「台湾に住みたい!」あなたにピッタリなのは、どの方法?
数々の「海外旅行先ランキング」でトップに選ばれるほど、今や日本人の間で人気が根強い台湾。蔡英文新総統が誕生したことで「これまで以上にゲイフレンドリーな環境が整うかもしれない」という期待も高まっています。「台湾で暮らす」ことに、興味を感じている方もおられるかもしれませんね。
では、実際に台湾で生活を始めるにはどうすれば良いのでしょうか?今日は「台湾での新生活」へ踏み出すための6つの方法(前編)をご紹介したいと思います。
1.「駐在員」として暮らす。
台湾に限らず「海外に住む」となると、誰もが真っ先に思い浮かべるのは「駐在員」ではないでしょうか。
日本や外資系の会社の社員、あるいは政府系職員として、海外へ派遣されて仕事をする人のことを言いますよね。駐在員なら現地で仕事をし、収入を確保しつつ生活することが可能です。また、お給料は日本水準の基本給+各種手当でもらえますから、台湾だとかなりハイクラスな生活を送れます。その上、現地での家賃や日本への一時帰国費用など、他にも会社からサポートが豊富。
金銭面でのメリットは、間違いなく駐在員が一番でしょう!
しかし、駐在員は「激務」です。
20代後半や30代の若い人でも、現地ビジネスの「管理者」クラスはざらにいます。会社の都合で海外に派遣されているわけですから、ビジネス上の要求があれば「深夜」も「週末」も「祝日」も関係なし。僕の周りの駐在員の方を見ていると、みなさんとにかく「仕事最優先」で生活されている印象ですね。
さらに言えば、そもそも駐在員になるのは「狭き門」かつ「運」も関係します。社内の熾烈な競争に勝ち残り、海外駐在のチャンスを見事手に入れたとしても、赴任する国を決めるのは会社側。
中国語が話せるからといって、「台湾」とは限りません。「中国大陸」かもしれないし、「マレーシア」や「シンガポール」かもしれない。いつ日本に引き上げるか、あるいは別の国への赴任になるかも会社の決定次第です。
実際に、現在台湾に住んでいる駐在員でも「台湾が良いから来た!」という方はほぼ皆無。「台湾に住みたい!」→「駐在員を目指す!」は近道なようで、意外と遠回りな方法なのです。
2.「投資家」として暮らす。
台湾には「投資ビザ」というものがあります。これは要するに「台湾市場に資金を投入して、経済発展に貢献している」と認められた人が使えるビザですね。投資と一口に言っても、一体どれくらいが必要なのでしょうか?
台湾経済部の規定によると、
外國人來華投資經核准後,於各該投資事業已實行股本投資達20萬美元以上者,得申請核發2人。
「外国人は台湾での投資を認められた後、該当する投資事業に20万米ドル以上の資金を投入した場合、2人までビザを申請することができます。」と書かれています。
20万米ドルというと…約2,300万円! ※1ドル=116円で計算(2016年1月現在)
会社経営に成功しているオーナーさんや大企業OBならともかく、ましてや20-30代の一般人レベルでこの金額となると… 残念ながら、あまり現実的な方法ではないようですね。
3.「起業家」として暮らす。
では、台湾で「起業する」場合はどうでしょうか?まず、外国人が台湾で「起業ビザ」を取る場合の資本金に関して。
政府機関の公式な資料は見つかりませんでしたが、台湾の各会計事務所の見解では有限会社で「50万元以上」とされていることが多いようです。
また、ビザの有効期限に関しては、台湾経済部の規定にこう書かれています。
外國人申請創新創業居留簽證,首次申請居留期間最長為一年,在臺事業符合下列條件之一者,得申請展延,並依附表所定資格條件之應備文件向內政部申請,由內政部轉請經濟部投審會審查,每次展延期間不得逾二年:
1. 最近一年或最近三年平均年營業收入達新台幣三百萬元以上。
2. 最近一年或最近三年平均年營業費用達新台幣一百萬元以上。
3. 聘僱全職臺籍員工數達三人以上。
4. 其他足資審核之營運實績,並經目的事業主管機關認定對國內經濟發展有貢獻。
重要なところだけまとめてみると、最初に交付されるビザの有効期限は最長1年で、延長する場合は
1. 1年間の営業収入あるいは3年間の営業収入の平均が300万元以上
2. 1年間の営業費用あるいは3年間の営業費用の平均が100万元以上
3. 台湾人の正規雇用社員が三人以上
4. その他、台湾国内の経済発展への功績が認められた時
の、いずれか一つを満たせば一回の申請につき最長で2年間のビザ延長が認められます。
つまり、資本金50万元(=約175万円)を用意した上で、1年間の営業収入300万元(=約1,050万円)を達成する必要がある、ということです。※1元=3.5円で計算(2016年1月現在)
資本金はクリアできるとしても、会社設立1年目にして1,000万円の営業収入となると、かなり周到なビジネスモデルが必要になるでしょう。難易度は高いですが、実際に台湾で起業して活躍されている方は何人もおられます!「4. その他」に含みを持たせているあたりにも、可能性が感じられますね。
日本や他国で、すでに個人でビジネス展開をされた経験のある人ならば、検討する価値は十分にあるかもしれません。
「台湾で暮らす」ってハードル高すぎ?諦めるのはまだ早い!
今日は「アジアNo.1のゲイフレンドリー国・台湾で暮らす6つの方法」前半3つ目までをご紹介しました。実現可能性で言うと、「起業家」≧「駐在員」>「投資家」というところでしょうか。
ただ、普通に日本でサラリーマンをしながら台湾行きを考えている人にとっては、どれもハードルが高いですね…台湾でオープンゲイとして生きるなんて、やっぱり「夢のまた夢」なのでしょうか…
いや!ここで諦めるのはまだ早い!
社内でエリートになれなくても、2,000万円持っていなくても、会社を起こす自信がなくても、誰でも挑戦できる方法あるんです!それは、次回(後編)でお話ししたいと思いますので、ぜひともお見逃しなきよう!
※記事中でご紹介している情報は2016年1月現在のものです。規定等は変更になる可能性もありますので、実際にご検討の際には台湾経済部ホームページをご参考ください。