トランスジェンダー女性の男性刑務所での実刑判決にオンライン署名で抗議活動
男性刑務所に収容され、「屈辱を受けた」というトランスジェンダー女性のタラ・ハドソン受刑者。しかし、オンライン署名でこの判決に異議を唱える55,000人以上からの署名が集まり、彼女が女性刑務所に移される可能性が出てきたという。
トランスジェンダー女性の受刑者
今週初め、26歳のトランスジェンダー女性、タラ・ハドソン(上写真)は暴行の容疑を認めた後、12週間の懲役を宣告された。収容されるのはブリストルの男性刑務所だった。彼女のパスポートの性別、つまり法的な性別が男性であったために、治安判事は彼女を男性刑務所に送った。
しかし、彼女は20歳の時から6年間、ずっと女性として生活していたという。
国会で見られる動き
現在の英国の方針では、トランスジェンダーの受刑者が彼らの望む性の刑務所に入るためには性別を識別する証明書が必要であり、ハドソンは6年以上も女性として生活しているにも関わらず、その証明書を持っていなかったという。
国会議員のベン・ハウレットはこの判決に対して意を唱えており、英国議会の女性と平等の限定委員会において昨日この問題を取り上げた。同様に自由民主党の投手であるティム・ファロンもこの問題について話題にするつもりであったと話した。
オンライン署名による抗議運動
その一方、Change.orgのオンライン署名で5万人以上の署名を集めたことで、ハドソンは女性刑務所に送られる可能性が出てきた。
刑務所の代表者は以下のように述べている。
「トランスジェンダーの受刑者たちの性別は法的に識別されている性別に則るというのが長年続いているルールである。しかし、私たちのガイドラインでは、自由裁量の余地が有り、刑務所に関わる精神的な福祉を守るために、医療専門家が状況を再検討するケースもある。」
さらに昨日、ハドソンは宣告された刑罰に対して、再審を求めることができることが明らかになった。彼女は30日にブリストル裁判所で、刑が重すぎるとして拘留されない刑を要求するなど、上訴する意向を見せている。彼女の母親のジャッキー・ブルークリンはバース新聞で、彼女自身は非実刑判決を求めていると話した。
彼女がもっと軽い刑を要求できるべきかという点はさておき、数年間女性として生活してきたなどの事実も加味した上で、性別を証明する法的書類がなくとも彼女の望む性別で刑を受けることは、受刑者の人権とも呼べるのではないだろうか。
画像出典:Pink News