トランスジェンダー女性を描いた映画「リリーのすべて」
映画「Danish Girl(邦題:リリーのすべて)」でトランスジェンダーの女性を演じたエディ・レッドメインがトランスジェンダーコミュニティのアライになりたいと語った。
トランスコミュニティのアライになりたい
映画「リリーのすべて」で初めて性別適合手術を受けたトランスジェンダー女性のリリー・エルベを演じた俳優エディ・レッドメインが、BBCの人気番組the Graham Norton showに出演した。
彼はトランスジェンダー女性を演じたことについて以下のように語った。
「この物語はとても美しく、役作りの際に私が出会ったトランスコミュニティの人々は信じられないほど心の広い人たちでした。それはとても素晴らしい経験になっています。私にはトランスコミュニティのために何かを語るということはできませんが、アライになるために勉強しています。」
「私はトランスジェンダー女性になるための”方法”をすべて身に着けようとしましたが、身長が6フィート(約182cm)もあるうえに、赤いウィッグをかぶり人々にじろじろ見られるような1920年代の服装をしていたので、どれだけうまく演じることができたかはわかりません。それでも、トランスジェンダーの世界についてたくさん学びました。」
トランスコミュニティからの批判
レッドメインはリリー・エルベ役の演技で高い評価を得た。その一方で、シスジェンダー男性のエディ・レッドメインをキャスティングしたことについて、トランスコミュニティからは批判が寄せられた。
BBCのシチュエーションコメディBoy Meets Girlに出演しているトランスジェンダーの女優レベッカ・ルート(Rebecca Root)は、シスジェンダーの俳優はトランスジェンダーの役を演じるべきではないと語った。彼女は、エディ・レッドメインをほめたたえながらも、彼がトランスジェンダーを演じて人々の注目を集める最後のシスジェンダー男性になることを願っており、トランスジェンダーの役はトランスジェンダーが演じるべきだと考えているという。
多様性やトランスジェンダーについて考えるきっかけに
「リリーのすべて」の監督であるトム・フーパー(Tom Hooper)は、トランスジェンダー役にエディ・レッドメインを指名した理由として、彼に「ジェンダーの流動性」を感じたからだと話す。また、彼はレッドメインをキャスティングしたことで、ハリウッド映画の中で多様性が欠けているという事実を浮かび上がらせることができればと語った。
レッドメインは今回の役を演じてから、トランスジェンダーについて話題にすることが多くなっている。彼は、「リリーのすべて」の上映が、トランスジェンダーについて人々が学ぶきっかけになってほしいと語った。
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