同性婚のできないオーストラリアで同性カップルが結婚式を挙げる
オーストラリアでは同性婚が禁止されているにもかかわらず、シドニーの市長が英国領事館の内部で同性カップルの結婚式を挙げさせた。
同性婚が認められていないオーストラリア
同性婚に反対していたオーストラリアのトニー・アボット前首相は、今年初めに同性婚についての採決が行われることが決まると、議論を遅らせるために、代わりに2017年に国民投票を行うことを提案していた。
アボット氏はそれから首相の座を退いたが、彼に代わったマルコム・ターンブル首相も国民投票の案を堅持する姿勢を見せており、同性婚はいまだ成立しない見込みだ。
シドニーで同性カップルが結婚式を挙げる
しかし、国が同性婚を認めない態度をとり続ける一方で、シドニーのクロバー・ムーア市長は違った対応を見せた。先月、英国領事館内でマシュー・マカロン氏とエドムンド・アポン氏のゲイカップルの結婚式を挙げさせたのだ。
マカロン氏とアポン氏は15年間交際しており、6歳の息子がいるが、オーストラリアの法律の下では婚姻関係にはないとされる。
しかし、マカロン氏が英国の血筋を引いていたため、2人は英国領事館内で結婚式を挙げる資格があった。英国の婚姻法では、その国が同性婚を認めていなかったとしても、国外の英国大使館・領事館などで同性カップルは結婚式を行うことができることになっている。日本でもこの婚姻法に基づいて同性婚のセレモニーを行うことは可能であり、実際に大使館で複数の同性カップルがセレモニーを行っている。
幸せな雰囲気の結婚式
マカロン氏はオーストラリアのメディアAustralian Daily Mailに、以下のように語っている。
「彼女(シドニー市長)はとても強力な同性婚支持者だから、この式に参加できて彼女はとても嬉しく、幸せだったと思うよ。これが彼女が司式を行った最初の結婚式だからね。」
「僕たちは、式の最初に実際にシドニーのゲイ・レズビアン合唱団にフラッシュモブをやってもらったんだ。」「45人の合唱団メンバーが結婚式のゲストの格好をして集団に紛れていたんだけど、僕たちが到着すると彼らは次第に歌い始めて、そして集まってパフォーマンスをしたよ。」
画像出典:Pink News