セクシュアルマイノリティで最も満足度の低い生活
メルボルン大学とロンドン経済学校は、45,000人の英国およびオーストラリアの人たちにセクシュアリティに関する調査を行った。調査によると、16〜85歳のオーストラリア人のうち1.8%が自分をLGBTだと伝え、英国の方では1.5%〜1.6%であった。
最も生活に満足していないのはバイセクシュアル
今回の調査で得られた結果は、英国においても、オーストラリアにおいても、バイセクシュアルの人々が最も幸福度が低いという結果であった。この”幸福度”は、収入、雇用、健康、結婚、子供、友人関係、教育などの要素をもとに算出される。セクシュアルマイノリティ全般においては、ストレートの人々に比べてうつ病やアルコール依存症にかかる確率が1.5倍以上高いことや、自殺をする確率は2倍以上(日本のLGBTの自殺率はストレートより6倍高い)ということは以前から判明していることであるが、バイセクシュアルの幸福度が最も低いということは新しい調査結果だといえよう。
高齢になるほどLGBTの幸福度は高まる
また、この調査結果によると高齢のLGBTであればあるほど、幸福度が高いという結果が出た。高齢になると、より苦難や困難、自分のセクシュアリティに対する迷いなどが落ち着いたり、差別に対してどう対応するかということなどに慣れてくるそうだ。 (ただ、高齢のLGBTの人に関してはセクシュアリティの定義に関する知識が曖昧なことで、間違った回答をしている可能性もあるので要注意)
考察:なぜバイセクシュアルの幸福度が低いのか?
私の周囲にもバイセクシュアルの友人はいる。
一般的には「男とも女とも楽しめて2倍楽しくて羨ましい」などと言われたりするのを聞いたりするが、実際は全くそんな楽しいものではない。男性のバイセクシュアルの場合、男性の人には「どうせ最後は女に逃げて結婚するんだろ」と言われ、女性にもうまく理解されず、最後には「性に奔放な人」と言われ、誰にも理解してもらえないという話を、バイセクシュアルの友人から聞いたことがある。
女性のバイセクシュアルの場合は、男性に変に性的な目で見られたり、女性には「レズビアンの世界に微妙に染まりきっていない人」などと言われたりする。そのため、私が以前いろんなLGBT当事者の人に会って回った際、最も孤独を感じていたのはバイセクシュアルの人だった印象がある。そう考えると、この調査結果は私にとっては納得できるものがある。
出典:Pink News – Bisexual people have lower life satisfaction, study shows