病気の人とは付き合えない|私がHIVに感染した原因21

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仕事を退職した後に

仕事を退職せざる負えなくなってしまった僕は退職後、毎日のように2丁目にいました。

どうして……自分に正直に生きようとしただけなのに。

ゲイもノンケも関係ない。病気への偏見はどこにもある、それはいつまでも付いて回るんだ。

それに気づかされてから、何もする気が起きませんでした。

しかし働かないと生きてはいけない。

そのため、友達の紹介で居酒屋で働くことになりました。

 

カミングアウトをせずに働く

居酒屋で働きだしましたが、自分のことは一切隠した状況で働いていました。

ゲイであること。

HIVであること。

何もかも、隠した状況での就業でした。

話したところで、理解があるかもわからない。

紹介してくれた友達に迷惑がかかるかもしれない。

色々な思いが交錯していました。

 

仕事になれたころ、近所に新店舗が出来、そちらに何度かヘルプで手伝いに行っていました。

その中にとても愛くるしい太目の方がいました。

何度かお手伝いに行き、ご飯を食べに行くことになりました。

彼(Sさん)は僕と友達がゲイであると見抜いており、気兼ねなくご飯が食べれました。

連絡先も交換し、Sさんの家にも一度ですが、遊びに行きました。

僕のことをSさんも気に入ってくれていて、好きだとも言われていました。

けれども、Sさんにはまだ僕がHIVに感染していることは伝えていませんでした。

Sさんも僕を好きと言ってくれている。

伝えるのは怖い、けども、きっと、今回こそは伝えても問題ないだろう、そう勝手に思いました。

HIVに感染してからの恋はことごとくダメになってしまっていたので、とても勇気が出ませんでしたが、二丁目に飲みに行った際に、勇気をだして告白をしました。

しかし、Sさんからの返事はOKではありませんでした。

『好きだった気持ちが無くなった。付き合うことは出来ない。』

そう伝えられました。

僕としてはたったそれだけのこと。

だけどSさんにとってはそれだけのことではなかったのです。

HIVの何が悪いのか。

僕という人間を見てはもらえないのか。

誰を好きになれば報われるのか。

誰にも好いてもらえないのではないか。

どんどんと人を信じることが怖くなり、恋愛をしても報われないのではないか。

そう考えてしまうことが増えていってしまっていました。

唯一の救いはSさんがそれでも僕との友達付き合いを続けてくれていることです。

そのおかげで、まだ希望があるのではないか。そう思うことが出来た部分はありました。

が、そううまくいくことは絶対にないのでした。

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