同性愛に対して厳しいウガンダの活動家たちの願い
LGBTの権利向上を訴えてきたウガンダの活動家たちは、カトリック教のトップであるローマ法王から、同性愛に対して寛容になるよう説いて欲しいと願っている。法王は近々ウガンダを訪れる予定だが、同性愛者に対しての暴力を法王から非難して欲しいという願いが見られる。一方で、教会側は、法王が同性愛について触れることを避けたい様子だ。
ウガンダにおける同性愛
ウガンダでは同性愛は違法とされている。同性愛者に対しての差別や暴行がひどいため、彼らは海外へ避難したり、家でひっそりと暮らしたりしなければならない。例えば、地元の団体に所属していたレズビアンの女性は、家に帰る途中に男性に襲われ、顔に大きな傷を負った。また、10月中に報告されたLGBTに対しての暴行事件は6件にものぼるという。
そのような状況の中でも、同性愛者の活動家はローマ法王がウガンダを訪れた際に同性愛を容認する力強いメッセージを送り、味方になってくれることを願っている。
「私は特に今の法王は（これまでの法王と比べて）より進歩的であると思いますが、オバマ（大統領）のように彼をアライと呼ぶことはありません。…私は彼のはっきりとした立場が知りたいのです。」
同性愛者のリーダーであるフランク・ムギシャ（Frank Mugisha）はそう語った。
現在のフランシスコ法王は就任直後に、ゲイの神父の存在について「私に裁くことができようか？」と発言したことが注目されていた。また、歴代の法王とは異なり、彼は教会はもっと寛容になり、同性愛者を含めた排除されてきた人たちを歓迎すべきだと発言していた。
西洋のイデオロギー的植民地主義
一方で、ローマ法王は発展途上国において、富裕国やNGOが開発援助を提供する際に、避妊や人権などの西洋的な考え方を取り入れることが条件になっていることを批判している。これを彼は「イデオロギー的な植民地主義」と称している。
アフリカでは、例えばコンドームの使用を促進できなければ、学校の設立や医療サービスを整備のための国際援助を受けられない状況にあるという。実際にウガンダ政府が同性愛禁止法を成立させると、スウェーデンやノルウェーなどの国はウガンダへの開発援助を削減してしまった。
しかしウガンダでは、同性愛禁止法は教会関係者を中心に広く支持されている。彼らは、貧しいアフリカの子どもたちを、“お金で誘惑しようとする西洋の同性愛者”から守る必要があるのだと主張している。
法王の発言への注目
ウガンダの倫理大臣のサイモン・ロコド（Simon Lokodo）は、同性愛者を公然と非難しており、同性愛者の受容は多くのウガンダ人にとって受け入れがたいと話した。
「私は彼（法王）がこれ（同性愛）についての話を避ける事を祈っています。災いを招くことになると思うので。」
一方、活動家のムギシャは、法王からの思いやりのメッセージは現地の教会のリーダーたちがオープンな同性愛者への敵意を弱める可能性があると期待している。
「私たちは容認の言葉である『差別してはいけない、同性愛者を傷つけてはいけない』というローマ法王庁からの明確な立場が欲しいのです。」
画像出典：LGBTQ Nation
