女装用にワンピースを買ったけれど、サイズが合わない。
胸をつぶすためのナベシャツが、どれもしっくりこない。
トランスジェンダーなどLGBTの人が抱える、さまざまな洋服の悩み。お直し店に出そうにも、異性用のモノだと「これは、自分用で……」とは言い出しづらいですよね。
“嘘”をつかなくていい、誰でも気軽に使えるお直し専門店
そんな悩みを解消する、LGBTも気軽に使えるボーダーレスなお直し専門店あります。一般向けのお直しで実績を持つアン・コトンが今年9月から開始したサービス「MADAM M」です。
「MADAM M」は、世界中を飛び回り、さまざまな人の悩みに耳を傾ける謎の人物。「普通は〜」「男は〜」「女は〜」という価値観にとらわれることなく、お直しの腕をふるいます。
ファッションはその人のアイデンティティとも言えます。嘘をつかずに直せる、つまり“自分らしく生きる”ことを、「MADAM M」はサポートしてくれるのです。
お直しはネット上で完了する
「MADAM M」の特徴は、ネット上でお直しが完了すること。「ワンピース編」「ボトム編」「シャツ編」など、種類別に解説動画が用意されてるので、自分自身で採寸する際もスムーズです。形が変わったものなどは、メールでも相談可能です。
その後は洋服を発送。料金・納期を承諾したのちに加工に入ります。より慎重に直したい人に向けては、しつけ糸で縫う「試し留」をして、いったん返送し、確認後に加工に入るコースも用意されています。
実家暮らしやルームシェアで、荷物を受け取れない……という人のために、ヤマト運輸営業所止め、アン・
また、
丁寧にやりとりし、お直しをしていく
実際に同店を利用し、ライダースジャケットのお直しをした男性は、こう語ります。
「前に付き合っていた彼氏の家に忘れ物を取りに行ったら、『着ないでそのままにしていたライダースジャケットがあるから、あげるよ』と譲り受けたんです。でも、彼は190cm近くの高身長。自分は172cmくらいなので、そのままだとブカブカで。そこで、『MADAM M』にお直しを頼むことにしました」
「MADAM M」がお直しに入る際は、まずライダースの生地がミシンで縫える厚さのモノであることを確認。どのように直すかを考えるために、「普段からライダースを着るかどうか」などを丁寧に質問し、お直しを進めていきました。
仕上がりは2週間後。男性は「あんなにブカブカだったのに、ぴったりの仕上がりになっていて感激しました」と話します。
「彼からもらったもの以外にも、何回かライダースを買ったことがあるのですが、いつもサイズに違和感を感じていて。ライダースを取り入れたスタイルは大好きなのに、なかなかデイリーユースできなかったんです。身幅が大きすぎたり、袖が長すぎたり……。でも今回お直ししていただいて、しっくりくるライダースが手に入りました」
「MADAM M」を立ち上げたアン・コトンは、「この事業を通じて、LGBTの方の困りごとを解消していきたいと思っています」と語ります。タンスのなかに眠っている洋服がある方は、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか?
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「MADAM M」