同性愛嫌悪と精神異常に強い相関性
The Journal of Sexual Medicine という医療ジャーナル誌が驚きの調査結果を報告した。ホモフォビア(同性愛嫌悪)と精神異常には強い相関性があるということが判明したというのだ。
500人の18~30歳の学生を対象としたテスト
イタリアのローマの大学の研究チームによると、パーソナリティの面における適応障害と、ホモフォビックな態度には顕著な関連性があったのだという。彼らは18歳から30歳までの500人の学生を対象に調査を行った。調査では、以下の4つの点に関して、それぞれ計測した。
- ホモフォビックのレベル
- 精神的疾患の兆候の強さ
- 自己防御をするにあたりどのようなメカニズムが働くか
- どのようなアタッチメントスタイルを持つか
※アタッチメントスタイル:人がどのような愛着スタイルを持つかということ。以下の4つのいずれかに分類される。
精神的疾患の兆候が強い人に、ホモフォビックの傾向
研究チームはこの実験を通じて、被験者である生徒たちから、精神的疾患のレベルに関してスコアの高い人ほどホモフォビックのスコアも高いということがわかった。このことから、同性愛嫌悪的な態度は、精神的に病的な特質を持ったパーソナリティから生まれているという可能性が浮かび上がったのである。
サイコティシズム(精神病質傾向)は、怒りや攻撃的な状態を引き起こしてしまう、深刻な精神状態だ。さらに研究チームはこう語る。
「私たちのこの調査結果は、ホモフォビア(同性愛嫌悪)は精神病なのではないかという議論に沿ったものとなりました。長い歴史の中で同性愛は病気であると言われてきましたが、私たちは初めて、同性愛嫌悪の方こそが、潜在的に、深刻な精神病理に関係した本当の病気かもしれないということを示したのです。」
相関関係と因果関係は違うことに留意
記事でも書いてあるように、精神病的な兆候が高い人ほどホモフォビックの傾向があったからというのは、”相関関係があった”のであって”因果関係があった”わけではない。母数は500人で、かつ18歳〜30歳というサンプルであることもあり、この調査結果があったからといってホモフォビック=精神病 と断定することは危険である。今後の研究次第では、真逆の結果が出る可能性もある。ただ、今後の精神病理学の研究の結果次第によっては、ホモフォビック=精神病 と断定され、ホモフォビア(同性愛嫌悪者)が精神科を受診しなくてはならない日が来るのかもしれない。
画像出典:Do you object to being labelled ‘homophobic’ when you are actually just ‘homosceptic’?