いつでも気楽に短い文章で発信できる使いやすいSNS、Twitter。
Twitterの特徴は、なんといっても1度に書けるのは140文字までという制限。
ブログとなると文章を書かなきゃ、とちょっと身構えてしまいますが、
ほんの一言呟くだけでいいTwitterは始めるハードルが低い分、ユーザーが多いのも理解できます。
しかしこの140文字という制限は、言葉足らずになってしまう可能性が非常に高いです。
それゆえ時としてTwitterに書き込んでしまったことが波紋を呼び、「炎上」と言われる騒ぎになってしまう場合があります。
それが、どういう場合かというと、
<言葉足らず>
・140字に収めきれないちょっと複雑な情報を伝えようとする時
・自分の考えを、その考えた背景を省き端的に伝えようとする時
・注目度を上げようとチョイスした言葉が誤解を招いてしまった時
などが考えられます。
また、それとは別に、
<悪意/差別>
・最初から悪意や差別意識を持ってツイートする時
・炎上することを狙って意図的に誤解を招く書き方をする時
もあります。
この場合は、批判のツイートが拡散することで話題になることを想定していること(いわゆる炎上商法)が多く、悪質な印象を受けます。
ここ最近、2組のタレントによるゲイに関連するツィートが炎上しました。
いずれも、140字では真意を書ききれなかったのか、後にそれぞれ誤解を解くという目的でツイートの背景がその関係者から明かされています。
それぞれの最初のツイートから炎上した批判ツイート、ツイートに対する背景の釈明をまとめました。
皆様にもお読みいただき、この炎上問題は、
前者の「言葉足らず」ゆえに引き起こされた誤解だったのか?
もしくは後者の「悪意・差別」をごまかすための言い訳だったのか?
を考えていただきたいです。
ネット番組の企画でゲイAV男優の現在を探偵を使って調べると宣言した大島薫
「男の娘」(女装男子)としてメディアに露出しているタレントの大島薫が、ニコニコ生放送とAbemaTVで放送中の出演番組の新企画を始めるとツィートした。
#野獣の日
8月18日の生放送でとうとう行方不明の野獣先輩捜索企画が始動します。本物の探偵さんを呼んで決定した捜索方法で本当に野獣先輩を見つけるまで探します!
ニコ生→https://t.co/5oKRbeXLAP
AbemaTV→https://t.co/3swcNrHU3D— 大島薫 (@Oshima_Kaoru) 2016年8月10日
野獣先輩とは、かつてゲイAVに出演したモデルのこと。
某野球選手が出演したAVに出ていたことでネット上で注目が集まり、彼の画像を用いた面白動画が次々とネットにアップされ、一部で非常に有名な存在となっている。
かつてゲイAVに出演していたとはいえ、タレント活動をしているわけではない単なる一般人である野獣先輩をメディアで公開捜査することに関しては、批判が噴出した。
あ、これは絶対にダメなやつ:大島薫はオトコノコ♂です。野獣先輩特捜班 探偵 山木陽介さんに聞いてみよう https://t.co/qXWHGVQ2Rv #nicoch2622996 #大島薫
— 赤木智弘(ペパーダイン大学未入学) (@T_akagi) 2016年8月11日
「野獣先輩」って何か知らなかったんだけど、調べたら、ネットでネタ的に話題になったゲイAVの出演者で、映像作品は残ってるけど素性は不明の人だということを知った。つい最近アウティングで死者が出たのがニュースになったのに何考えてんだよ…
— 宇井彩野 (@niyari_niyari) 2016年8月11日
探偵使って野獣先輩を探し出すとか、ニコ生もAmebaTVも今まで以上に見識が疑われる。人気取りのためなら人様のプライバシーや気持ちなんてどうでもよいと考えている人 → .@Oshima_Kaoru
— 石田 仁 (@ishida_hitoshi) 2016年8月11日
「野獣先輩」って何か知らなかったんだけど、調べたら、ネットでネタ的に話題になったゲイAVの出演者で、映像作品は残ってるけど素性は不明の人だということを知った。つい最近アウティングで死者が出たのがニュースになったのに何考えてんだよ…
— 宇井彩野 (@niyari_niyari) 2016年8月11日
LGBT差別反対の大島薫さん!文字通り「おもちゃ」と化し既に差別されまくってる野獣先輩を更に追い詰める行為はさぞかし楽しいでしょうね! pic.twitter.com/h5cllVzZYg
— ゆうきやん (@sugunikeSE) 2016年8月10日
18日の野獣先輩捜索マジでやるつもりなんかな
個人で勝手にやるならまだしもそれをネットで公表して金取るって本気でヤバいだろ…
犯罪ちゃうん?— ぶぶぶん (@bun_grbl_bot) 2016年8月11日
以上のような批判が続出した後に、大島薫がこの企画の真意をハフィントンポストのメールインタビューで語った。
■「野獣先輩は架空の存在ではない」大島薫、元AV男優を捜索する理由を語る
このインタビューを読んで、貴方は大島薫の最初のツイートを
・言葉足らず
・悪意/差別
のどちらだと判断するでしょうか?
