イギリスで行われた学校現場でのLGBTの実態調査
イギリスのヨークシャーで、学校におけるLGBTの子どもたちについての関心を上げることを目的とした報告書が発行された。その中では、LGBTの児童生徒に対してのいじめや自傷行為などの問題が取り上げられている。
イギリス、ノース・ヨークシャーで行われた調査
Growing up in Yorkshireは、イングランド北部に位置するノース・ヨークシャー地域の約20,000人の学校の児童・生徒を対象に調査を行った。全体の15%が、自分はレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーまたはクエスチョニングのいずれかであると回答した。
報告書では、41%の10代のLGBTがいじめを経験し、LGBTの女子に関しては54%が自傷行為を行っていることが明らかにされている。
報告書の作成者の言葉
「この調査によって、ノース・ヨークシャーのLGBTコミュニティには非常にたくさんの若者が含まれることがわかった。…そして自分のセクシャリティに悩んでいる子どもたちもまた、残念ながらそのセクシャリティによって弱い立場に位置づけられてしまうことが今回のデータによって明らかになっている。」
とこの報告書を作成したヴァル・アーノルド(Val Arnold)代表は発言した。
「若いLGBT当事者の多くは、学校で過ごす時間の中で敵意や恐怖を感じており、それが仲間はずれにされているという感情や成績の低下、あるいは転校しなければならないという結果につながってしまっている。」
LGBTの若者への支援の課題や問題点
報告書の作成者はまた、若い世代を中心としたLGBT団体に所属するLGBTの若者に会いに行った。そこで、LGBTの若者たちが殺すと脅迫されたり、助けを求めた時に学校の先生に無関心な対応をとられたり、『どうすることもなくなってしまった』経験などを語ってもらったという。
報告書ではまた、こういった団体へのアクセスがあることがLGBTの子どもたちにとって有益であるとする一方で、LGBTに反対する人たちからの暴力などを避けるために、これらの団体の場所などの詳細は公表できないという側面もあるとした。
画像出典:Pink News