事件の被害を受けた5人の同性愛者の難民が別の避難所へ
アムステルダムで、今後、同性愛者の難民は、他の難民とは別の施設に収容される可能性が出てきた。アムステルダムの難民センターに送られていた5人のゲイの難民はほかの難民から脅しなどを受け、別の避難所へと移されたという。一方、オランダの法務長官で移民大臣のクラース・デーホッフ(Klaas Dijkhoff )氏はこの対応に反対していた。
5人の同性愛者の難民が別の施設へ
Dutch Newsによると、5人のゲイの難民(3人はシリア、1人はイラク、もう1人はイランからの難民)は、当初、ほかの難民とともに首都アムステルダムの難民センターに収容されていたが、別の場所へと移されることになった。
彼らはこれまでの難民センターで、ほかの難民から唾を吐きかけられたり攻撃をされたりした上、自分の部屋から出られないということも頻繁あったという。
アムステルダムの難民保護の責任を負っている救世軍は、以前の難民センター内においては、その5人の男性の安全を保証できなかったと発言している。
安全な場所の確保のため
Parool新聞によると、ロッテルダムなどの他の地域に収容されている同性愛者4人の難民も別の難民保護施設へと移される予定だという。
アムステルダムの市会議員、Simone Kukenheim氏は
「LGBTはより弱い立場にあって、安全な環境を確保することは重大な課題であると私は考えている。」
と発言した。
NL Timesによると、難民の避難所において、性的指向が理由で同性愛者の難民が悩まされていたり、脅しをかけられたりした事件が多発していたという事実を、同性愛者の人権活動団体COCはデーホッフ大臣に訴えていた。また、同団体は、こういった事件は、被害者が恐怖のあまり報告できないケースも多く、問題が表面化しにくいということも指摘している。
一方で、以前、移民大臣のクラース・デーホッフ氏は、“ゲイであるという烙印を押す”ことになりかねないとして、ゲイの難民を別の場所に収容するという考えを支持しない姿勢を明らかにしていた。
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