<顛末>
※なお8月18日の放送では、探偵をゲストに呼ぶも、企画自体の違法性を指摘され、実質捜索は中止になった模様。
大島薫の放送の無料公開の部分を観た。「僕が今トラブルの渦中」「燃えそう」「薪をくべてやっていこう」…そしてこの画像。 pic.twitter.com/UmmEewqEsO
— Monad (@suryagudang) 2016年8月18日
後半、探偵の山木陽介氏を迎える。大島薫は相当腰が引けていて、企画の違法性を事細かに問う。山木氏「(今回の件で)問い合わせはきている」「権利の侵害なので、(私は)探すわけにはいかない」「探されている事を(探されている人が)訴える事は可能」
— Monad (@suryagudang) 2016年8月18日
それを受けて、大島薫はマズいなというリアクション(に見える)。どうやら、わざわざ探偵に聞くまでもない当たり前の事が、本気でわかっていなかったらしい。散々指摘されただろうに。
— Monad (@suryagudang) 2016年8月18日
ゲイ同性演出の写真集発売告知に「変態」という言葉を使ったオリエンタルラジオ
お笑いコンビ「オリエンタルラジオ(オリラジ)」の中田敦彦と藤森慎吾が「同性どうしの同棲」を演じた写真集「DOUSEI ―ドウセイ―」を発売するにあたり、撮影したカメラマン青木裕企のツイートおよび発売告知記事をアップしたお笑いナタリーのツイートで「究極の変態写真集!」という言葉が使用された。
【9/2発売】
オリエンタルラジオx青山裕企写真集『DOUSEI-ドウセイ-』https://t.co/TfCj2uobzo
オリエンタルラジオ初の写真集!
「もし、オリラジのふたりが一緒に暮らしていたら」
究極の変態写真集です! pic.twitter.com/HIjPshHR0E— 青山 裕企|Yuki AOYAMA (@yukiao) 2016年8月15日
オリエンタルラジオ“究極の変態写真集”発売、2人の同棲物語 https://t.co/AYJLqgXU5W pic.twitter.com/GeSOZ7r0KK
— お笑いナタリー (@owarai_natalie) 2016年8月15日
同性どうしの同棲=究極の変態、と表現されているようにしか捉えられないこのツイートに関して、当然ながら批判のツイートが続々と書き込まれた。
オリラジの二人が同棲生活の中で変態的なことをやりまくっているのなら究極の変態写真集という表現は適切だが、男女のカップルであれば当たり前の日常を描いているだけなのであれば、やはり変態写真集の表現は適切ではない。理由は言わずもがな。
— けんたろう (@ken_ta_rou) 2016年8月16日
これって同性愛者で同棲してる人に対して究極に失礼ちゃうかな。https://t.co/mgxW88kyq5
— NOBUYUKI NAKATANI (@nobu_NAKATANI) 2016年8月16日
オリラジの同性愛を匂わす写真集に関する記事に「オリエンタルラジオ“究極の変態写真集”発売、2人の同棲物語」って見出しがつけられてたんだけど、LGBTに対する差別が問題になってるこのご時世に「変態」と言い切るの、すげえなと思った。
— 深爪 (@fukazume_taro) 2016年8月16日
オリエンタルラジオ“究極の変態写真集”発売、2人の同棲物語。なになに… 「 オリラジが望んだことは『究極の変態写真集』」って? つまり彼らは同性愛を「変態」と考えていると? https://t.co/91bdcHePLu
— 町山智浩・告知用 (@TomoMachi) 2016年8月17日
「究極の変態写真集です!」
異性間ならノーマルで同性同士の睦まじい絵ならば〝変態〟?現代医学は同性愛を異常とはしていない。欧米ではまったく通用しない写真家の言。その差別性には痛烈な批判が集まるだろう。https://t.co/ky8TYJtNk5— 上川あや 世田谷区議会議員 (@KamikawaAya) 2016年8月16日
これが変態なら世の中のすべての人間は変態である。オリエンタルラジオ“究極の変態写真集”発売、2人の同棲物語 – お笑いナタリー https://t.co/AaTMD2zDrr
