中国の法律で男性も性犯罪の被害者として認知される
これまで中国の法律では、性犯罪の被害者として想定されていたのは女性だけであった。しかし、今回男性の性犯罪の被害者も法的に認知されることになった。
中国の法律の改正
中国の法律では男性へのレイプも正式に性犯罪として認知され、最低で5年間の禁固刑に処されることになった。これまで、中国は女性のみを法的に被害者として認知してきた。そのため、男性のレイプ被害者が裁判等を求めるのは不可能であった。
2010年には、警備員が同僚から性犯罪被害を受けたが、軽い罪に問われただけだった。彼はわずか12ヶ月の懲役を課されただけだった。また昨年の他のケースでは、男性を誘拐しレイプしたとして非難された男は警告を受けただけで解放された。これは、警察がこれを罪として告発できなかったからである。
中国の最高議会は8月に修正案を通過させており、法案の文言を「男性か女性の他者に対してのわいせつで性的な暴行」と変更させていた。以前はこの「他者」が女性の被害者のみを指していたのである。
一方で、数年間にわたって法律の変更を主張し続けてきたLGBT活動家は、新しい法律が成立したことを祝福していた。
同性愛の理解を深めるための動き
今年初め、中国国内では一般の人々のもっと同性愛者を受け入れてもらうことを目的として、ある広告のシリーズが始められた。
この広告シリーズは、「Love is not a Choice(愛は選択じゃない)」というタイトルで、中国のソーシャルメディアで開始され、同性愛をめぐる中国の根強い文化的なタブーを壊していくことを目的としている。
この広告ではとあるゲイカップルが家にいる様子が描かれており、以下のような言葉添えられている。
「愛は選択じゃない。僕たちは同性愛を選んだわけじゃない。僕たちは僕たちだ。幸運なことに、世界は僕たちを受け入れるに十分な大きさがある。」
日本の状況
現在の日本の刑法では、性交以外のわいせつ行為などの強制わいせつ罪や、相手の権利を無視して強制するなどの強要罪では、男性の被害者も法的に認められている。一方で中国同様、強姦罪については加害者は男性であり、被害者は女性であるという前提のもとつくられている。しかし、先月には新たに強姦罪に対しての改正案が提出され、男性を被害者と想定したり加害者や被害者の性別に関係なく犯罪化したりすることや、現在の懲役3年以上から5年以上への引き上げなどが求められた。
画像出典:Pink News