※ウェブサイト運営上、性転換手術というタイトルをいれていますが、これは性別適合手術とも呼ばれます。
性別適合手術
性同一性障害は、ドラマや漫画で取り上げられ認知度もあがりましたね。
周囲の正しい理解ももちろん大切ですが、
GID(性同一性障害)当事者は、SRS(性別適合手術)を行う前に
すこし未来を見据える時間があっても、いいと思うんです。
実際に性別適合手術を受けたFTM(女性から男性になった人)の友人のお話。
オペで、自分の本当の体を取り戻した。でも…
性別の違和感で、ジェンダークリニックに通う前から
鬱症状があったFTMの友人、B君。
性同一性障害という診断が下りて、性別適合手術を受け
晴れて本当の自分に生まれ変わった…はずなのに。
待っていたのは、術後の体調不良。
「女として生きてきた」体のことが
ひょんなことからバレてしまうのでは…
という、恐れ。
健康診断が怖い。だから就職も怖い。
「医者が見たら、SRSを受けたことが分かってしまう。」
「会社の健康診断で、何かの拍子にオペのことが会社にバレるんじゃないかって怖い。」
B君は、健康診断をしなくてもいいように、就職をせず
深夜帯の時間アルバイトをして生計を立てています。
体調不良が継続的に襲ってくる。フルタイムで働く体力がない。
もちろん、術後の体調には個人差がありますが
私たちのGIDの友人たちは
体調不良を訴えることが多く、フルタイムでのお仕事が続けられない傾向にあります。
疲れやすい。心も、体も…
体の性別を、本来の自分に近づけたら
心のモヤモヤも晴れるかな…と思っていたけど
SRSを受けた後も、つらい波は襲ってくるそうです。
会社を休みがち。収入も不安定。
時給制の仕事をしている B君は、体調不良で休んでも
有給が残ってなければ実入りがゼロ。
「このままじゃ、彼女ができても養ってあげられない」
「手術を受けたこと、後悔はしてない。でも、将来がいつも不安」
B君は言いました。
「カウンセリングを受けていた頃は、自分の体の性別を取り戻すことがゴールだった。
でも、まだ、スタートしたばかりだった。
将来は途方もなく長い。
先が見えないと、不安になる。
もし手術を受ける前に、術後の状況をイメージできていたら
もっとどっしり構えていられたかもしれない…。」