第24回東京レズビアン&ゲイ映画祭で上映された「あかぎれ」
「カミングアウト」の犬童監督の最新作「早乙女4姉妹」の公開を記念して、今年の東京レズビアン&ゲイ映画祭でも上映された「あかぎれ」がもう一度上映されます。実は「あかぎれ」、第26回香港レズビアン&ゲイ映画祭でも上映されているんです。今回は犬童監督に、香港の映画祭の様子をインタビューしました。
「香港L&G映画祭の規模と熱気におどろき」
– 東京と香港、それぞれの映画祭の違いなどはありましたか?
映画祭の歴史は香港の方が2年間長く今年で26年目だったのですが、それだけあって規模は非常に大きかったです。海外からのゲストも多数おり、なにより会場がシネコンを使っていた事に驚きました。特にオープニングセレモニーを行ったシアターはキャパシティも非常に大きく、動員も凄かったです。
あかぎれのQ&Aは滞在期間中は1回のみだったのですが、日本よりもタイトルについての質問が多かったように思います。後は、男性と女性が両方とも年上なのは何か理由があったのか?等の質問がされました。
平日の夜に100人、日本語で質問してくれる人も
-現地での作品の反応はどうでしたか?
平日の夜の『カミングアウト』の上映回は100人近くの方が来てくれて、非常に熱がこもっていました。質問も多く、途中で時間切れになってしまうくらいでしたね。日本語で質問をしてくれた女性大学生がいて嬉しかったです。質問内容で多かったのは、家族の反応についてでした。
「なんであんなに神妙な雰囲気になるんだ?」
「親はなぜ怒らないんだ?」
などといった、日本では一度も聞かれなかった質問があったのは、非常に興味深かったです。英会話があまり得意ではなかったので、観客をはじめ、他国の監督や役者とコミュニケーションが満足に取れなかったのが悔しかったです。次に海外の映画祭に行く機会があった場合には、もっと英語を上達して臨みたいですね。
『あかぎれ』は、実は知人の実体験を基にした物語
– 「あかぎれ」はバイセクシャルの女性が描かれていますが、どういう思いでそのテーマを選ばれたのですか?
『カミングアウト』に関しては、元々LGBTをテーマにしようと思って企画をしたわけではなく、「自分自身と向き合うこと」を描こうと思い、行き着いたのが同性愛者のカミングアウトでした。
※『カミングアウト』に関しての詳しいインタビュー:会社員から映画監督に!犬童一利『カミングアウト』制作秘話
『あかぎれ』に関しては、実は知人の実体験を基にした物語でして、その知人から企画を相談されて、一緒に脚本を書いて作りました。俗に言う、自主映画でしたが、東京や香港の映画祭で上映頂けたり、今回『早乙女4姉妹』との同時上映の機会も頂けて、大きいスクリーンで観て頂ける機会が増え、光栄です。
同じ目線で常に接してくれた、イジリー岡田さん
– 今回の新作『早乙女4姉妹』ではイジリー岡田さんが一切笑いなしで演技に挑まれているとのことですが、現場ではどのような方でしたか?
非常に物腰が低く、信じられないくらい優しく謙虚な方でした。キャストやスタッフは自分も含め、圧倒的に年下が多かったのですが、同じ目線でいつも会話してくれました。4姉妹との仲も本当の家族の用に仲良く、皆、イジリーさんが大好きでした。お笑い的な要素はほぼない役でしたが、現場ではいつも皆を笑わせてくれるムードメーカーでした。
『あかぎれ』1日限定再公開予定
犬童一利監督長編最新作の『早乙女4姉妹』との同時上映という形で、10/19(月)10:00〜 渋谷のユーロライブにて上映されます!
『早乙女4姉妹』公式HP:http://www.
また当日の鑑賞料金が1500円になる予約サイトもオープンしているので要チェック!
『あかぎれ』の作品詳細:http://tokyo-lgff.org/2015/schedule_program/crack_starting-over
画像引用元:hklgff