運命は大きく変わろうとしていた。『NO』『ザ・クラブ』の名優アルフレド・カストロが主演を務め、2015年ヴェネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞。

bargandy
『バーガンディー公爵』
英題:The Duke of Burgundy
監督:ピーター・ストリックランド
2014|イギリス、ハンガリー|104分|英語 ★⽇本初上映
ある時代、あるヨーロッパの街で、見習い昆虫学者エヴリンはメイドの仕事で豪邸を訪ねる。そこに住むのは、冷酷で高慢な女性シンシア。エヴリンはシンシアに抵抗することなく、時には羞恥的な命令に従い続ける。しかし、これらはすべて2人の間のロールプレイであった。女性同士の倒錯的な愛の関係を見事な映像美で描き、トロント国際映画祭を始めとする世界各国の映画祭で上映され、大きな議論を巻き起こした問題作。

anoko
『あの⼦は私の初恋』
英題:First Girl I Loved
監督:ケレム・サンガ
2015|アメリカ|91分|英語 ★⽇本初上映
高校のソフトボールチームのエース、サーシャにひと目惚れしたアンは、イヤーブック用のインタビューを申し込む。2人の心は近づいていくが、密かにアンに恋をしていたアンの親友クリフトンが2人の仲を知り、いびつな三角関係に発展する。『アンブレイカブル・キミー・シュミット』のディラン・ゲルーラと『デッドプール』のブリアナ・ヒルデブランドのフレッシュな共演に注目。2016年サンダンス映画祭NEXT部門観客賞受賞。

girls
『ガールズ・ロスト』
英題:Girls Lost/原題:Pojkarna
監督:アレクサンダー・テレーセ・キーニング
2015|スウェーデン|103分|スウェーデン語 ★⽇本初上映
14歳のキム、ベラ、モモは仲良し3人組。ある日、彼女たちは温室で不思議な花を発見する。その花の蜜を飲むと⼀時的に少年に変身してしまうのだ。自分の体に違和感を抱いていたキムは世界が⼀変したことに驚喜するが、次第に新しいアイデンティティーが3人の友情に影響を及ぼしていく。『キス・ミー』(第21回上映)の監督による、幻想的な映像美と音楽が見事に融合した話題作。トロント国際映画祭、ロッテルダム国際映画祭出品。

gayby
『ゲイビー・ベイビー』
英題:Gayby Baby
監督:マヤ・ニューウェル
2015|オーストラリア|85分|英語 ★⽇本初上映
いまだ同性婚が法制化されていないオーストラリアで、同性カップルを親に持つガス、エボニー、マット、グレアムの4人。カメラはそれぞれの家庭に密着し、思春期に差しかかろうとしている4人の“ゲイビー”の日常生活を追う。彼らはゲイやレズビアンである親のことをどう思っているのか? 他の子どもとは違う悩みを抱えているのか? 子どもの⽬線から家族の多様性をとらえた自然体のファミリー・ドキュメンタリー。

nanboku
『⻄北⻄』
英題:West North West
監督:中村 拓朗
2015|日本|125分|日本語・ペルシア語・中国語 ★⽇本初上映
イスラム教徒のイラン人留学生ナイマが、レズビアンのケイと出会い、国籍や宗教的価値観を越えて、普遍的な愛とは何かを悟っていく…。ケイ役には、10歳で鈴木清順監督の『ピストルオペラ』(01)でスクリーンデビューし、その後も、多くの作品に出演している韓英恵。ナイマ役には、近年話題作に出演し女優として頭角を現してきたサヘル・ローズ。本作ではイラン生まれの生い立ちを活かした役どころで、リアリティ十分。第20回釜山国際映画祭・公式コンペティション(ニューカレンツ部門)正式出品作品。

hiheel
『ハイヒール⾰命!』
英題:High Heels Revolution !
監督:⼩波 津陽
2016|⽇本|73分|⽇本語 ★世界初上映
教師たちから抑圧され続けた中学時代。女子バレー部キャプテンとして活躍するほどに劇的に⾃由を得られた高校生活。母親や兄の温かい家族の愛に支えられながらも、「性同⼀性障害」という言葉だけでは到底片付かない苦難の道が続く。十代の終わりに決心した大きなリスクを伴う性別適合⼿術。コンプレックスをいかにして自分らしさに変え、どう生まれ変わったのか。ナツキや家族への取材に基づく、豪華俳優陣たちによる再現映像は必見!

■第25回 記念グレッグ・アラキ・レトロスペクティブ
living
『リビング・エンド(デジタル・リマスター版)』
英題:The Living End: Remixed and Remastered
監督:グレッグ・アラキ
2008|アメリカ|85分|英語
HIV陽性の診断に打ちひしがれ、女友達に慰められる繊細な映画評論家のジョン。ホモフォビアの⼀団に囲まれて銃を発砲し、ジョンに助けられるパンクスのルーク。失うものがない2人は愛の逃避行を始める。絶望的な状況の中で激しく燃え上がる若者たちを描いた壮絶なラブストーリー。1993年の劇場公開当時、ゲイ版『テルマ&ルイーズ』として話題になったニュー・クィア・シネマの代表作がデジタル・リマスター版でよみがえる。

skin
『ミステリアス・スキン』
英題:Mysterious Skin
監督:グレッグ・アラキ
2004|アメリカ|99分|英語
8歳の夏、カンザス州の田舎町でリトルリーグの野球チームに参加したニールとブライアン。その夏を境にニールは年上の男性に興味を抱き始め、売春を重ねるようになる。一方、記憶の⼀部を失ったブライアンは、自分がUFOに誘拐されたと思い込み、真相を追い求める。スコット・ハイムの⼩説『謎めいた肌』を原作とする青春映画の金字塔。『(500)日のサマー』のジョセフ・ゴードン=レヴィットの繊細な演技が光る。

