【PrEP】欧米で話題!HIV感染しなくなるってほんと?

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アメリカで承認されたPrEP、誤解が渦巻く。

米国FDAで承認され、多くのゲイの人たちが始めているPrEP。他国でも検討が拡がっています。でも、そのPrEPがあればコンドーム無しでも大丈夫という誤解が発生しています。そのPrEPが何をターゲットにしていて、何に気をつけるべきなのかをお伝えします。

PrEPってなに?誰がやってるの?

PrEPって言葉を耳にしたことがありますか?
Pre-Exposure Prophylaxisの略(通称:PrEP)で、日本語では『暴露前予防投薬』と言われる手段です。簡単に言えば、既に販売されている抗HIV薬であるテノホビル・エムトリシタビン合剤(商品名:ツルバダ配合錠)を感染する前から常用的に服用することで、HIVウイルスに感染するリスクのある行為をした際などに、体内に既に入っているこの薬がすぐにウイルスを攻撃してくれて、ウイルス感染しないというものです。

アメリカでは既に承認され、HIV感染拡大を抑える手段として保険が効くとあって始めているゲイの人は結構います。僕も、今までに何度か投薬している男性に会いました。僕の彼氏のかかりつけ医は、どんなセックスをするかインタビューしてから服用を薦める事があるそうです(バニラ好みの人には必要ない、と処方しないケースもあるらしい)。既に身近にある手段となっています。

PREP-SYDNEY

PrEPしているからこその、危ない誘惑

PrEPの何が良いのかって? コンドームを装着していてもHIV感染は100%予防できる訳ではない、その上コンドームが破れてしまった等で万が一精液に暴露した場合にも、PrEPしていればウイルスが入ってきて応戦射撃ですぐにウイルスをやっつけてくれる。相手がもしHIVウイルスを持っていたとしても感染リスクを抑える事が可能なんです。

でも、これって理論的な話。それに、PrEPしている事を良い事に、僕が出会った男性の中には、”I’m taking a PrEP, so let’s have a bareback sex” (俺はPrEPしているから、生でセックスしようよ)って誘ってくる人がいました。誘われた僕も、《タイプの男性だし、ゴム無しの方が気持ちイイし、大丈夫だって言ってるんだから、ゴム無しでやっても良いかなぁ》って、正直思いました。PrEPしていればHIVは怖くない、ってまやかしが起きているんです。

PrEPしているから安全だよ、って言われても。。。

甘い誘惑に乗りかかったけど、《どうなんだろう??? 本当に安全かな???》って疑問が湧いたので、僕はその誘いは断りました。だって、

 

1.初めて会った(中には何度か会った事のある)男性が、本当にその薬を飲んでいるのか?
2.その薬がその人の体内で本当に効いているのか?
3.まだ新しい手段なのに、100%保証されているの?
4.HIVウイルスには効いても、他のSTDsには効かないでしょう?

こんな疑問が頭をよぎったんです。

皆さんはどうですか? もし大丈夫だよって言われた時、こういう疑問を持ってNoと返事できますか? その場の空気に流されてしまうかも?

本能に従ってSEXする前に、理性に従ってSTOPを!

例えば、南新宿検査・相談室で流れている啓発ビデオや、HIVに関する冊子でもよく言われているように、相手がタイプの人だと『コンドームを着けるように要求して嫌われたくないから、なかなか言い出せない』って状況はあると思います。僕も経験あります。しかも、相手は『PrEPしているからHIVの心配しなくて良いよ』って。そこまで言われると、余計にコンドーム着けてって言い出しづらかったり。

だけど、上に書いた疑問点にあるように、100%の保証はないし、PrEPはHIV感染は防げても梅毒とか他の性病には効かない訳で。だから、やっぱりコンドームと併用する事が大前提となると思うんです。

最低限のマナーを守って、最大限楽しんで欲しい。

僕自身、自慢できる話ではないけど、数え切れないくらいの男性と肉体関係を持ちました、数はこなしました。そんな自分だから、遊ぶな!って言えないし、せっかくの人生、楽しんだほうが良いと思う。だって、それも一種の人生経験だと自負できるから。でも、今振り返れば、自分はラッキーだったなって思い返すようなリスクも犯した事があるのは事実。だからこそ、でも、One-Night でもセクフレでも、自分が安全だと自信を持てる手段で遊んでもらえたらと思います。

巷では、PrEPしている=安全、って方程式が成立しているような気がするけど、実はそうじゃない。HIVの感染リスクは抑える事ができても、それだけで、100%の確率では決してない。それに、服用しているのは抗HIV薬であって、他の性病には効かないんです。だから、PrEPについて、正しい知識を持ち合わせてください。

その場の空気に流されてしまう前に、欲望から手を出してしまう前に、《最低限のマナー=コンドーム装用》を守って遊んで欲しいと思います。そして、コンドーム+PrEPの二重防御で将来にはHIV撲滅されたらと願っています。

アメリカで既に始まったPrEPというHIV感染予防、日本ではまだ馴染みのない人が多いかと思います。もしアメリカへ旅行される際、この記事を読んだ上で安全に情事を楽しんでいただければ幸いです。

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1 個のコメント

  • 私はキャリアで、ツルバダは毎日服薬しています。
    ツルバダは曝露予防や曝露後の感染予防に病院には用意されている薬です。

    それが一般に手に入るアメリカは進んでいると思う反面、
    予防薬が万能薬でないのも確かです。

    日本ではHIVの感染もさることながら、最近はHBVやHCV、
    それになんと梅毒が猛威を振るっています。
    GAYの世界だけではなく、ヘテロにおいても脅威になっています。
    これらの性感染症は少なくともコンドームでかなりの確率で防げます。

    現実にHIVに感染するひとは他の性感染症も同時多発的に感染していることも多いです。

    いずれはHIVの完治薬も登場して、死の病のレッテルは剥がれていくでしょう。
    しかし、セックスにコンドームが必要な時代は去ったわけではありません。
    不特定多数のパートナーとのセックスをするようなひと、予防薬を飲むようなひとなら、間違いなくコンドームをすべきでしょう。

    それから、ツルバダは肝臓に負担を与える可能性の高い薬です。
    事前事後に1錠飲むわけではなく、HIV患者と同じように毎日1錠飲まないと効果はありません。
    また、状況によっては耐性ウイルスが出現する危険もはらんでいます。
    欲望のために劇薬を服用するのはとても違和感を憶えます。

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