2017年4月29日、東京レインボーウィーク2017が開幕しました。
ゴールデンウィークのラスト、5月6日・7日のFESTA&パレード”東京レインボープライド2017″に向けて、東京を中心に60以上のセクシュアル・マイノリティに関する様々なイベントが開催されます。
東京が虹色に染まる東京レインボーウィーク、初日に開催された2つのイベントの模様をご紹介します。
東京レインボーウィークの開幕を祝福するかのように、4月29日東京の空には大きな虹がかかりました。
東京レインボープライド2017初日、東京の空に虹がかかる。#TRP2017
都心に七色の光「虹」あらわる @tenkijp https://t.co/7QyErUMuq0
— 冨田格(いたる) (@itaru1964) April 30, 2017
①SECRET GUYZが応援団!
”グッド・エイジング・エールズ”春の大運動会”
②中村中、三ツ矢雄二、東ちづるの熱いメッセージ
”TRP2017オープニングレセプション”
①SECRET GUYZが応援団!”グッド・エイジング・エールズ”春の大運動会”
東京レインボーウィーク幕開けは、快晴の空の下での運動会から!
2017年4月29日、1年半の整備を経てオープンした代々木公園陸上競技場(織田フィールド)で、
グッド・エイジング・エールズ春の大運動会が開催されました。
日本の陸上競技の第一人者として知られた故・織田幹雄氏の業績を称えて「織田フィールド」の愛称でも呼ばれるこの競技場は、全天候型の400mコースが8レーンある陸上連盟第3種公認競技場です。
その本格的な競技場を使って、
・400mトラックリレー
・紅白玉入れ
の2種目を、年齢もセクシュアリティも様々な100名弱の参加者が和気藹々と楽しみました。
運動会の応援団には、日本初のFtMアイドルユニットSECRET GUYZが登場。
リレーの応援団として一生懸命に走るランナーに熱いエールを送ったり、玉入れにはちょこちょこと参加して一緒に楽しんだりしていました。
気持ちいい快晴の空の下、午前中の織田フィールドには参加したみなさんの笑顔が溢れていました。
その模様をご覧ください。
レインボーウィーク第1発目のイベントとして開催した「春の大運動会」。大快晴のなか、100名近くの参加者で、400mトラックリレー、紅白玉入れを行い、無事に終了いたしました!応援団のSECRET GUYZに加え、元なでしこジャパンの海堀あゆみ選手も、駆けつけてくださいました! pic.twitter.com/WIdHLZaJ8M
— グッド・エイジング・エールズ (@goodagingyells) April 30, 2017
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☆SECRET GUYZ ミニ・インタビュー!
応援団として参加したSECRET GUYZは、5月17日に新曲「悩めるヒーロー」をリリースします。
7枚目のシングルにして、初の地上波アニメのエンディング主題歌に決定して、ますます注目度がアップしています。
そんな彼らに、タイアップについて、そして5月7日(日)に出演する東京レインボープライド2017のステージへの意気込みなどを伺いました。
※「悩めるヒーロー」はTBS系全国28局ネットのキッズ向けアニメーション『トミカハイパーレスキュー ドライブヘッド 機動救急警察』(毎週土曜あさ7時)のエンディング主題歌としてオンエア中。
Q:大型タイアップおめでとうございます
SECRET GUYZ:ありがとうございます!
Q:発表の瞬間の動画拝見しましたけど、本当に知らなかったんですか?
シュート(以下:S)知らなかったんですよ。本当に。
諭吉(以下:Y)歌詞の中にアニメの題名が入っていたんですけど、「これってどういう意味なんだろうね?」って3人で話してたんですよ。そしたら「黙れっ!」と思われたみたいで(笑)
タイキ(以下:T)サプライズされる2日前くらいに諭吉がそのことを突っ込んだらマネージャーさんがその瞬間、背中を向けるという(笑)
S:やっぱ秘密にしてるわけじゃないですか、「なのに、それを今、聞くなよ」って言う。
Y:なんなんだろうなあ、って言ってたら本当にサプライズがありまして。
Q:その瞬間のお気持ちはいかがでしたか?
