ウィリアム王子がLGBTの権利について言及
9月21日、ウィリアム王子は英国の学校に視察訪問。そこではLGBTへの虐めと、ネット上での虐めを防止するための授業が開かれており、ウィリアム王子が、英国史上初めてLGBTについての自身の意見を語った。LGBTの権利に関して意見を王室の人間が話すのは、イギリス王室史上初めてのことだ。
ウィリアム王子の視察訪問
ウィリアム王子が学校に視察訪問をした際、そこではLGBTへの虐めや、インターネット上での虐めにどう対応するかということが授業で行われていた。ある時、生徒たちが「LGBTへの虐めにあなたはどう対応するか?」という質問を受けた。ウィリアム王子は、周りの人が何と言ったとしても、最後までLGBTを助ける側に周り、ホモフォビア(同性愛嫌悪)に立ち向かうと述べた。またある生徒が、「私はホモフォビア(同性愛嫌悪)と立ち向かう」と意見を言った際に、ウィリアム王子は「この子が言った通り、私も(ホモフォビアに)立ち向かうだろう」と述べた。
LGBTについて沈黙していた英王室
英国王室は様々なチャリティーに参加しているが、LGBTの権利について言及したことはこれまでなかった。これには2つの理由がある。
1. イギリス連邦の国民の90%は反同性愛法の下で生活している
イギリス連邦はイギリス本国を含むが、様々な国を含んでいる。
イギリス連邦とは、かつてのイギリス帝国(大英帝国)がその前身となって発足し、イギリスとその植民地であった独立の主権国家から成る、緩やかな国家連合(集合体)である。
よってイギリス連邦の中には、カメルーンやケニア、タンザニアなどといったアフリカの国々、インドなどの国も含まれており、イギリス連邦では反同性愛法の下で暮らしている市民が大半なのである。
2. イギリス王室はイギリス連邦のトップに君臨する
イギリス王室は、イギリス連邦全体の中でトップに君臨する人々だ。イギリス連邦市民全体の90%が反同性愛法のもとで生活しているため、同性愛に関して発言することをイギリス王室はずっと避けてきていたのである。未だかつて、イギリス王室で同性婚を支持するなどと発言した人はいない。
イギリス王室とイギリス連邦のこれから
たとえウィリアム王子の放った言葉は小さい一言だったとしても、その一言には未来の王室、そして未来のイギリス連邦がどうなっていくのかという意味で重要な意味を持っている。
ウィリアム王子はイギリス王太子チャールズの長男であり、イギリス女王エリザベス2世の孫で、父のチャールズに次いで王位継承順位第2位の地位にある。彼は、彼自身がいつかイギリス王になった時に、イギリス連邦の国々にある反同性愛法に立ち向かう王になるかもしれない。