「米国のクリスチャンの半数以上が同性愛に寛容」という結果に
同性愛に反対する理由の1つとして、「宗教的な信仰に反するから」というものをよく目にする。しかし、米国で行われた調査では、「同性愛に対して寛容になるべきだと考えている」クリスチャンが全体的に増加していることが明らかになったという。
クリスチャンの間で同性愛への寛容度が上昇中
米国・ワシントンD.C.を拠点とするピュー研究所が行った調査によると、近年、米国のクリスチャンの間で同性愛に対しての寛容性が上がっていることがわかった。
過半数である54%の米国のクリスチャンは、同性愛は社会に受け入れられるべきだと考えている。2007年にも同様の調査が行われていたが、その時の数字より10%近く増加している。これは若年層の考え方の変化が影響していると考えられている。
「福音主義のプロテスタントの中で、同性愛は社会に受け入れられるべきだと考えている割合は、ベビーブーマー(第二次世界大戦直後の世代)では3分の1、サイレント世代(1920年代~40年代生まれ)では5分の1であるのに対し、ミレニアル世代(1981~1996年生まれ)では、その割合は約半数(51%)にのぼる。」
考え方の変化は若年層だけではない?
その一方で、考え方の変化が見られるのは若年層のクリスチャンだけではない。高齢のクリスチャンの考え方にも大きな変化が見られるという。
「昔ながらのクリスチャンである高齢層においても、近年では多くが同性愛を受け入れてきており、この広がりつつある傾向を推し進めるのに一躍買っている。例えば、ベビーブーマーの福音主義プロテスタントの32%が、現在では同性愛を受け入れるべきだと言っている。2007年の25%から増加していることが分かる。」
「教会としての見解=個人の見解」ではない
教会としては、同性愛にはっきりと反対していたとしても、個人レベルは違う意見を持っている場合も多いようだ。70%のカトリック信者は同性愛を認めるべきだと考えており、2007年の調査から12%も増加した。主流派プロテスタントでは56%から66%に、正教会では48%から62%にいずれも増加している。
一方、相変わらず反対意見の強い教会もある。モルモン教徒や福音主義プロテスタントについては認めるべきだと答えた人の割合がそれぞれ36%に留まったが、それでも2007年からの増加は見られた。
画像出典:Ian Law / Shutterstock.com