Y:いやあ、びっくりしました。
Q:安東弘樹アナウンサーが登場されましたよね。
T:「あ、芸能人が出てきた」と思って(笑)、ポカーンですよ。
S:「えっ? 見たことある、この人」と。
Y:あの時は、楽屋に戻って次のステージに備えなきゃって、下向いてたんですよ。
T:ステージ終わって、緊張が解けそうになる瞬間だったよね。
シュ すごいサプライズだったんですけど、何よりのサプライズはアニメの主題歌ってことですよね。だって、子供達が見る番組じゃないですか。なんか日の目を浴びるような感じっていうか。
Y:トミカさん、いいんですか? みたいな。
T:トミカさんもアニメ初挑戦だし、僕たちがそれに起用してもらえるって。大きく言ったら歴史を変えられる一歩になったんじゃないかなって。
Y:(社会も)変わってきてるんだなって、しみじみ肌で感じます。
Q:実際に、オンエアご覧になっていかがでしたか?
T:今回の「悩めるヒーロー」の歌詞は子供の心にすごく刺さると思うんです。TVから流れると、それがさらに実感を持って感じられて、同じように多くのお子さんが同時に見てくれているんだ、と思ったら、もう感激しました。
S:子供の頃に僕も見てましたけど、アニメの主題歌ってずっと耳に残るじゃないですか。だから小さいお子さんたちの耳に、何年後にも残ってるものになってほしいと。
Y:あの頃見てたよねって、大人になってからカラオケで歌ってくれたりして。
Q:3年連続で東京レインボープライドのステージに立つわけですが意気込みをお願いします。去年よりすごいステージを見せてくれるんですよね? もちろん。
T:もちろんですよ! 進化ですからね、僕たち。
Y:今回の東京レインボープライドのテーマが”CHANGE”と言うことですが、僕たちは”変化”じゃなく、どんどん”進化”していきたいと思っています。進化している僕たちの姿を見ていただいて、皆様にいろいろと感じてもらえたらと思います。
Q:ありがとうございました。7日のステージ、楽しみにしています。
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今年もJR山手線・原宿駅前のGAPフラッグシップ原宿のロゴが、東京レインボーウィーク2017の期間中レインボーに変わっています。東京レインボープライド2017で代々木公園に向かう際は、ぜひチェックしてください。
②中村中、三ツ矢雄二、東ちづるの熱いメッセージ
”TRP2017オープニングレセプション”
2017年4月29日19時より、東京都庁45階南展望室「Tokyo Cafe 202」で東京レインボープライド2017のオープニング・レセプションが開催されました。
昨年に引き続き、360度東京の眺望が楽しめる会場でのオープニング・レセプションとなりましたが、明らかに取材にきているマスコミの数が増えています。
当事者・アライの著名人や現職国会議員、東京レインボープライド2017の協賛企業の方々など、次々と登壇しては熱いメッセージを語ってくれました。
中村中さんのスペシャル・ライブで閉幕するまでの2時間20分をダイジェストでお伝えします。
東京レインボープライド共同代表・山縣真矢氏による開会宣言に続き、小池百合子 東京都知事からの祝辞が代読されました。東京都知事からの祝辞が届けられたのは、初めてのことです。
東京レインボープライド2017の開催、おめでとうございます。
東京都は、女性も、男性も、子供も、高齢者も、障がい者も、そしてLGBTの方も、誰もが希望を持って生き生きと生活でき活躍できる都市・ダイバーシティの実現を目指しています。
多様性が尊重され、温かく優しさに溢れる都市の実現に向けて、このイべントの成功を心より祈念しております。
東京都知事 小池百合子
続いて、乾杯の挨拶は、声優の三ツ矢雄二氏から。
私は今年63歳になります。
今年カミングアウトしたって世間では捉えられていますが、実は生まれついてずっと自分で自覚しておりまして、周りには何も隠さずに生きてまいりました。
だから声優業界で僕のことをゲイじゃないと思っている人は一人もいないと思います。
そのぐらい普通に過ごしてまいりました。ところがテレビで一言「グレーゾーン」と言った時と、「ゲイ」と言った時の、その言葉の意味の違いをすごく知ることになりました。
そしてこれからは「ゲイ」って言葉を大切にして生きていかねければならないなと思っています。今回、このレセプションの乾杯の挨拶を、と言われた時に、ああ、これが自分のゲイとして、そしてカミングアウトして生きて行くスタートラインだなあという風にも思っています。色々な個性を持った人々が普通に生きていける、そんな世の中になればいいなあと思っています。誇りを持って、前進していきましょう。それでは、乾杯!
