「アセクシャルの人って、結婚についてどう考えているんですか?」
パートナーシップ条例や同性婚に関する動きなど、世間で「LGBTと結婚」というテーマが取り上げられるようになったからでしょうか、最近よくそんなことを聞かれます。で、話を聞いている限り、単純に結婚がどうこう、というよりも「将来設計」の代名詞として結婚というワードが使われている気がするんですね。つまり、「結婚についてどう考えているんですか?」という質問が「将来どうするつもりなんですか?」と、ほぼイコールなんです。
人生観をもっと豊かにする3つのプラン
もちろん私も別に世の中のアセクシャルの総意が結晶して生まれた人工知能とかではないので、ひとくちに「アセクシャルの人ってどう考えてるんですか?」と聞かれても非常に返答に困るのですが、その前にちょっと待ってください。そもそも将来設計って「結婚をするor独身で生きる」の2択しかないんでしょうか?
①ひとりで生きる
人生は結婚or独身ではないと言った直後にこれか、と思われたかもしれませんが、「ひとりで生きる」ことも立派な人生の選択肢のひとつですし、誰かと一緒に生きることが絶対にひとりで生きることより人生を豊かにするわけではありません。
それに、現代の日本で生きるのであれば山奥で自給自足の生活でも営まない限り、結局は誰かと関わることになります。職場であったりご近所付き合いであったり友人関係であったり……。そうした人間関係を大切にしながら生きていくというのも、豊かな人生のあり方のひとつだと思います。
②「パートナー」と生きる
「パートナー」を「恋人」の代名詞として使っている方を稀に見かけますが、ここで言う「パートナー」は、恋愛感情の有無に関わらずお互いの人生を支え合う存在という意味です。正確な定義は筆者もわからないのですが、少なくとも自分が口にする時はそういう意味で用いています。
当然ですが、パートナーは同性でも異性でも構いませんし、社会的にどのような形の結びつきであれ構いません。結婚していても、パートナーシップ条例のようなものを利用していても、はたまた別の形で結びついていても、いなくても。
「パートナー」の形は十人十色ですから、どこまで相手の人生に深く関わるのか、どんな感情で結びつきを持つのか等は誰に干渉される必要も、正解不正解もないと思っています。
③複数人で助けあって生きる
シェアハウスといえば、なぜかすっかり内部で恋愛絡みのいざこざが起きるものというイメージがついてしまいましたが、どちらかというと気をつけなければならないのは金銭がらみのいざこざな気がします。
ともあれ、パートナーと一対一の関係を築かず、複数人で「家族」という単位を作って暮らすのも非常に魅力的な生き方ではないかと思います。こちらもパートナーと同様、お互いの生活にどこまで干渉するのかといった部分は人それぞれですし、お互いに譲り合う気持ちが必須になりますが。
理想の将来像もグラデーション
当たり前ですが、グラデーションなのは何も性の世界だけではありません。10人の人がいればそれぞれの理想は10パターンあるのですから、日本だけで1億パターン以上です。「結婚すべきか、せざるべきか、それが問題だ」と考え込む前に、ぜひ別の選択肢についても考えてみてくださいね。
画像引用先:photo-ac.com