■『QUEER×ASIA 〜APQFFA傑作選〜』★⽇本初上映
アジア・太平洋地域でのLGBT映画の支援・振興を目的として2015年に設立されたAsia Pacific Queer Film Festival Alliance (APQFFA)。このアライアンスに加盟する映画祭が推薦する短編映画の中から4作品をピックアップして上映。各国の新しい才能に注目を!

tora
『虎の威を借る狐』(ジャカルタQ!映画祭推薦)
英題:The Fox Exploits the Tigerʻs Might
監督:ルッキー・クスワンディ
2015|インドネシア|24分|インドネシア語
少年の目から見たセックスと権力の関係。

sowol
『ソウォル路の夜』(ソウル・プライド映画祭推薦)
英題:Sowol Road
監督:シン・ジョンフン
2014|韓国|25分|韓国語
夜の路上で体を売る女性たちの団結。

mama
『ママには言えない私の秘密』(台湾国際クィア映画祭推薦)
英題:When Mom Visits
監督:チャン・チョンウェン
2015|台湾、USA|19分|北京語、英語
突然娘のアパートに現れた⺟の⽬的は?

school
『スクール・デイズ』(香港レズビアン&ゲイ映画祭推薦)
英題:I Go To School Not By Bus
監督:モリス・ン
2015|香港|35分|広東語
僕と彼のビターでスイートな学園生活

チケット・インフォメーション

・1回券(日時指定券) 前売り:1,400円/当日:1,700円
・4回券(日時指定なし・前売り限定) 5,200円
※スパイラルホールでの上映回のみ使用可。シネマート新宿での上映回にはお使いいただけません。
・スパイラルパス引換券(限定100枚) 前売り:13,000円/当⽇:15,000円
※スパイラルホールでの上映回すべてをご覧いただけるフリーパスです。

【Pコード】
・1回券(シネマート新宿上映回) 555-659
・1回券(スパイラルホール上映回) 555-658
・4回券・スパイラルパス引換券 466-783

【購入窓口】
・前売り購入窓口:チケットぴあ、スパイラル「MINA-TO」、ルミエール
※シネマート新宿での前売り券の発売は行っておりません。
・当日購入窓口:
①シネマート新宿会場内映画祭受付(各日18:20〜)
※シネマート新宿のチケット販売窓口では当映画祭のチケット発売は行っておりません。
②スパイラルホール会場内映画祭受付

【チケット問い合わせ先】
・ホームページ内問い合わせ contact01@rainbowreeltokyo.com
・チケットインフォ:070-1404-5368(平⽇:19時〜21時、⼟⽇祝:13時、映画祭開催中)
※ 折り返しお電話をご希望される⽅は、番号を通知の上お電話下さい。

公式パーティ「Le Grand Bal(ル・グランバル)」

MC:オナン・スペルマーメイド

MC:オナン・スペルマーメイド

2年ぶりに開催される公式パーティ『Le Grand Bal(ル・グランバル)』。今回のMCは、ドラァグクイーンという枠にとらわれず、“唯一主義のパーソナリティ”として活躍中のオナン・スペルマーメイド!その他にも、豪華DJやパフォーマーを招き、映画祭前夜を華やかに盛り上げます。新しくなった映画祭が、未来へ向かって⼀歩を踏み出す記念すべき夜を、⼀緒にお祝いしましょう!

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・日時:2016年7月8日(金)19時開場
・会場:Restaurant Bar CAY (スパイラル B1F)
・入場料:当日券 3,500円/予約・フライヤー持参・前売り券 3,000円
 1992年生まれ(受付で年齢証明が必要) 2,500円
※すべて1ドリンク付き
・予 約:
≪メール予約≫ 件名を『7/8 Le Grand Bal』とし、本文に「お名前(フリガナ)/人数 / ご連絡先」を記入したメールを cayyoyaku@spiral.co.jp まで送信してください。(折り返しご予約確認のメールが届きます)

■レインボー・リール東京
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いたる

LGBTに関する様々な情報、トピック、人を、深く掘り下げたり、体験したり、直接会って話を聞いたりしてきちんと理解し、それを誰もが分かる平易な言葉で広く伝えることが自分の使命と自認している51歳、大分県別府市出身。LGBT関連のバー/飲食店情報を網羅する「jgcm/agcm」プロデューサー。ゲイ雑誌「月刊G-men」元編集長。現在、毎週火曜日に新宿2丁目の「A Day In The Life」(新宿区新宿2-13-16 藤井ビル 203 )にてセクシャリティ・フリーのゲイバー「いたるの部屋」を営業中。 Twitterアカウント @itaru1964