来賓の保坂展人 世田谷区長も挨拶
カミングアウトした三ツ矢雄二氏、アライの東ちづる氏の熱い想い
続いて、三ツ矢雄二氏と東ちづる氏によるトークショーが開催。
■三ツ矢雄二氏が語るカミングアウトの経緯
本当はカミングアウトしてください、と言われてテレビに出たわけじゃないんです。(話の流れで)次長課長の河本さんから「三ツ矢さんはグレーゾーンって言ってるけど、本当はゲイかストレートのどっちなの?」って聞かれて、これは嘘つけないなと思って「どちらかというとゲイです」って答えました。
この「どちらかというと」が自分にとってのエクキューズだったんですけど「ゲイです」というところだけ抽出されて使われてしまって。で、翌日のYahoo!ニュースのトップになったって聞いた時に、「ゲイってこんなに重い意味を持つんだ、グレーゾーンと全然違うんだって、ちょっとショックを受けました。
知り合いは全員僕がゲイだと知っていたはずです。
両親とか家族も薄々感じていたとは思うんですね、母親は「あなたは結婚しなくていいからね」なんて言ってましたから。でも面と向かって言ったことはなかったし、家族に迷惑かけちゃいけないなってのがどこかにあったと思うんです。
以前、ニューヨークのプライドパレードに行った時に、セクシュアル・マイノリティの子供を持つ親のグループが「自分たちは息子、娘に誇りを持っている」と歩いていたのを見たのが印象に残っています。
もしかするとすぐには家族も理解してくれないかもしれませんけど、絶対にわかってくれると信じています。「雄ちゃんは雄ちゃんだね」と思ってもらえるようになれればって。
もし迷惑をかけたなら「ごめんなさい」って謝りますけど、でも「迷惑って何なの?」って。
それを迷惑って捉えたら僕を否定することになると思うんです。
僕は否定されたくないですから、もし否定する人がいても、理解してもらえるようにしていきたいと思っています。
兄も定年退職しましたし、僕も60歳を超えました。
このあたりでゲイであることをカミングアウトして、同じ仲間のためになることを何かやっていくのも、自分がこの世に生まれた意味のあることではないかと考えています。
■東ちづる氏が語る当事者の声を集めた映画を作ったこと
今日、私は女優ではなくて一般社団法人Get In Touch! 代表として登壇させてもらっています。
誰も排除しない” まぜこぜ”の社会を目指す、という目標を立て、映像とかアートとか音楽とかファッションとかワクワクすることを通じて「啓発」という言葉を使わない活動をしているのですが、今回、映画を初めて撮りました。
「私はワタシ over the rainbow」というタイトルです。
まさに去年の今日、この会場のレセプションからカメラを回し始めて、41名の当事者の発信者の皆さんにインタビューしました。
いろいろな人の話を伺っているうちに、なんだかわからなくなっちゃって。
というのも、皆さん特別な言葉を発してくれるかと思ったら、全然特別ではなくて「とにかく自分を生きていたいんだ」っていうことをおっしゃるんです。
これ「みんな一緒じゃん」っていう。
LGBTの方だけじゃなく、私たちもみんな自分を生きていきたいんだけれども、子供の頃からの刷り込みとか、常識とか、社会性とか、なんか見えないところに呪縛があるから生きづらいんだな、ということを映画を作りながら感じました。
映画の中で
「性別なんて自分が決めればいいのよ。それを他人からとやかく言われることはないのよ」
「好きになった人が好きになった人、その人の性別なんてどうでもいいのよ」
なんて言葉がいっぱい出てくるんです。
もうね、いい言葉が61分間、ずーっと出てくるんです。
今日、初めて新宿二丁目で試写会をやってき他のですが、当事者の方から「初めてもやもやしないLGBTの映画を見た」という感想をいただきました。
私、初めて映画を作ったので、撮ったものの、配給のこととか全然考えていなかったんですよ。
もし上映会をしたいよって方がいたら声をかけてください。
利益目的で作ったのではないので、どんどん上映して欲しいんです、企業、学校、団体などで。
※「私はワタシ over the rainbow」試写会
日時:5月2日14:30-16:05(開場14:15)
会場:irodori 東京都渋谷区神宮前2丁目14−17
詳細はこちらをご参照ください。
企業、国会議員、自治体議員の来賓、スピーチが続々と
今年のTRP2017オープニングレセプションには、昨年をはるかに上回る人数の、協賛企業、国会議員、地方自治体議員が登壇してスピーチしました。
その皆様をまとめてご紹介します。
3月に当選したばかりの細田ともや入間市議は、日本で初のFtM当事者議員。25歳の若い当事者議員の誕生です。
デビュー10周年の中村中が伝えたい想い
