近年、英国では養子を迎える同性カップルが増加
先週、英国の教育省から新たな統計調査が発表された。この統計により、イングランドではなんと、12組に1組の養子縁組は、同性カップルによるものであることが明らかになった。
同性カップルの養子縁組の増加
同性カップルによる養子縁組は、この5年間で驚く程増加したという。イングランドに限定すると、すべての養子縁組のうち同性カップルの占める割合は3.27%だったが、2015年には8.44%にまで増加した。
(イングランドでの同性カップルによる養子縁組数の変化)
同性カップルによる養子縁組が増加したのはイングランドだけではない。スコットランドやウェールズでも同様に高い割合を示しているという。
2015年は、イングランドでは450組の養子縁組があった。ウェールズでは30組、スコットランドでは17組だった。
12組に1組が同性カップル
2007年に記録が開始された当時、1年間に養子として取られる子どもたちは、イングランド、スコットランド、ウェールズの3地域を合わせても90人だったが、今年は497人にまで増加している。
同性カップルの養子縁組に限らず、養子縁組自体の数も増加していることは考慮すべきだが、同性カップルの場合はその増加率を上回っているという。
(ピンク:同性カップルによる養子縁組の数、青:養子縁組全体の数)
2015年の統計によると、12組中1組の養子縁組は同性カップルによるものだという。
養子縁組斡旋団体からのコメント
この結果について、養子縁組チャリティ団体であるNew Family Socialのトール・ドカティ氏は、
「どの養子縁組のケースをとっても、始めから終わりまで子どものニーズを最優先させています。
養子縁組を斡旋する団体が、LGBTの人たちは両親として子どもたちのニーズを満たしてくれる力を持っていると認識してきたのは、素晴らしいことだと思います。」
と話している。
同性カップルの養子縁組を認める地域の増加
同性カップルの結婚が合法化された国や地域では、続いて養子縁組を認めるところも多い。同性カップルによる子育てが、子どもに悪影響を与えるなどといった反発の声が上がることも少なくないが、このことは近年の研究によって否定されている。
最近では、ポルトガルやチェコなどが同性カップルによる養子縁組を法的に認めた。養子がどちらか一方の親と血が繋がっていなければならないなどの規定を設けている国や地域もあるが、異性カップルと同等に扱われるように法改正が行われるところも増えてきている。
グラフ出典:Pink News