学生企画イベント 「MEIJI ALLY WEEK」
2015年12月、明治大学の2つのキャンパスで、アライに焦点を当てたLGBTイベントが開催されました。主催したのは明治大学情報コミュニケーション学部ジェンダーセンターと有志の学生からなる実行委員会。12/7〜12/11の一週間、「LGBTについて、よく知っているわけじゃないけど、キライじゃない」という、いわばプレ・アライの明治大学生に向けてPRイベントを行いました。
今回はウィーク中に開催された2つのメインイベントの詳細と、その目標についてレポートします。
「Be an Ally !」をSNSでシェアする「Ally in White」
白いマフラーや帽子を身につけて撮った写真をTwitterに投稿する「Ally in White」は、12/10、12/11両日に行われた学生参加型のイベントです。参加者は思い思いのポーズをとったり、「ALLYになろう」と書かれた看板を持って写真を撮ります。
SNS等に「アライである」「アライになりたい」という意思を表明してもらうことで、「アライ」という概念を広めながら、LGBT当事者の学生に「あなたは一人じゃない」というメッセージを伝える狙いがあります。
会場には「LGBTとは」「アライになるには?」といった基礎的な知識を紹介するブースが設置された他、参加者には景品のエナジードリンクと共に、キャンペーンの概要が説明されたリーフレットが手渡されました。
中には「(LGBTやアライについて)初めて知ったけれど、これからは自分でも考えてみたい」とコメントする学生もおり、授業や時事用語としてではなく、もっとカジュアルに「LGBT」について考えるきっかけとして一役買ったイベントとなったようです。
性別にとらわれない「私らしさ」を考える「Gender Gradation Fashion Show」
12/10に明治大学駿河台キャンパスで開催されたGender Gradation Fashion Showは、「ファッション」という切り口から「自分らしさ」を改めて考えてもらうことが目的のファッションショーで、当日はLGBT当事者+アライの5名のモデルがランウェイを歩きました。
前半はモデル自身による自らのセクシャリティやファッションへの考えをまとめたドキュメンタリー、後半はショーと関係者のトークセッションからなる1時間程度のイベントで、会場はほとんど満席。お披露目された衣装は5着とそう多くなかったものの、ひとつひとつがモデル自身の横顔と重なり、色濃いメッセージ性を持って客席へ迫りました。
トークセッションでは衣装のデザイン・製作担当の竹谷侑林央さん(文化学園大学3年)による解説のほか、実行委員会代表の松岡宗嗣さんと同教員委員の田中洋美さんがMEIJI ALLY WEEK開催の経緯を語る一幕がありました。
どうして今、「アライ」なの? ——MEIJI ALLY WEEKが目指す「アライ」の形とは
「『LGBT』や『アライ』といった横文字を積極的に使っていくことには批判の声もありましたし、『LGBT対アライ』という構図によって、むしろ差別化が進んでしまうのではないかという心配もありました」
と田中さんは語ります。
「でも、このイベントではアライのキーカラーとして用意された『白』を、実行委員内の当事者の学生も身にまとっていて、『この人はアライ、あの人は当事者』なんて区別はしていないんです」。
松岡さんは、このイベントにおける「アライ」について、次のように話してくれました。
「LGBT当事者だって、別の誰かの『アライ』になれる。ゲイはレズビアンやバイセクシュアル、トランスジェンダー、異性愛者、更にはもっと他の人達の『アライ』にだってなれるかもしれない。MEIJI ALLY WEEKが提案する『アライ』は、そういう存在です」。
そもそも「アライ」という言葉には厳密な定義はありません。自分と違う個性を持つ誰かを認め、一緒に歩める人。「誰もが通いやすい大学に」というコンセプトの裏には、そんな「アライ」の新たな定義があったのかもしれません。