ゲイバレ = アウティング
僕は、同性の友人にはなかなかカミングアウトはできていませんが、異性の友人にはある程度カミングアウトをしています。誰にでもカミングアウトをしている訳ではなく、一応人は選んでカミングアウトしているつもりです。しかし、大学生の時に友人の友人で、僕はカミングアウトをしていないのに僕がゲイということがバレていることが何度かありました。なぜ知っているのか確認すると、僕がカミングアウトをした友人から聞いたとのこと。第三者からゲイバレしたり、隠しているセクシュアリティが漏れてしまうことは、LGBTを始めセクシュアルマイノリティの人が最も恐れている事態です。そこで、ここでは特にストレートの人にわかってほしい、ゲイバレ(アウティングともいいます) に関する3つのポイントをお伝えします。
1. 「友だちにゲイの子がいて〜」と言って実名を出しちゃう人
おそらく、友人が他の人に僕のことを喋ってしまうのは、その人と僕が繋がる(知り合いになったり、仲良くなる)可能性が無いと考えたからだと思います。確かにもともと接点はなく、偶然仲良くなって、後になって「そういえば、ゲイなんでしょ?」と言われるパターンが多かったです。何度かそういう状況があって毎回ヒヤッとするのですが、「友達にゲイの子がいて〜」となると、友人間の話題にすると盛り上がりそうだなというのは想像つきます。別に僕はそれを責める気はありません。ただ、「ゲイの友人がいる」という話題で僕の実名を出さないで欲しいというだけです。悪意が無いことが一番怖いと僕は考えます。悪意が無いぶん、無意識に話題にしてそれがいつの間にか拡散するのです。
2. バラされることが本人にとってどれだけ危ういことか、わかっていない人
やはり、痛感したのはストレートとセクシュアルマイノリティの間の危機意識のギャップです。ストレートは当事者ではないので、ある程度僕がカミングアウトしてから時間が経つと、「LGBTって別に変なことじゃないじゃん」と感覚が麻痺するのだと思います。それ自体はとても嬉しいことです。ただ、それによって口が軽くなってしまうのは僕としては話が違うと思ってしまうのです。カミングアウトしたことによって起こる事象はLGBT当事者の「自己責任」も一部あることは確かですが、それでもストレートの人にはぜひ、「ある人がLGBTであるということは、本来は他人に口外してはいけないこと」という意識をぜひ持って頂きたいです。
3. LGBTが”キモい”と言われ拒絶される恐怖を想像できない人
LGBTにとって、カミングアウトはいつになっても慣れないものです。毎回、拒絶されるリスクと戦いながら、信じた相手に行っているのです。僕はまだ拒絶されたことはありませんが、同性のストレートの友達と話しているときに、同性愛の話題になれば決まって「気持ち悪い」という単語が飛び交うので、本当の僕を知ったら拒絶されるのではないか、という恐怖が常につきまとっています。
この記事を読んでいるストレートの方がいたら、もし友人や身近な人にLGBTをカミングアウトされたときに、拒絶されるリスクがある上で自分を奮い立たせてカミングアウトをしているんだ、ということを思い出していただけたら嬉しいです。
ライター:ふじ
画像出典:Need Something? Talk To My Right Ear