労働党党首がエイズについての教育の必要性を訴える
英国の野党・労働党の党首ジェレミー・コービン(Jeremy Corbyn)氏は12月1日、世界エイズデーについてのコメントとして、すべての子どもたちがエイズについてしっかりと学ぶ必要があると発言した。
HIV/エイズについての教育の重要性
HIVとエイズについての関心を高める目的で作られた動画で、労働党党首のコービン氏は、彼が議員として見てきた議会内での変化について話した。彼は1983年に初当選し、その当時のことを振り返った。
「私が30年前に初めて当選したとき、多くの新聞はエイズについての恐ろしい話で溢れていた。…とても勇気のある人たちがエイズは深刻な状況にあることを伝える運動に参加していた。」
また彼は、HIV/エイズの蔓延を防ぐために、教育の重要性を主張した。
「世界エイズデーということで、私たちは社会的な関心を高め、教育を拡充したい。すべての子どもたちに、そしてコミュニティ全体に対しての教育を拡大していきたい。」
世界的な傾向
一方でコービン氏は、世界的に見ればHIV/エイズの問題は改善に向かっているとも考えている。
「エイズの問題がかなり深刻な地域ではエイズを撃退しつつある。それは医療や教育、公衆衛生の政策や政府の方針によって撃退されている。」
「エイズについて私たちに教えてくれた人、そしてエイズを発症している人々がより長く生きて充実した人生を送るために、治療や診断の改善をしていこうと医学の研究を行っている人に対して、感謝の気持ちを伝えたい。
協力していこう、前を向いていこう、そしてなにより、希望を持っていこう。」
そう彼は話した。
ゲイ・バイセクシャル男性の間のHIV感染
パブリック・ヘルス・イングランドによって先月発表された統計によると、現在英国では10万3700人がHIVに感染しており、感染者数が10万人を超えたのは初めてだという。そのうち3万8500人が男性と性行為をする男性だという。
ゲイやバイセクシャルの男性の間ではHIVへの感染が広がっており、2014年には男性と性行為をした3360人の男性がHIVであると診断された。また、6500人のゲイやバイセクシャルの男性が自分がHIVに感染していると知らずにいると推定されている。
また、日本国内ではHIV感染者数・エイズ患者数ともに増加傾向にある。特に、男性のHIV感染者全体に対して、異性間の性行為で感染した割合は22%である一方、同性間の性行為で感染した割合は64%であり(参照:カラダの教科書)、ゲイ・バイセクシャル男性の同性間の性行為による感染が多いことが示されている。
画像出典:Pink News