LGBTにフェアな企業”Netflix”の魅力 その2

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■前回記事
LGBTにフェアな企業”Netflix”の魅力 その1

2015年9月に日本上陸したNetflix、の魅力に迫るインタビュー企画後編です。

その1では、Netflixのコンテンツの魅力、中でもオリジナル作品に関してのお話を伺いました。今回は、Netflixの社風や、働きたいと考える人へのアドバイスを伺いながら、Netflix本体の魅力に迫ってまいります。

■聞き手:榎本悠里香(Letibee LIFE)、いたる

<メニュー>
その1
①Netflixってどんなサービス?
②Netflixオリジナル作品に関して
その2
③Netflixの社風とは?
④Netflixで求められている人材とは?


■Netflixで配信中のLGBT作品
【LGBT版アカデミー賞!第28回GRAAD賞ノミネート】でご紹介した作品も配信中。(劇場未公開の最新作品もあります)

「ロンドンスパイ」London Spy

© 2015 Working Title Television ALL RIGHTS RESERVED

© 2015 Working Title Television ALL RIGHTS RESERVED

<作品紹介>自堕落な生活を送っている育ちの悪い、でも若くて性的な魅力がある底辺のゲイの青年が、自分とは全く異なる上流の環境で育った青年と知り合い、2人は恋に落ちる。ところがその上流の若者がいきなり失踪してしまい、主人公がその謎を追いかけるうちに、国家レベルの巨大なトラブルに巻き込まれていく……。イギリスBBC制作の全5話のミニシリーズ。Netflixオリジナルとして日本初上陸、独占配信中。

「謝罪の贈りもの」THOSE PEOPLE

<作品紹介>若く美しい絵かきの青年は、年上の男性と恋に落ちる。だが、心の中には長く想い続けている別の男がいた。純粋で繊細な同性愛の三角関係。激しく揺れる恋心の行方とは? 2016年に全米公開。日本では劇場未公開作品。

「母が教えてくれたこと」OTHER PEOPLE

<作品紹介>ボーイフレンドと別れ、仕事もイマイチなコメディ・ライターの男・デヴィッド。ニューヨークに住む彼は、余命いくばくもない母のために故郷に帰ってくる。保守的な父親、年の離れた妹と共に母親の面倒を看るのだが、どんどん具合が悪くなっていき……。2016年に全米公開。日本では劇場未公開作品。

「クレイジー・エックス・ガールフレンド」Crazy Ex-Girlfriend
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<作品紹介>ニューヨークに住むやり手の弁護士・レベッカは人生に虚しさを覚えていた。ある日、偶然再会した元彼に救いを求め、彼の住む西海岸の田舎町にいきなり引っ越す。イカれた女性と彼女に翻弄される周囲の人々を描くミュージカル・コメディ。離婚したばかりのレベッカの上司が若いジムトレーナーと知り合い、バイセクシュアルである自分に初めて気づき受け入れていくエピソードは秀逸。アメリカではケーブル局CWでシーズン2が放送中。Netflixで日本初上陸。

話題のLGBT関連の映画も配信されています。
※【海外映画】カテゴリーのサブジャンルに【海外LGBT映画】があります。
「タンジェリン」その1でも紹介したiPhoneで撮影された話題作
「わたしはロランス」グザヴィエ・ドラン監督作品
「シングルマン」トム・フォード監督作品
「ブエノスアイレス」ウォン・カーウァイ監督作品
「トランスアメリカ」フェリシティ・ハフマン主演
「チョコレートドーナツ」アラン・カミング主演

③Netflixの社風とは?

いたる(以下”I”):NetflixさんはLGBTフレンドリーな社風ではないか、と想像しているのですが、実際どんな感じなのでしょうか?

中島(以下”N”):フレンドリーかどうかは、どのように受け止めていただいているかにもよるかと思いますが、基本的に弊社の社風は、「社員が他の社員を育てる」というもので、やっぱり社員をすごく大切にしているんですね。とは言ってもビジネスなので業務に支障をきたす人にずっといて頂くわけではないので、当然やめていかれる方もいます。
パフォーマンスも求められますけど、頑張っている人へのケアもするというのが、うちの会社のスタンスなので、そういう意味では、同性同士で結婚されて子供を授かったら産休を取ることはできるんですよ、男性でも。ストレートの男性が、この間、数ヶ月産休をとってました。1年間までは可能なんです。そういうのは普通にありますね。

I:それってものすごくフレンドリーだと思いますよ。結婚しないと出世できないとか、そういう雰囲気はないだろうなとは思っていましたが。

N:全然ないですね(笑)。エンターテインメント(業界)って基本的にそうじゃないですか? 私、前職が映画の配給会社だったんですけど、結婚してない方もたくさん出世されてましたよ。
あと自分たちのプロフィールをお互いのことを知るために、それぞれが書くんですよ。その時に、例えばセクシュアリティをカミングアウトするみたいなことはみんな全然書いているので、わざわざ聞かなくても、ごく自然に受けとめていますね。

榎本(以下”E”):前職が映画の配給会社ということですが、Netflixのようなフラットな会社に転職されて入って感じた多様性ってありますか?

