職場でのこと。
当時働いていた職場で僕はHIVであることは隠していました。2ちゃんねるに殺害予告まで書かれ、2丁目では受け入れてもらえなかったり罵詈雑言を浴びせられることがあったからです。が、Kさんからの助言や再会してからの周囲の変化によって自分を強く持つようになっておりました。
もう隠して生きなくてもいいのではないかと考えだした僕でした。
職場に来た新しい人
当時僕が働いていた医療機器の搬出のお仕事は非常に忙しく、毎日朝から終電まで働くような職場でした。忙しいうえに人も足りない状況でした。
そんな中、新しい人が入社されました。
その方はとても真面目で仕事もそつなくこなし、仕事を覚えるのがとても早い方でした。夜終わってから時間がある時はご飯を食べに行き、連絡先も交換しており、とても仲良くさせて頂いておりました。
会話の内容からノンケさんであることはわかりましたが、ゲイの友達がおりHIVに感染している人もいると聞いた為、この人には受け入れてもらえるだろうと思い、自分がゲイであること、そしてHIVであることを公表しました。
しかし、この判断は大きな間違いでした。
変わった雰囲気
カミングアウトをし、その方から『誰にも言わないよ』と言われていた僕はとても安心をしておりました。
が、次の日出勤をすると、何故か皆がよそよそしく、会話すらしてくれません。
どうしてなのか問い詰めると、
『病気の人間は近寄るな!』と外国人のスタッフの方に言われました。
あの人にしか話してないのに……
そう思った僕はその方に問い詰めました。
するとあっさりと『他の人にも話した。』とあっさりと悪びれずに言い、立ち去られました。
僕はがっかりしたのと同時に自分の愚かさに気付かされました。仲がいいからといって人を信用してはいけない、そう学びました。
「出勤はやめて欲しい」
そしてその日、当時働いていた先の社長に呼ばれ経緯を聞かれました。
詳しい話は後日になり、しばらく給料は払うが出勤はやめて欲しいと言われました。
了承するしかなかった僕は頷き、家に帰りました。何が正しくて、何が間違っているのかも分からなくなりましたし、差別をするのはゲイだけではないことに今更ながら気付かされました。
その後、社長と話しあいました。
社長としては秘書としてでも残ってほしかったが、事情が事情なだけに辞めてもらうしかないと言われてしまい、退職をすることになりました。
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