Q. 海外移住するにはどうすればいいの? | 僕の旦那はドイツ人

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僕の旦那はドイツ人

僕のパートナーはドイツ人なので、ドイツでパートナーシップをして現在はベルリンに住んでいます。
ドイツのパートナーシップ制度(正しくはライフ パートナーシップ法)は異性愛者の結婚と同等の権利が約束された同性カップル専用の制度で、2002年に施行されました。なので、同性カップルも異性カップルと同じように暮らすことができます。(ドイツのパートナーシップは結婚と呼び方が違うだけで、結婚と同等の法的効力があります。)

さて、日本人男性とドイツ人男性がドイツで同性婚をする場合、どのようにすれば良いのかみなさん知っていますか?今回は僕たちが経験したドイツでのパートナーシップの手続き方法の日本での準備編をご紹介したいと思います。

1. まず必要書類を集める

日本で必要な書類は2つ

  1. 戸籍謄本
  2. 婚姻要件具備証明書または独身証明書

と呼ばれるものです。
“婚姻要件具備証明書または独身証明書”は2002年以前は結婚する相手の性別を記載する欄がありませんでしたが、2002年に改正され、日本人が外国で同性婚をする事を防ぐため、結婚相手の性別を指定する欄がありました。そのため、日本人は同性婚を認めている海外の国でも同性婚ができなかったのです。ところが、2009年に相手の性別を記載する欄がなくなり、日本法では同性婚は認められていませんがこの証明書を使って該当者が独身であることを海外で証明できるようになり、今では同性婚をすることが可能になりました。

また、結婚相談所などへ登録する際にもこの証明書の提出を求められるようなので、役所で海外で同性婚をするというのが恥ずかしい方は結婚相談所へ提出するためと理由を告げるのもいいと思います。

2. 自治体などが発行した証明書に対する外務省の証明をもらう

その後、(日本の)外務省へ行き「アポスティーユ」という付せんを戸籍謄本と独身証明書に付けてもらいます。これは日本以外の国に対して、日本で発行された証明書が正しいものであることを日本の外務省が証明しますという証となる、大切な付せんです。これを付けてもらう事で海外でも認められる証明書になります。

3. 証明書の翻訳と、翻訳の確認

外務省からアポスティーユを戸籍謄本と独身証明書に付けてもらったら、今度は書類の翻訳作業です。ドイツの場合はドイツ大使館のホームページへ行くとドイツ大使館指定の翻訳者リストがあるので、その中から翻訳者を選び翻訳をお願いします。郵送で対応してもらえます。

翻訳が届いたら、今度は全ての書類を持って、日本にあるドイツ大使館へ行き、翻訳内容が正しいことを証明してもらいます。これには手数料がかかり、僕の時は1部25ユーロでした。戸籍謄本と独身証明書の2つあったので合計で50ユーロでした。

ドイツと日本

僕の知り合いでイギリス人と同性婚をした方がいます。その方は日本にあるイギリスの大使館で婚姻の手続きを全てすることができました。なので、全ての手続きを日本にいながらできたのです。これはビザの事が全てクリアになってから出発する事が出来るのでとても安心ですよね。

僕がアメリカへ留学した時も、日本でアメリカ大使館へ学生ビザの申請をして全て準備が整ってからの出発だったのでどこの国でも出発前に全て申請をしてビザがもらえる事が分かってから出発するのが通常の手続きだと思っていました。

ところがドイツの場合、日本にあるドイツ大使館で婚姻の手続きができないのです。同性婚だからというわけではなく、異性愛者の方がドイツで結婚する場合も同じです。婚姻届けの他にも、学生ビザの申請もできないのです。(ワーキングホリデーは日本国内の大使館でのみ申請が可能です。)
これはドイツに来てから気づいたのですが、ドイツでは日本国パスポート保持者にとても寛容です。婚姻手続きもとてもスムーズに進みましたし、働けるビザもすぐに出してもらえました。
他国の出身者、例えば僕の友達でドイツ人女性と結婚したニュージランド人男性は僕たちと同じように海外(彼らの場合はニュージランド)で知り合い、ドイツで結婚をしましたが、すぐに働けるビザはもらえず、ドイツ語のクラスを全て受講してからでないとビザがもらえないと嘆いていました。
移民局の方に話を聞くと、日本はドイツ以上に健康保険や低所得者への助成金など国のサポートがしっかりした国であり、そういうものを目当てにドイツに来る人がいないからだということでした。近年、ドイツでは他国からそのような助成制度を目当てにドイツ人と結婚し、3年後には意図的に離婚、そのままドイツに居座り働きもせずドイツの国から援助を受けながら暮らす人が増えているため、移民局ではそのような事例を減らすように取り組んでいるようです。そのため、出身国によってビザの配給対応に違いがあるようです。
日本から留学のためにドイツへ来る人へも基本的に学生ビザが出さない事がないので、ドイツに来てからの申請となっているようです。ドイツ語は難しいですが、日本人にとても優しいドイツの移民局。
この利点を利用して、たくさんの日本人がドイツに来てくれれば、日本とドイツがもっと近くなってくれるような気がします。

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画像出典:Germany flag

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ABOUTこの記事をかいた人

高校、大学の6年間をアメリカで過ごしたあと、2004年5月に日本へ帰国。働き始めると同時期に、今のパートナーと日本で出会い、すぐに同棲生活をスタート。 パートナーの出身国であるドイツでは同性婚(正式名所はパートナーシップ)が可能なことから、将来を考え、ドイツへの移住を決意。同棲から10年が経った2014年12月にドイツにて、パートナーシップを行い、 現在は新しい家族(ラブラドール レトリバーのメス)と共にベルリンで暮らす。