バイセクシャルの私が職場でカミングアウトをする3つの理由

カミングアウト

カムアウトしやすい環境、しにくい環境

職場でLGBTであることをカミングアウトをするべきか否か…。皆さん非常に悩まれるところだと思います。

私は社員数約10名の少人数企業に転職してから、正式に上司にも同僚にも、バイセクシュアル女性として同性のパートナーと同棲中であることをオープンにしました。職場でのカミングアウトは、「しなければよかった…」と思うこともなくはないですが、個人的には「カミングアウトをして少しは生きやすくなった」と思う部分のほうが大きいです。

ここでは、「私が職場でカミングアウトをしている3つの理由」をお伝えします。

理由①:めんどくさいから

職場といっても、「恋愛」「生活」「人生」と全く切り離して考えられないこともしばしば。たとえば飲み会、同僚とのランチ、上司との面談…。こんな場面でよく聞かれる質問がこれ。

「彼氏はいるの?」
「結婚したいとか、思わないの?」
「休日はなにしてるの?」
「好きな俳優さん(女優さん)は?」

皆さん、ご経験があると思いますが、これ、面倒くさいことこの上ありません!毎回毎回、「彼女」を「彼氏」に置き換えて話したり、休日LGBT系のイベントに行っていても隠してみたり…。私の前の上司は非常に下ネタ、恋愛ネタを飲み会の話として好む方で、「あの女優、エロいよな」「何、お前、キャバクラも行ったことないのか?今度銀座のいいお姉ちゃんのいっぱいいる店連れてってやるよ。」等々の話を先輩の若い男の子にしていたので、ゲイの皆様なんて特にご苦労されているだろうなとお察しします。

こういう少しの「めんどくささ」がつもりにつもって、意外に日々の「仕事を頑張ろう」と思う気持ちを少しずつ奪っていくものです。だからこそ、この「めんどくささ」を回避するために、私は職場でカミングアウトをしています。

理由②:上司が私をマネジメントしやすくするため

私は今の上司を非常に尊敬しているのですが、彼はよく「部下の喜怒哀楽」「生い立ち」を把握するように努めているそうです。

その理由は、どんな時に気持ちが上下するのかをわかっておくことで、仕事を任せるタイミングやちょっとした伝え方が変わってくるから、ということ。これを聞いて私は、今後上司が変わったとしても、信頼できる人であればなるべくカミングアウトしようと決意しました。

考えてみれば、日々の「彼女と喧嘩した」という小さなことでも、「将来はこの人とこんな暮らしをしたいと思っている」という将来のキャリアプランでも、仕事をするうえでのモチベーションに大きく関わってくるもの。私がどんな感じ方をするのか、伝えておいたほうが、周囲の人としても日々の仕事が少しでもやりやすくなるなら、伝えておきたいです。もしかしたら、「彼女が病気になっても、何があっても二人分食っていけるくらい稼げるようになりたいんです」と伝えておくことが、大きな仕事を任せてもらえるチャンスにつながる可能性もあります。

だからこそ、上司が私が「どんな人間か」わかって、「どんなマネジメントをするか」理解しやすいように、カミングアウトしています。それが私が仕事をする上でのメリットになっていくと思っています。

理由③:働く上での安心感を得るため

「私という人間が受け入れられていると信じられること」…これって、実は、仕事をするうえで結構大事。

LGBTの離職率が、異性愛者の方より高いというデータがあります。セクシャリティという人間の根幹にもなりうる部分が受け入れられていると感じられなければ、「職場を自分の居場所だと思えること」はなかなか難しいのではないでしょうか。

私自身、職場でカミングアウトをする前には、「どこか嘘をついているような気持ち」「居心地は悪くないけど、いつ転職してもいいように準備しておこうというような気持ち」がどこかにあったように思います。こんなうしろめたさ、本当はないほうがいいと私は思います。誇りを持って、安心して働くために、私はカミングアウトしています

以上の3つが私が職場でカミングアウトをする理由です。「あるある!」「私もそう感じる!」と思った方も、「でも実際カミングアウトするにはやっぱりハードルがある…」と思った方もいらっしゃると思います。一個人の経験ではありますが、カミングアウトをしようか迷っている方の参考になればと思います。

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ABOUTこの記事をかいた人

教育研修会社に勤める、28歳女。同じくバイセクシャルの彼女と同棲中。読書と舞台と仕事が趣味だが、彼女との同棲生活を充実させるべく、現在ワークライフバランス作戦実践中。