エストニアで同性パートナーシップ制度が開始
2014年10月に、ソ連から独立した国として初めて同性カップルへもパートナーシップの登録を認める法案を可決させたエストニア。その法律が2016年1月1日、ついに施行された。
しかし、AP通信によると、制度の運用に関する法律がいまだに十分に整備されておらず、エストニア議会はパートナーシップを検討しているカップルに対して、登録時期を遅らせるよう呼びかけているという。
ソ連に占領されていた国としては初
エストニアはバルト海沿岸に並ぶバルト三国のうちの一つであり、1944年から1991年まで、約半世紀にわたってソビエト連邦に占領されていた。以前ソ連に支配されていた国のなかでは最も西欧の影響を受けている国であるといわれている。
エストニアは2014年に、同性カップルのパートナーシップ制度を認める法案を通過させた。これはソ連から独立した国としては初めてのことであった。
エストニアの人権センターは当時、この議会の動きについて歴史的な快挙であると評価し、歓迎する反応を見せていた。
「エストニアは、より自由で平等で、全ての人に対しての人権を尊重する社会へ向け、大きな一歩を踏み出した。」
と、人権センター長のカリ・カスパー(Kari Kasper)氏は語っていた。
財産、相続なども認められる
2014年10月にエストニア議会は、賛成40対反対38というわずかな差で、同性・異性にかかわらず、婚姻関係にないカップルに対してパートナーシップ制度を認める法案を可決していた。この法案は、カップルに対し財産や相続、近親者としての認知などの点で、通常の結婚と同等の権利を認めている。
更にパートナーシップを認められたカップルには、婚姻関係にあるカップルと同等ではないものの、パートナーのどちらかと血がつながっていれば養子として迎える権利も認められることになっていた。
しかし、運用には課題も…
カップルの性別にとらわれずパートナーシップを認めるこの法律は、2016年1月1日から施行されたため、法の上ではカップルはパートナーシップ登録をすることが可能である。
しかし、“離婚”や相続、またその他、制度を導入するにあたって生じる問題に関するの法律が、まだ議会で十分に整備されていないという。そのため、議会はパートナーシップ登録を希望するカップルに対し、法律がきちんと整うまでは登録を控えるようよびかけた。