タスマニア州が反同性愛法の逮捕者などに対して公式の謝罪
タスマニア州の反同性愛法はとても厳しく、1997年まで同性同士の性行為は最長21年間の刑罰が科せられていた。これは西洋の国としては最長だったという。今回、タスマニア州がその反同性愛法によって逮捕された人やその家族に対し、公式に謝罪を行うと発表した。オーストラリアでそのような謝罪が行われるのは初めてだという。
タスマニア州における同性愛
タスマニア州政府は来年から、これまで同性間の性行為によって受けた有罪判決を抹消する法律を制定することを決定した。
1997年にタスマニア州は合意に基づく男性間の性的な行為を罰の対象から外していたが、これはオーストラリアでは最後の州であった。しかし、タスマニア州は以前の反同性愛法によって逮捕された人たちやその家族に対し、公式な謝罪を行うことになっている。これはオーストラリアとしては初めてだという。
「法律では、これらの罪によって起訴されたいかなる個人に対しても、旅行・雇用・ボランティアなどの際にこの犯罪歴による苦痛や不都合を被らないよう、保証する。」
とヴァネッサ・グッドウィン(Vanessa Goodwin)州法務長官は話した。
1997年に廃止されたタスマニア州の反同性愛法では、同性間の性行為に対して最大21年間の懲役が科せられており、これは西洋では最も長かったという。
活動家からも歓迎される
「同性間で関係を持ったというだけで起訴されたタスマニア州の男性たちにとって、(来年に制定される法律は)不公平な犯罪歴からくる不利益や不名誉を取り除く大きな救いとなるでしょう。」
タスマニア州の同性愛権利団体の代表者ロドニー・クルーム(Rodney Croome)氏はそう語った。
「タスマニアが逮捕された人たちやその家族に対して謝罪する最初の州になることを、私はとても誇らしく思います。彼らの方から荷を下ろし、その上タスマニアは進歩的な広い考えを持った社会だという、とても強いメッセージを伝えることになりますからね。」
クルーム氏はまた、その他の「前科」を削除する可能性も検討するという州政府の決断を歓迎している。
「タスマニアは、異性の服を着ることを犯罪としていたたった一つの州であり、私はそういった対策の下、取り締まりの対象とされた人たちの名前や犯罪歴が削除されることを心待ちにしています。」
サウス・オーストラリア、ヴィクトリア、ニュー・サウス・ウェールズ、そしてオーストラリアの首都圏でも、タスマニア州が今回制定させようとしているような、反同性愛法によって今後不利益が被らないようにするための法律が成立している。しかし、逮捕された人たちなどに公式に謝罪するのは、タスマニア州が初めてだという。