英国ではありえない日本のLGBTへの差別
先日、英国王室にてシャーロット王女が生まれましたね。実はLetibee のオフィスにも、英国からやってきた英国人の方が遊びに来てくれました。スコットランドで生まれ育ち、ロンドンでエンジニアとして生活した経験のある彼は、日本でのLGBTの現状を聞き、日本と英国ではLGBTの権利がこんなにも違うのかと、驚いたといいます。
1. LGBTカップルの子育てが、当たり前ではないこと
英国では同性婚が認められており、日本では認められていないこともそもそも驚きだったそうですが、LGBTにとって子どもを育てることが難しいことも、驚いたそうです。日本においても子どもを育てて生活している同性カップルはいますが、まだまだそういったカップルは「当たり前」と言えるほどたくさんいる状況ではありません。LGBTカップルにとって養子を授かることや、里親になることは、現行の制度上では実質ほぼ不可能になっているため、精子提供などで子どもを妊娠・出産することで子どもを授かる位しか方法がありません。ゲイカップルとなると、出産ができる人がいないため代理出産をお願いすることになりますが、日本では代理出産はかなり厳しいと言われています。また、「LGBTのカップルに育てられた子どもは周りからいじめられるのではないか」という懸念の声も、LGBT当事者から聞きます。日本では、なかなかLGBTカップルとして子どもを育てることは現在では未だ難しいのではないかと思います。
この話を聞き、英国人の方は「ゲイだからっていう理由で子どもを育てられないなんてびっくりだ!日本って、ゲームだとかテクノロジーだとか、いろいろと世界的に進んだものがたくさんあるから、文化的にも進んでいる国だと思っていた。」と言っていました。
2. LGBTカップルにとって、家を見つけることが簡単ではないこと
日本において、LGBTカップルが賃貸するための家を見つけることは簡単なことではありません。20代同士なら「大学時代の友達」、30代なら「会社の同僚」などでごまかせると聞きますが、40代にもなると大家さんに「なぜ2人で暮らすの?」と聞かれた時にうまくごまかすことが難しいと言われています。また、女性同士のレズビアンカップルの方が「綺麗に使ってくれそう」という理由で、男性同士よりも物件を見つけやすいとも言われています。この話を聞き、英国人の方は「It’s crazy!(狂ってる)!」と言っていました。
3. LGBTであることを理由に解雇されるケースが存在すること
ゲイやレズビアンなどといった性的指向がストレートと違うセクシュアルマイノリティは、周りにセクシュアリティを隠すことができます。しかし、トランスジェンダー(性別違和※1)やインターセクシュアル(半陰陽※2)の方は身体的性別や性自認に関わるため、周りにセクシュアリティを隠すことがなかなか難しい方が多いと思います。日本には、トランスジェンダーであることを理由に入社面接で奇異な目で見られることや、入社後に解雇に追い込まれることもあると聞きます。
イギリスを始めとしてヨーロッパ諸国では、セクシュアリティを理由として解雇や雇用をすることを厳しく禁じており、特に採用の際には細かな所まで客観的な基準をもとに採用をしないと、雇用主はペナルティを受けることになるのだと、英国人の彼は言います。まして、トランスジェンダーであることを理由に従業員を解雇に追い込むなどといったことは、信じられないことだと彼は言います。
「日本って、ゲームだとかテクノロジーだとか、いろいろと世界的に進んだものがたくさんあるから、文化的にも進んでいる国だと思っていた。」という言葉は、先進国として何か悔しさを感じますね。
※1 性別違和…身体的性別と性自認が一致していない人。
※2 半陰陽…身体的性別が男性と女性の中間に位置する人。