渋谷区同性パートナーシップ条例がグッドデザイン賞を受賞
Good Design Award が、渋谷区同性パートナーシップ条例がグッドデザイン賞を受賞したことをHPにて明らかにした。実はこの件に関して、LGBT当事者たちから批判があがっている。
「なぜ事業主体がカラフルステーションなのか」
Good Design Award を見ると、今回の受賞企業が「カラフルステーション」となっている。カラフルステーションは、認定特定非営利活動法人グッド・エイジング・エールズと、杉山文野氏(写真左から2番目)が経営する株式会社ニューキャンバスが共同運営する神宮前にあるコミュニティスペースで、LGBTに関する情報発信を目的に2014年5月に設立されている。
このカラフルステーションの受賞に関して、批判があがっている。
渋谷区の条例の件でカラフルステーションがグッドデザイン賞を受賞というニュースはちょっと飲み込み難い。
— AKIRA THE HUSTLER (@YKOTKO) 2015, 10月 1
「カラフルステーション」という企業が「渋谷区同性パートナーシップ条例」で「グッド・デザイン賞を受賞した件、公的機関である区議会が制定した条例をネタに私企業が受賞し、そこに区長以下の個人が名を連ねること明らかに「筋が違う」と思うのだが。http://t.co/BFsXM8ftwV — 三橋順子 (@MJunko0523) 2015, 10月 1
条例がどういう経緯でできたか、条例案がどのように作り上げられたかは存じていないが、事業主体・受賞企業とされるカラフルステーションや、歴々の方々が、多大に貢献され、苦労もされたということだろけど、これはおかしすぎる。→ http://t.co/xmlPkb9TBK
— 吉田昌史@なんもり法律事務所 (@yossy_nan) 2015, 10月 1
渋谷区条例を一定評価した人のなかでも、事業主体が「カラフルステーション」ってのには、あきれた人が多いのでは…… — イチカワユウ (@yu_ichikawa) 2015, 10月 2
「パートナーシップ条例がグッドデザイン賞を受賞した」というと一見聞こえは良いけど、実際は「カラフルステーション」なる任意団体が同賞を受賞し、同条例の制定に尽力した渋谷区議員及び渋谷区民は完全無視されてるんだよなあ・・・悲しいなあ・・・
— しいな (@siina_kentaLAW) 2015, 10月 2
登録料等が必要だったとしても、そのことは「カラフルステーション」が同賞を受賞してよい理由にはならないんだよなあ・・・そもそも条例の私物化との批判噴出→信用喪失というリスクを犯してまで取るべき賞なんですかねこれ?(疑問) — しいな (@siina_kentaLAW) 2015, 10月 2
杉山文野氏が本件にSNSにて謝罪
本件に関して、杉山文野氏がFaceboookおよびTwitter にて、謝罪の文面を投稿した。
【「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」グッドデザイン賞受賞について】
「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」がグッドデザイン賞を受賞しました。これは3月31日、条例が可決した後、グッドデザイン賞・審査員の方から推薦の声が上がり、渋谷区へ連絡があったことから始まったものです。しかし、応募者が賞を受賞した際には審査料並びに登録料として約10万円の費用がかかる為、区の税金でこの費用をまかなうことを懸念した担当者の方からご相談を受け、任意団体で応募するという案が上がりました。その際、活動実態のない任意団体での応募ができない為、条例のための勉強会や条例可決のお祝い会を行ったカラフルステーションを応募者とし、渋谷区の同意書と共に応募するという形をとりました。11月4日に賞状を授受し、翌日5日に渋谷区に寄贈する予定となっております。今回の受賞は言うまでもなく、渋谷区、渋谷区議会であり、それを支持した渋谷区民と全国の当事者や支援者の方々です。このグッドデザイン賞の応募フォーマットが基本的には有形物に対するものに合わせた入力フォーマットになっていたため、やむを得ず個人名を記入したことで誤解を招くような形となってしまいました。今回の経緯についての補足説明ができておらず申し訳ございませんでした。今後このようなことがおこらぬよう、深く反省するとともに、不快な思いをさせてしまった方々にはお詫びを申し上げます。これからも皆様のご指導・ご鞭撻のほどどうぞ宜しくお願いいたします。
カラフルステーション 代表 杉山文野
出典:Facebook
さらに批判が噴出
カラフルステーションからの声明テキスト版。 https://t.co/KsgLTANnRp (見ない人は見ない)FBの中で、代表者個人の投稿なので見つけにくいところに。実店舗ページの分類が『社交クラブ』になっててぎょっとしたけどそれはフェイスブックのセンスかもしれない。
— たかさきrep. (@takakei1) 2015, 10月 2
しかし、カラフルステーションが受賞してるんだから、個人ではなくカラフルステーションから公式に経緯説明するのが筋だと思うよ。 — つっちー (@onilez) 2015, 10月 2
グッドデザイン賞を受賞する事で、あの条例に箔をつけたかったのか? カラフルステーションの責任者だけでなく、区長から今回の顛末に関して何らかの説明が欲しいなあ。 たくさんの当事者がめっちゃ違和感を覚えてると思うんやけど。
— カケジク (@kakejiku38) 2015, 10月 2
グッドデザイン賞の件、杉山氏の声明によると、カラフルステーションが事業主体として応募することに渋谷区が同意書を書いたらしいけど、具体的に何に同意したんだろうか。この辺はアツミさんに情報公開請求をしてもらいたいところだ。 — 可寝た (@tomoyukix) 2015, 10月 1
渋谷区から応募されるべきだった?
実際にグッドデザインアワードのWEBにある応募上の記入要項には以下の通りに書いてある。
また、このほかにも「どこで購入できるか」、「どこで見られるか」「販売価格または総事業費」などが項目としてあげられている。渋谷区パートナーシップ条例は渋谷区という事業主体によって作られたものであり、より公共的であって私的なものではないのだから、渋谷区によって応募されるのが本当は正しいプロセスだったのかもしれない。しかし、渋谷区から「(審査料並びに登録料に)10万円を渋谷区から支払えないがどうしても応募したい。代わりに応募してくれないか」と頼まれて応募されたのであれば、致し方なかったように思う。
画像出典:greenz.jp
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