ハロウィンに観たい!ジェンダーを超越した映画『ロッキー・ホラー・ショー』

rocky horror show

ハロウィンシーズン到来、この季節におすすめしたい映画

それは、1975年に公開されてから伝説的なカルトムービーとなった『ロッキー・ホラー・ショー』。rocky3
上映中に、観客が映画の内容に合わせて掛け声を叫んだり、仮装パフォーマンスを行ったり、スクリーンに物を投げたりする鑑賞スタイルも有名です。
破天荒ながらも古き良きホラー映画感を持ち合わせ、フェティッシュでありつつどこかコミカルなこのミュージカル。今回はその面白さと、なぜハロウィンにおすすめなのかをご紹介します。

あらすじ

ブラッドとジャネットは婚約したばかりのカップル。幸せいっぱいの二人だったが、土砂降りの中で車がパンクし、近くにあったお屋敷で電話を借りようとする。しかし、そこにいたのはなんとも怪しげな人々…。はじめは外国のパーティーか何かだと思った二人だったが、彼らはなんとトランスセクシャル星(性別のない星)からやってきた異星人だった!そこでブラッドとジャネットが巻き込まれる、フランクン・フルター博士の実験とは…?

セクシュアリティ入り乱れる究極のジェンダーレス映画

ブラッドとジャネットが出会った彼らは、字幕翻訳によると「トランスセクシャル星(性別のない星)」からやって来た異星人。なので厳密にはLGBTとはまた別ですが、あのティム・カリーがド派手なメイクをほどこし、ギラギラのボンテージに身を包んだ姿はドラァグクイーン的であり、必見の魅力。
カリー演ずるフランクン・フルターは、美青年姿の人造人間ロッキーを愛でる一方で、地球人であるジャネット(女性)ともブラッド(男性)とも肉体関係を持つことから、種族も性別も超えた何でもありなフリーセックス派のようです。映画評や紹介文によってはバイセクシュアルと表記されていることも。

セクシュアルマイノリティの要素も、俳優が女装をすることも、当時は今以上にアンダーグラウンドな扱い。だからこそ、堂々と「私はスイートな性倒錯(字幕翻訳。原文はsweet trans vestite) 」と歌い上げるフランクン・フルターの姿は先進的で、ファンの心をつかんだのでしょう。

個性的なキャラクターはハロウィンの仮装に最適!

トランスセクシャル星の人々は基本的に顔色悪めのメイクで、フランクン・フルターを取り巻くメンバーも個性豊か。どれもハロウィンの仮装にピッタリです。rocky1ボサボサの髪と古びたタキシードでホラーテイスト満載のリフ・ラフに、ボリューム満点のパーマヘアとレトロなメイド服のマジェンダ、スパンコールいっぱいの帽子でキャバレー風スタイルのコロンビアも魅惑的。
セクシーさを狙うなら半裸のロッキー、笑いを取るならツッパリ全開のエディはいかが?

劇中にダンスレッスンもある「タイムワープ」を踊って騒ぐのもハロウィンの夜にピッタリです。

『glee』でもフューチャーされた人気ぶり

人気ドラマ『glee』シーズン2の第5話でも、この『ロッキー・ホラー・ショー』を題材にしています。

『glee』は高校生たちの青春と音楽をメインテーマにしたドラマで、日本でも大きな人気を博しました。ゲイやレズビアンの登場人物も大活躍しLGBTコミュニティでも話題になったため、皆様の中にもファンが多いのではないでしょうか。

赤い唇のアップから始まるオープニングや、グリークラブの部員たちが『ロッキー・ホラー・ショー』のキャラクターに扮して歌う場面はもちろん、日常シーンにも映画へのオマージュが散りばめられています。両方の作品のファンなら感涙モノのこだわりの細かさです。

規範の性を超越し、ロックとSF、ホラーとコメディをも融合させ今なお熱狂的な人気を誇っているこの映画、あなたはもうご覧になりましたか?
ABC復興会によると、 2016年に放送予定のテレビリメイク版では、フランクン・フルター博士役をトランスジェンダーのラヴァーン・コックスが演じると発表されたばかり。
ハロウィンのテーマを『ロッキー・ホラー・ショー』にすれば盛り上がること間違いなしです。

画像出典:FLAVORWIRE

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角 亜維子

平成生まれのレトロ育ち。 女子美術大学卒。 幼少期より抒情画やアングラ演劇に親しむ。 憧れの女性像は山口小夜子、イーディ・セジウィック、大島弓子作品のキャラクター。 レズビアンであり、特定非営利活動法人ReBit のメンバーとしてLGBTに関する出張授業や講演にも参加している。 同法人運営WEBサイト「LGBT就活」編集長兼ライター。 雑誌編集インターン、広告会社ライター等を経て現在はフリーランス。 随筆、評論、インタビューからフィクションまで、執筆お仕事募集中。