— 平野太一 (@fancy_karate) 2016年8月16日
大原則として「変態呼ばわりされて喜ぶ人」しか変態呼ばわりしちゃいけないですよね。あの写真集の問題は、オリラジや青山裕企を変態呼ばわりする(創り手の意図)とccでゲイ全体を変態呼ばわりしちゃう構造。「ゲイは普通としてこれは変態だよね」って写真が本編にあれば話は違ってくる筈ですが。
— 森信太郎@穏やかな生活 (@morishin5555) 2016年8月17日
「オリラジの同性愛を撮った変態写真集にLGBTが激怒 」ではなく、オリラジが「同性愛」モチーフに「変態」を冠したから世間が怒っているのだと思う。私はBでもTでもない異性愛者だけど、とても不愉快だ。
— ゴトー (@ICHMTs55) 2016年8月17日
あまりにも批判的な反響が大きいがゆえに、この「究極の変態」という言葉は、同性どうしの同棲を示しているのではないと、カメラマン青木裕企と出版元であるKADOKAWA文芸部の担当編集者による釈明のツイートがアップされた。
【オリラジ写真集】
一応の誤解のないように。究極の変態=同性同士の同棲
という意味ではなく、
端的に言えば、青山=変態的な視点という意味なので、よろしくお願いいたします。今まで、様々なテーマの写真集を撮影していますが、前提として、被写体の良さを引き出すことを考えています。
— 青山 裕企|Yuki AOYAMA (@yukiao) 2016年8月15日
1)担当編集です。誤解も生まれているようですので明確にしておきたいのですが、
本書の製作において「同性どうし」“だから”「変態」という意識はみじんも有りません。
「変態」ということばは、「青山さんの写真表現」に依るものです。(続く)https://t.co/2pjQdxBonn— KADOKAWA文芸編集部 (@kadokawashoseki) 2016年8月16日
2)これまでの作品に於いて「変態性」が大きな魅力となっている写真家に、
持ち味を十分に発揮してほしいと被写体が望んだことと、
「同性どうしの同棲」という写真集内での物語設定は独立の要素です。その二つに「だから」という因果関係が見出されてしまうことは本意ではありません。(続く)
— KADOKAWA文芸編集部 (@kadokawashoseki) 2016年8月16日
3)被写体に、これまでの作品の「変態性」を評価され撮影を望まれた
青山さんが今回「究極の変態写真集」を目指したこと(そう被写体が望んだこと)は、
被写体が「同性ふたり」であったことには関係ありません。「同性どうしの同棲」は、ごく普通のありえた日常風景としての設定です。(続く)
— KADOKAWA文芸編集部 (@kadokawashoseki) 2016年8月16日
4)同性どうしだろうが、異性どうしだろうが、どちらの性でもなかろうが、
素敵なふたりの関係性を青山さんらしく(「変態的に」)撮って欲しいと思います。「同性どうし」であること自体が侮蔑の対象や忌避すべきもの、「異常」であるという考え方には、明確に異を唱えます。(以上、担当編集)
— KADOKAWA文芸編集部 (@kadokawashoseki) 2016年8月16日
5)(すみません「以上」と書きましたが
そのうえで、「同性どうしの同棲」は、
ありえる日常、普通の風景として設定したにもかかわらず、
紹介の文脈で、製作上意図していない差別を発想してしまったかたがいること、
それにより傷ついたかたがいることは、申し訳なく思っております。(担当編集— KADOKAWA文芸編集部 (@kadokawashoseki) 2016年8月16日
このインタビューを読んで、貴方は青山裕企の最初のツイートを
・言葉足らず
・悪意/差別
のどちらだと判断するでしょうか?
ツイッターでは様々な発言や問題に関して、多くの人が反応しています。
しかし、人の反応だけを見て好悪や是非を決めつけてしまうのではなく、その大元となったツイートを辿ったうえで、自分で考えて判断していきたいものですね。
■TOP画像(大島薫)引用元
https://plus.google.com/103706347325491124381