N:単純なことなのですが、ミーティングに行くと全世界の人がいるんで、それがまず面白いですね。色々と違いがあって。
例えば日本人って「推し量る」とか、わりと当たり前じゃないですか。でも、推し量って遠慮していると寂しがる国の人とかもいるんです。
考えていることを150%くらいの勢いで自分から喋ってくるのですが、だからといって押し付けてるわけじゃない。それに対して私が(相手の考えていることを推し量って)「ふーん」って言ってると「啓子は私のことが好きじゃないんだ」みたいに寂しがったりとか。
そういうことがあるので、日本人だから推し量るのが文化とかじゃなくて、私も頑張ってコミュニケーションとろうと常に意識しています。
基本的にそういうのが好きなんで、全然苦痛にはならないタイプですが、190か国もあると、さすがにその範疇を超えて、たまに「辛いなあ」と思うこともありますね。(笑)
あとチームワークはすごく大切なので、グローバルIQを高めるためのセッションというのはよくやっています。今日(取材当日)はアメリカでやっていて、トルコとスペインのスタッフが自分の国のことをみんなに説明するんです。
そうすると、確かにトルコは先日クーデターがありましたし、各国の実情を感じられるんです。そんな状態でもトルコのスタッフはすごい頑張って働いているので、本当に感心します。
スペインもすごく失業率が上がっている中でNetflixの業績は良くなっているんですね。日本だったら一番安くて月額650円のプランからあるのですが、全世界ほとんど同じくらいの料金設定です。安くて色々なコンテンツが見られるって意味では重宝されていだなあと実感しました。いろんな国の人がいて、たくさんのコンテンツがあって、でもそれだけじゃなく各国でそれぞれ頑張っているスタッフがいるということを感じられるのはすごくいいことですし、個人的にもすごく面白いなと思います。

④Netflixで求められている人材とは?

I:Netflixで働きたいと考える若い方にアドバイスされるとしたら、必須なものはありますか?
例えば英語ができるとか。

N:そうですね、英語は私も苦労してますけど、できた方がいいです。
実は新卒という形では採用していないんですね。というのも、うちの社風として基本的には「自分で決めて正しいと思ったことは、他の会社のような上司の決裁を仰がなくていい」という方針なんです。もちろん自分の情報をシェアすることで、会社としてもっと大きくなったり良くなったりしていくので、基本的にはみんなで共有しますけど。自分だけで進めることができる、ということは、正しい判断力をもって、自分で企画してそれを実行する力も求められるということです。そういう人材というのは、ある程度幾つかの会社で経験を積んでいて、少なくともその分野ではいわゆるプロフェッショナルになっている方なのです。 Netflixで働きたいと考える若い方には、ぜひ頑張って修行を積まれてください。

I:必要な経験を積んだ方で興味がある方は働けるチャンスがあるということですね。

N:はい、そうです。人材を募集するときは、弊社のサイトで必要な情報をすべてオープンにしています。どういう人材、役職の方を今求めています、とはっきり書いてあります。

I:2016年は東京レインボープライドやレインボーリール東京でブース出展などされていましたが、今後もそういうプライドイベントに積極的に参加していこうというお考えはありますか?

N:そうですね、機会があれば。うちのサービス自体の売りが「いつでも、どこでも、好きな時に好きなだけ見られる」なんですね。環境さえあれば誰でも見れる、という。そういう意味ではすごく親和性があるなって考えています。
ただ、私たちはどの市場に宣伝活動をする時も、すべてコンテンツありきで考えるんです。
2016年は「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」というコンテンツがあったのでプライドイベントへ参加しました。
その市場にピッタリのいいコンテンツがないのに無理してやる、というのは考えてないですね。
特定の市場を狙うというよりは、裾野を広げていこうとは考えています。オリジナルのコンテンツを売るための宣伝だけでなく、コンシューマーPRという別部隊があるんですね。
「Netflixをどうやって使うか、快適に使うか」ということを広めていく目的が一つ。
もう一つは、皆さんのライフスタイルの中にどう言う風に取り込んでもらえるかということを考えています。
コンテンツをただ楽しむだけじゃなくて、Netflixが提供するコンテンツを通じて新しいことを知るとか、きっかけができるとか、そういう意味合いってすごくあると考えています。コンテンツを通じて何かを伝えていくっていう宣伝を、これからも全世界的に続けていくと思います。

日本でのサービス開始から、わずか1年半で配信コンテンツのラインアップの充実ぶりはすごいことになっているNetflix。あの話題作やヒット作を始め、ここでしか見られない作品の数々には注目せざるをえません。いつでもすぐに視聴開始できるので、Netflix未経験の方は、ぜひ一度どんな作品があるのか覗いてみてください。

Netflix

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ABOUTこの記事をかいた人

いたる

LGBTに関する様々な情報、トピック、人を、深く掘り下げたり、体験したり、直接会って話を聞いたりしてきちんと理解し、それを誰もが分かる平易な言葉で広く伝えることが自分の使命と自認している51歳、大分県別府市出身。LGBT関連のバー/飲食店情報を網羅する「jgcm/agcm」プロデューサー。ゲイ雑誌「月刊G-men」元編集長。現在、毎週火曜日に新宿2丁目の「A Day In The Life」(新宿区新宿2-13-16 藤井ビル 203 )にてセクシャリティ・フリーのゲイバー「いたるの部屋」を営業中。 Twitterアカウント @itaru1964