TRP2017オープニングレセプションの最後を飾るのは、中村中(なかむらあたる)のスペシャル・ステージ。ギタリストを伴い、3曲のアコースティック・ライブを繰り広げた。
セットリスト
① サウンド・オブ・サイレンス (サイモン&ガーファンクルのカヴァー)
② 友達の詩
③ 死ぬなよ、友よ
ここに集まっている皆さんは。自分の生き方に胸を張って、あるいは胸を張ろうとして生きていらっしゃる方だと思います。こんな力強い人たちが集まった場所で歌えることをとても嬉しく思っております。
最近は、外の国からミサイルが飛んでくるのではないかとか、なかなか物騒な毎日ですけど、こういうイベントが開けるっていうくらい、私たちが住んでいる場所は平和なのではないかと思います。
今日は色々な人たちが集まっておりますが、まず胸を張って生きる前にこの平和を守っていかなければいけないなって、思うんですよね。
お隣の方とか初めて会った方もいるかもしれませんが、一人一人のつながりが大きな力になると思うんで、皆さん仲良くなっていただきたいなと思います。
今日から9日間、レインボーウィークが始まるわけなんだけど、今、日本は2020年のオリンピックに向けてでしょうか、海外からもたくさんのお客様がやってきています。
例えば、レインボーウィークで活動しようとしている私たちも、外からどういう風に見られているのかっていうのを考えたりします。
私は昔、学生の頃に、吹奏楽部に入ってたんですけど、なんていうんですか、さぼりがちで。なんかテレビカメラの前で言っていいのか分からないんですけどタバコを吸っていたりとか(笑)
顧問の先生から注意された時に、こんなお話をされたんです。
「本当に部活をやりたいならタバコはやめなさい。どんなにいい演奏ができても一人そういう人がいると、ウチの部活はそれを許していると見られてしまい、全員が悪いように思われてしまうんだよ。だから君には辞めてもらうかも知れない」
という話をされました。
なるほど、と思った。
同じものを志していても、一人何か失敗しただけで
「やっぱりあいつらはそういう奴らじゃないか、利口じゃないじゃないか」
とかね、そういう風に思われてしまうもんなんだなって思って。
2006年にデビューしてからセクシュアル・マイノリティであるとカミングアウトしましたが、それ以降、例えば私と似た様な悩みをお持ちの方のことを考えると、カッコイイ人間にならなきゃいけないなって思うんです。
今日お集まりの方はきっとレインボーウィークを引っ張っていく皆さんだと思います。
私だけじゃなく、参加している皆さんが外から「かっこいいんだよ」って見られて欲しいなって。
つまり、一人一人がカッコよくいて欲しいって思うんです。
中村中さんは今年デビュー10周年を迎えました。
5月20日(土)に記念のコンサートが開催されます。
中村中 10th ANNIVERSARY SHOW
天晴れ!我は天の邪鬼なり
日時:5月20日(土)17:15〜
会場:東京国際フォーラム ホールC
中村中公式サイト「中屋」はこちら
最後はスタッフ勢揃いで記念撮影!
司会を務めたのは、フジテレビのシニアコメンテーター阿部知代氏。
5月6日(土)FESTAの司会も担当されます。
その阿部氏から最後にサプライズの発表がありました。
5月5日(金)19:10頃から、「台場からダイバーシティにしよう」ということで、お台場のフジテレビ社屋がレインボーカラーにライトアップされるそうです。
当日は阿部氏が出演しているフジテレビのインターネット放送「ホウドウキョク」の番組「FLAG9」が放送されます。
「当日、お台場のフジテレビが見える場所にいる方は実際にレインボーカラーになったフジテレビ社屋の画像を撮影して、SNSで拡散していただきたいです。直接見られない方も「ホウドウキョク」と検索していただくとスマホでもPCでも私が出ている番組が見られますので、レインボーになったフジテレビの画像を撮影して拡散していただけると嬉しいです」
※詳細はこちらをご参照ください。
東京レインボーウィーク2017の華やかな開幕の雰囲気、伝わりましたか?
5月6日・7日の東京レインボープライド2017 FESTA&パレードまで、様々なイベントが開催されます。
東京レインボープライド公式サイトで詳しいイベントを検索できます。
興味のあるイベントを見つけて、ぜひ参加してみてください。
東京レインボープライド公式サイト
東京レインボープライド公式Twitter
東京レインボープライド公式Facebook
東京レインボープライド公式Instagram
◉東京レインボーウィーク2017期間中(04.28〜05.07)は毎日新記事更新中!
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