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来年のアジアNo.1を目指す東京レインボープライド
11月16日、都内で行われた東京レインボープライドの企業向け説明会に行ってきた。
会は共同代表の杉山文野氏からの挨拶でスタートした。日本の男性・女性という枠から抜け出し、自分のことを誰も知らない海外へ出た際にも、三人称で男性/女性のものを使用するか、フェリーの部屋割りでどちらにするか揉めたという。「自分自身から逃げられない」そう感じた彼の原体験を紹介した。
また、LGBTとは何か、SOGIとは、という基礎知識の部分から、プライベートで、ビジネス上でどうLGBTが関係してくるのかを説明し、LGBTの存在が身近にある、ということを紹介した。
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東京レインボープライド共同代表の杉山氏と山縣氏
LGBT施策の反響があった企業のパネルトーク
その後には、これまで東京レインボープライドでスポンサーとなっていた企業のパネルディスカッションが行われた。ライフネット生命、丸井グループ、資生堂、ウィーン在日代表部が登壇した。
昨年末、先陣を切って生命保険の第三者受取を可能にしたライフネット生命の岩田氏は、実際に多くの問い合わせを受け、加入・検討をする当事者もいたという。
「これまでそうしたニーズを見落としていたということを痛感した。生き方の選択肢として、こういったサービスがあるということを当事者の方に知って欲しい。」と話した。
丸井グループは、2016年の東京レインボープライドに合わせて、渋谷MODIのデジタルサイネージを虹色に変え、パレードの通り道でもあったため、大きな注目を集めた。
登壇した丸井グループCSR部門の井上氏は、「OUT IN JAPANの展示を店舗で企画した際に、OUT IN JAPANの参加者がその展示を見て『こんな場所で掲載してくれるなんて、感激です。マルイ メンで買い続けます』と仰っていただけました。」と、話した。
また、様々なニーズに応えるために始めた、幅広いサイズを取り揃えた「ラクチンシューズ」がトランスジェンダーの当事者から支持され、人気を博しているのだそう。
27cmのパンプスや22.5cmの男性向けビジネスシューズまであるという。それについて井上氏は「思わぬところからニーズが発掘され、少しずつ認識されてきている。徐々に取り組みの効果を実感している。」と話した。
また、これまでの3年間東京レインボープライドにてトップスポンサーであったチェリオからも4名のスタッフが訪れており、話を聞いた。
3年前といえば、まだ渋谷区のパートナーシップ証明書もなく、LGBTという言葉すら馴染みのなかった日本。東京レインボープライドでも、日系の企業よりも、外資系の企業の協賛が目立っていた。
そんな中、チェリオの代表取締役の菅氏は東京レインボープライドの共同代表である杉山文野氏の学生時代の同級生であったという。それがきっかけで杉山氏が菅氏に話を持ちかけた際に「日本の企業が頑張らなくてどうする。」と、その鶴の一声からこれまで3年間トップスポンサーになり続けている。
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当日会場に訪れていた、株式会社チェリオコーポレーションのスタッフ達
10万人を目指す2017の東京レインボープライド
来年の東京レインボープライドの動員予定は10万人ということを予定していると発表した。アジア最大の台北プライドパレードの今年度動員数が8万3千人であるとの発表があったため、もしこれが実現すれば、TOKYO RAINBOW PRIDEがアジア最大のパレードということになる。
日本がアジアのLGBTを牽引する国になる日が来るのかもしれない。