男性へのレイプの存在を見落とさないで
The Independentで、英国に住むディーン・イーストモンド(Dean Eastmond)という男性が3年前にレイプを受けたときの話を共有している。彼は、この話を多くの人に知ってもらうことで、男性へのレイプの問題が少しでも可視化されれば、と願っている。
仕事仲間だった友人男性
ロンドンオリンピックが開催された2012年当時、イーストモンドは16歳だった。
「僕の出身地であるウェイマスという小さな古い街で、セーリング競技のイベントが行われた。…僕はオリンピックの案内係をすることになり、アスリートやその仲間たちに食事を出していた。最初の仕事にしては悪くなかったと思うよ。」
その仕事をしていく中で、イーストモンドは彼よりもいくつか年上の、ある男性と友達になった。
「僕たちは毎朝同じバスで仕事に向かっていた。
彼は、見た目にしても振る舞いにしても、とても素敵な男性だった。いつも笑っていて、ほかの仲間たちからも好かれていた。僕は恥ずかしがり屋で内向的な少年だったから、友達として彼を尊敬していたんだ。」
友人に襲われる
イーストモンドに遅番の仕事が入っていた夕方、その友人は、イーストモンドが仕事に行く前に、部屋に行ってもいいか?と誘ってきた。イーストモンドは何も考えずに「いいよ」と答えたという。
「気づかぬ間に、僕のズボンは下ろされ、彼は僕の上にいた。
思い出せるのは痛みだけで、僕を襲った激しい恐怖のせいか、視界は徐々にぼやけていった。」
そんなことがあった後でも、彼はなんとか仕事に向かったという。
「僕は仕事に行くため家を出たけれど、彼はまだ僕の部屋にいた。
仕事から帰ってきた時に、自分の部屋にまだ彼がいるかと思うと恐ろしかった。この悪夢は、何週間も僕の頭から離れなかった。」
事件から3年経った今も
3年後、イーストモンドはいまだに「はっきりとはわからない恐怖の感覚があったり、相手を信じることができなかったり、卑劣になったり苦痛を感じたり」するという。この出来事について、彼が両親や警察に伝えることはなかった。
彼は誰にも助けを求めることができなかったのだ。
「ゲイだということがばれて、拒絶されるのではないかと思った。馬鹿らしく聞こえることくらいわかってる。でも、僕が考える限りでは、レイプにあった人はみんなそうじゃないかと思うんだ。」
男性へのレイプ問題
Rape Crisisという団体の統計をによると、イングランドとウェールズでは、年間1万2千人ほどのレイプ被害者が出ているとイーストモンドは言う。
彼は、男性へのレイプの問題にもっと取り組んでいくべきだと主張する。男性のレイプ被害者の98%はその事件を報告していないということを強調し、「そして僕もその数に含まれている。」と彼は付け加えた。
「僕は正しいことをしていると思っているから、話している。
…男性のレイプについて、もっと、そして今すぐに語っていく必要があるんだ。」
イーストモンドはこの話をシェアすることで、少しでも変化が起きればと願っている。