レズビアンの学生がソウル国立大学の学生会長に
11月19日にソウル国立大学で初めて、セクシャルマイノリティであることを公表している学生会長が誕生した。韓国の最高学府でもあるソウル国立大学での出来事であるだけに、韓国国内で話題を呼んでいる。
レズビアンを公表した学生が会長に
今回学生会長に選出されたのはキム・ボミさん(23歳)で、消費者自動学部の学生であり、当選前までは学生副会長を務めていた。彼女は、今月初めにレズビアンであることを立候補者の演説の中で告白していた。
今回、学生会長への立候補者はキムさんしかいなかったものの、彼女は86.8%の投票者からの承認を得て、見事当選した。彼女は12月1日に学生会長に就任する予定だという。
候補者演説会でのスピーチ
彼女は今月初めの候補者演説会の際、スピーチの中で以下のように述べていた。
「私はこの世界を、一生懸命努力する人たちが苦しむことのない場所にしたいと思っています。…私は誰も『普通』であるというレッテルに合わせる必要のない世界にしたいと思っています。私は誰もがありのままの自分自身を愛し、自信を持って生きていける世界にしたいと思っています。だから私は言います。私はレズビアンです。」
「私がレズビアンであるという事実は、私という人間の一部分でしかありません。…私が信じていること、副会長としてやってきたこと、そして将来成し遂げたいと思っていること―それらは変わらないでしょう。」
キムさんは、「多様性の実現に向けたひとつの動き」というスローガンを会長選挙に向けて掲げていた。
韓国における同性愛
韓国は社会的に保守的な国だと言われているが、ここ数年で、メディアで取り上げられることは少ないものの、韓国国内では同性愛者の権利向上へ向けた運動が勢いを増してきている。
Asan Instituteによると、韓国で2014年に行われた世論調査では、特に若年層での同性愛への寛容性が高まりつつあり、20代の若者の間では同性愛者の権利に賛成する人の割合が2010年の2倍近くに増加したという。2010年の調査では同性婚に賛成したのは全体で16.9%、若年世代で30.5%だったのに対し、2014年の調査では賛成が全体で28.5%、若年世代で60.2%まで増加したという。
画像出典:THE KOREA TIMES